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USCPAと日本の公認会計士の違い|どっちを取るべき?

この記事でわかること

  • USCPA(米国公認会計士)と日本の公認会計士(JCPA)の違いを、独占業務・試験制度・難易度・費用・年収・キャリアの10項目で比較した一覧表
  • 2025年の実データ(公認会計士試験の合格率7.4%、USCPAの科目別合格率42〜78%)で見た難易度の本当の差
  • 2026年12月の短答式試験から始まる「公認会計士試験の英語出題」がUSCPAとの比較にどう影響するか
  • BIG4監査法人でUSCPAとして3年働いた筆者が見た、同じ職場での公認会計士との「差がつく場面・つかない場面」
  • 大学生・社会人・経理経験者・30代以上の4タイプ別に、どちらを取るべきかの判断表

著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。

最終更新日:2026年8月28日

「公認会計士とUSCPAは何が違う?」「USCPAは日本の公認会計士の下位互換?」「自分はどっちを取るべき?」と検索している方に向けて、両方の資格保有者が同じ職場にいたBIG4監査法人での経験をもとに整理します。

結論から言うと、USCPAと日本の公認会計士は「上下」ではなく「使う場所」が違う資格です。日本の監査報告書に署名する立場を目指すなら公認会計士、働きながら英語×会計でキャリアを広げるならUSCPAが合理的な選択になります。

筆者は大学在学中にUSCPAを取得し、新卒でBIG4監査法人に入所しました。同期の大半は日本の公認会計士試験合格者で、3年間、同じチームで同じクライアントを監査しています。

この記事では、金融庁(公認会計士・監査審査会)とAICPAの公表データを一次情報に、10項目の比較表、難易度の実データ、2026年12月から始まる公認会計士試験の英語出題、筆者が監査法人で見た両者の違い、4タイプ別の判断表まで解説します。

なお、USCPA単体の難易度は「USCPAの難易度|合格率・偏差値・他資格比較で見る本当の位置」、費用は「USCPAの費用総額|予備校・受験料・出願費の内訳と試算表」で詳しく扱っています。

目次 閉じる

USCPAと日本の公認会計士の違いとは?10項目の比較表で全体像を把握

USCPAと日本の公認会計士の最大の違いは「日本での独占業務の有無」で、そこから試験制度・難易度・キャリアの違いが派生します。まず10項目を一覧で比較します。

USCPA(U.S. Certified Public
Accountant)とは、米国各州の会計委員会(State Board of
Accountancy)が認定する米国の公認会計士資格です。

日本の公認会計士(JCPA)とは、公認会計士法に基づく日本の国家資格で、金融庁の公認会計士・監査審査会が試験を実施します。

両者の違いを10項目で比較すると次の通りです。

項目 日本の公認会計士(JCPA) USCPA(米国公認会計士)
資格の性質 日本の国家資格(公認会計士法) 米国各州の州資格(州ごとにライセンス)
日本での独占業務 あり(財務諸表監査の監査報告書に署名できる) なし(監査補助者として監査業務には従事可)
税理士登録 可(登録すれば税務代理が可能) 不可
試験の言語 日本語(2026年12月の短答式から一部英語出題) 英語
試験の構成 短答式(4科目一括)→論文式(5科目一括)の2段階 