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公認会計士試験に英語導入|配点5〜6%とUSCPAへの影響を解説

この記事でわかること

  • 公認会計士試験の英語出題の確定内容(令和9年第Ⅰ回短答式=2026年12月実施から、財務会計論・管理会計論・監査論の3科目)
  • 2025年12月の公表(総点数の1割程度)から2026年5月の確定(5〜6%程度)へ配点が下がった経緯と、令和10年以降の段階的調整の方針
  • 出題範囲(日本語の範囲と基本的に同じ+「網掛け部分」から重点出題)と、難易度の水準
  • この制度変更がUSCPAの価値に与える影響を、短期・中期・長期に分けた分析
  • 「会計士試験に英語が入るならUSCPAは不要になるか」への答えと、USCPAが証明し続けるもの
  • USCPAを検討している人が今すべき判断(4パターン別)

著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。

最終更新日:2026年8月30日

「公認会計士試験に英語が導入されると、USCPAの価値は下がるのか」「会計士受験生は英語対策にどれくらい時間を割くべきか」と考えている方に向けた記事です。

結論から言うと、短期的にUSCPAの価値は下がりません。理由は配点が総点数の5〜6%程度(500点満点で25〜30点程度)にとどまり、問われるのが「会計・監査の基本的事項を英語の専門用語で認識できるか」という水準だからです。

一方で中長期的には、「会計士は英語に触れているのが当たり前」という前提が強まり、USCPAが持つ”英語ができることの証明”としての希少性は薄れていきます。

そのぶん、USCPAの価値は「US
GAAPという別の基準体系を扱える」
という部分に集約されていくと筆者は見ています。

この記事では、公認会計士・監査審査会(金融庁)が公表した2つの資料(2025年12月16日「公認会計士試験における英語による出題について」、2026年5月25日「令和9年公認会計士試験短答式試験における英語による出題に係る配点の割合及び出題範囲について」)を一次情報に、確定内容とUSCPAへの影響を整理します。

日本の公認会計士がUSCPAを取る意味は「公認会計士×USCPAのダブルライセンス|効く場面と費用対効果」、資格そのものの違いは「USCPAと日本の公認会計士の違い|どっちを取るべき?」で扱っています。

いつから何が変わる?英語出題の確定内容

公認会計士試験の英語出題は、令和9年(2027年)第Ⅰ回短答式試験から始まる。この試験は2026年12月に実施されるため、実質的な開始は2026年末である。対象は短答式の財務会計論・管理会計論・監査論の3科目で、企業法は対象外。配点は短答式の総点数の5〜6%程度(500点満点で25〜30点程度)とされている。論文式試験は対象外である。

確定内容を整理します。

項目 内容
開始時期 令和9年第Ⅰ回短答式試験(2026年12月実施)から
対象試験 短答式試験のみ(論文式は対象外)
対象科目 財務会計論・管理会計論・監査論の3科目(企業法は対象外)
配点 短答式の総点数の5〜6%程度(500点満点で25〜30点程度)
出題範囲 日本語で出題される範囲と基本的に同じ。公表された出題項目の例のうち網掛け部分から重点出題
難易度 会計・監査分野の「基本的な事項」の理解を問う水準。英文を読む負担を踏まえた難易度
今後 令和10年以降、実施状況を踏まえ複数年かけて段階的に調整予定

出典:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験における英語による出題について」(2025年12月16日)、「令和9年公認会計士試験短答式試験における英語による出題に係る配点の割合及び出題範囲について」(2026年5月25日)。

配点は「1割程度」から「5〜6%程度」に下がった

見落とされやすいのが、当初の公表から配点が下方修正されている点です。

項目 2025年12月の公表 2026年5月の確定
配点割合 総点数の1割程度(約50点分) 総点数の5〜6%程度(25〜30点程度)
出題範囲 日本語問題と基本的に同じ 同じ大枠+網掛け部分から重点出題
対象科目 財務会計論・管理会計論・監査論 同じ
難易度 英文を読む負担を踏まえた難易度 「基本的な事項」の理解を問う

導入初年度の負担に配慮した段階的な設計で、受験生が恐れていたほどの変化にはなっていません。

ただし短答式の合格ボーダーは例年7割(350点)前後とされるため、英語問題を全部捨てると、日本語部分でより高い正答率が必要になります。「配点が小さいから無視できる」とは言えません。

国際基準はどう扱われるか

科目 国際基準の扱い
財務会計論 従来と同様、日本基準と重要な差異がある点について国際会計基準(IFRS)等の内容を出題することがある
監査論 日本の基準と整合する内容について、国際監査基準(ISA)を参考にして出題することがある
監査論の除外事項 現在検討中の監査基準等の改訂と関連する実務指針の改正は、施行日にかかわらず令和9年の英語出題範囲から除外

「英語が入る=国際基準を一から学ぶ」ではないという点が重要です。

出題の中心は、日本語で理解している基本概念を英語の専門用語で認識できるかという水準に置かれています。

なぜ導入されたのか?背景にある実務の変化

英語出題の背景として、審査会はIFRS適用企業の拡大、東証プライム上場企業への英文開示の義務付け、グループ監査の基準改正によるグローバルベースでの対応強化などを挙げている。つまり「会計士が英語に触れる場面が増えた」という実務の変化が先にあり、試験がそれに追随した形である。

背景 内容
IFRS適用企業の拡大 任意適用企業が増え、日本基準以外を扱う監査が増加
英文開示の義務付け 東証プライム上場企業への英文開示の要請
グループ監査の基準改正 海外子会社を含むグループ監査でのグローバルな対応
海外投資家との対話 資本市場の国際化

審査会は、公認会計士試験の合格者の8割程度が大手・準大手監査法人に就職し、そこでは国際的に活動する企業の監査が多いという現状も説明しています。

これは、筆者が監査法人で見てきた実感とも一致します。英語の資料に触れない監査チームのほうが少数派になりつつあります。

USCPAが日本で評価されてきた理由の一つは「会計×英語」でしたが、その”英語”の部分が会計士試験の側にも入ってくるというのが今回の変化です。

USCPAの価値はどうなる?短期・中期・長期の影響

USCPAへの影響は時間軸で分けて考える必要がある。短期(2026〜2028年)はほぼ影響なし。中期(2029〜2032年)は配点の段階的拡大により「英語ができる会計士」が増え、英語だけを訴求点にするUSCPAの相対価値は下がる。長期的には、USCPAの価値は「US
GAAPという別の基準体系を扱える」ことと「英語で実務を回した経験」に集約されていく。

時期 会計士試験の状況 USCPAへの影響
短期(2026〜2028年) 配点5〜6%、基本用語レベル ほぼ影響なし。英語で4科目を受験するUSCPAとは水準が違う
中期(2029〜2032年) 配点・範囲が段階的に拡大の見込み 「英語に触れた会計士」が増える。英語の希少性は低下
長期(2033年〜) 英語が試験の一部として定着 差別化はUS
GAAPの知識
と英語での実務経験に移る

重要なのは、会計士試験の英語出題が問うのは「英語の専門用語の認識」であって、「US
GAAPの体系的な理解」ではない
という点です。

比較 会計士試験の英語出題 USCPA
言語 一部が英語(短答式の5〜6%) 全科目が英語
対象基準 日本基準が中心(IFRS・ISAは差異・参考として) US GAAP・米国監査基準・米国税法
問われる力 基本概念を英語の用語で認識できるか 英語で会計・監査・税務の問題を解けるか
分量 25〜30点程度 4科目×4時間

つまり両者は代替関係にありません。

会計士試験の英語出題が拡大しても、US
GAAPを体系的に学んだ証明は会計士試験では得られません
。

USCPAの価値の中身は「USCPAの転職市場価値|評価される業界・されない業界の実態」で整理しています。

それでも「USCPAの訴求点」は変わっていく

一方で、「USCPA=英語ができる会計人材」という説明の効き目は、確実に弱まります。

これまでの訴求 これからの訴求
英語で会計を学んだ証明 US GAAP・米国基準を扱える証明
会計士より英語に強い 英語で実務を回した経験(案件・海外拠点)
グローバル人材の証明 特定の基準・地域での即戦力

USCPAを取る目的が「英語ができることを示す」だけであれば、TOEICのほうが安く早いという判断も成り立ちます。

USCPAとTOEICの役割の違いは「USCPAとTOEIC|転職に効くのはどっち?4象限で判断する」で整理しています。

会計士受験生はどう対策すべきか

審査会は「日本語で出題される範囲と基本的に同じ」「基本的な事項の理解を問う」としているため、新しい英文会計の専門書を買う必要はない。現実的な対策は、①日本語で学んだ論点の主要な専門用語を英訳で押さえる
②公表された出題項目の網掛け部分を優先する
③英文を完璧に訳さず拾い読みする練習をする、の3点である。

対策 内容 優先度
専門用語の英訳を押さえる 財務会計論・管理会計論・監査論の頻出用語 高
網掛け部分を優先 審査会が公表した出題項目の例のうち重点範囲 高
拾い読みの練習 全訳せず、設問に必要な部分を拾う 高
サンプル問題を解く 2025年12月に公開されたサンプル問題 中
英文会計の専門書 不要。日本語の学習が土台 低
USCPAの教材で対策 範囲も水準も違う。効率が悪い 低

やってはいけないのは「英語対策のために会計の学習時間を削ること」です。

配点は5〜6%程度なので、残り94〜95%を犠牲にする対策は明確に非効率です。

なお、公表された出題項目の例には、財務会計論なら原価・時価・現在価値、費用配分の原理、有価証券、引当金、純資産の分類、のれんなど、管理会計論なら費目別計算、収益性分析、CVP分析など、監査論なら監査の目的、独立性、監査計画の策定などが挙げられています。

いずれも日本語ですでに学んでいる基本論点です。

USCPAを検討している人はどう判断すべきか

この制度変更でUSCPAの受験判断を変える必要があるのは、「英語ができることの証明」だけを目的にしていた人に限られる。US
GAAP・外資系・海外キャリアを目的にしている人にとって、判断材料はまったく変わらない。

あなたの状況 判断 理由
USCPAを英語の証明として取ろうとしていた 再考の余地あり TOEICのほうが安く早い。目的を整理する
外資系・グローバル企業の経理を目指す 変わらず有効 US GAAP・英文決算の知識が求められる
監査法人・国際部門を目指す 変わらず有効 会計士試験の英語出題では代替されない
会計士試験とUSCPAで迷っている 目的で選ぶ 国内で監査に署名するなら会計士。範囲を横に広げるならUSCPA
すでに会計士(JCPA)でUSCPAを検討 変わらず有効 効くのはUS
GAAPと海外案件。「公認会計士×USCPAのダブルライセンス|効く場面と費用対効果」を参照
会計士受験生で英語が不安 USCPAに逃げない 範囲も水準も違う。会計士試験の対策を優先する

最後の行が最も重要です。

「会計士試験に英語が入るなら、いっそ英語で受けるUSCPAに」という発想は、USCPAのほうが英語の負担が圧倒的に大きいため成立しません。

自分の目的に対してUSCPAが合っているかは、アビタスの無料説明会(アビタスの無料説明会で最新情報を確認する)で学習量と単位要件を確認したうえで判断するのが確実です。

予備校ごとの違いは「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」で比較しています。

筆者はどう見るか|現場は試験より先に動いていた

筆者が監査法人にいた3年間でも、英語の資料に触れない日はほとんどありませんでした。グループ監査の指示書、海外子会社の報告パッケージ、海外チームとのメール。今回の制度変更は、この現場の実態に試験が追いついたという性質のものです。

現場で英語が登場した場面を整理します。

場面 英語の関与 求められた水準
グループ監査の指示書 英文で届く 読解。指示内容を正確に把握する
海外子会社の報告パッケージ 英文の財務諸表と注記 読解+基準差異の理解
海外チームとのメール 質問と回答 読み書き
海外チームとの電話会議 議論 リスニングとスピーキング
監査調書 日本語(国内案件) ―

試験で測れるのは1行目と2行目までです。

会計士試験の英語出題も、USCPAも、「読む力」の証明にとどまります。

筆者が監査法人時代に痛感したのも、電話会議で議論に入れなかったことでした。TOEIC
700点台前半では、資料は読めても会議では発言できません。

同期の公認会計士でUSCPAを追加取得した人も、「資格を取る過程で英文資料に慣れたのが大きかった」と話しており、資格そのものではなく慣れが実務につながっていました。

制度が変わっても、この構造は変わりません。試験は入口を作るだけで、実務で戦えるかは別の訓練が必要です。

英語力を段階的に伸ばす道筋は「USCPA×英語力で年収を上げる掛け算戦略|4段階と実例」で扱っています。

よくある質問(FAQ)

Q1.
公認会計士試験の英語出題はいつから始まりますか?

令和9年(2027年)第Ⅰ回短答式試験からで、この試験は2026年12月に実施されます。

対象は短答式の財務会計論・管理会計論・監査論の3科目で、企業法と論文式試験は対象外です。

Q2. 配点はどのくらいですか?

短答式の総点数の5〜6%程度(500点満点で25〜30点程度)です。

2025年12月の公表時点では「総点数の1割程度」とされていましたが、2026年5月の確定情報で下方修正されました。

ただし、審査会は令和10年以降について「実施状況等を踏まえて複数年かけて段階的に調整する」としており、将来的に配点が上がる可能性があります。

Q3.
英語が苦手だと会計士試験に受からなくなりますか?

なりません。

問われるのは会計・監査分野の「基本的な事項」の理解であり、日本語で理解している概念を英語の専門用語で認識できるかという水準です。

英文を読む負担を踏まえた難易度にすると審査会も明言しています。ただし合格ボーダーが例年7割前後であることを考えると、全部捨てる前提は避けたほうが安全です。

Q4.
会計士試験に英語が入ると、USCPAは意味がなくなりますか?

なくなりません。

会計士試験の英語出題が問うのは「英語の専門用語の認識」で、USCPAが証明する「US
GAAPの体系的な理解」とは範囲が異なります
。

ただし「英語に触れた会計士」が増えることで、USCPAの”英語ができることの証明”としての希少性は中期的に下がると考えられます。

USCPAを取る目的が英語の証明だけなら、TOEICのほうが安く早いという判断もあり得ます。

Q5.
会計士受験生がUSCPAの教材で英語対策をするのは有効ですか?

効率が悪いのでおすすめしません。

USCPAはUS
GAAP・米国監査基準・米国税法を英語で問う試験で、範囲も水準も会計士試験の英語出題とは違います。

対策としては、日本語で学んだ論点の専門用語の英訳を押さえ、公表された網掛け部分を優先し、英文を拾い読みする練習をするほうが直接的です。

Q6.
論文式試験にも英語は導入されますか?

2026年8月30日時点で、論文式試験への導入は公表されていません。

審査会は令和10年以降について「実施状況等を踏まえて段階的に調整」としており、対象試験の拡大についても今後の動向を注視する必要があります。

最新情報は公認会計士・監査審査会の公表資料で確認してください。

Q7.
すでにUSCPAを持っている人に影響はありますか?

直接の影響はありません。

USCPAの試験制度が変わるわけではなく、日本の会計士試験の話です。

ただし、転職や社内での自己PRで「英語ができること」だけを訴求している場合は、説明の仕方を変える必要が出てきます。「英語が読める」ではなく「US
GAAPで実務を回した」「英語案件を担当した」という具体で語るほうが有効です。

まとめ:短期の影響はないが、USCPAの訴求点は変わる

この記事の要点を再掲します。

  • 公認会計士試験の英語出題は令和9年第Ⅰ回短答式(2026年12月実施)から。対象は財務会計論・管理会計論・監査論の3科目で、企業法と論文式は対象外
  • 配点は総点数の5〜6%程度(500点満点で25〜30点程度)。2025年12月時点の「1割程度」から下方修正された。令和10年以降は段階的に調整予定
  • 出題範囲は日本語の範囲と基本的に同じ+網掛け部分から重点出題。難易度は「基本的な事項」の理解を問う水準で、新しい英文会計の専門書は不要
  • 背景はIFRS適用企業の拡大・英文開示の義務付け・グループ監査の基準改正。試験が実務の変化に追いついた形
  • USCPAへの影響は、短期(2026〜2028年)はほぼなし、中期は英語の希少性が低下、長期は差別化がUS
    GAAPの知識と実務経験に移る
  • 両者は代替関係にない。会計士試験の英語出題が問うのは専門用語の認識、USCPAが証明するのはUS
    GAAPの体系的理解
  • 会計士受験生はUSCPAに逃げない。英語の負担はUSCPAのほうが圧倒的に大きい

制度は変わっても、実務で戦えるかどうかは試験の外にあります。

会計士受験生の方はまず審査会が公表した出題項目の網掛け部分を確認し、USCPAを検討している方は「自分が証明したいのは英語なのかUS
GAAPなのか」を言葉にするところから始めてみてください。

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アビタス

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受講料624,800円〜
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PR USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
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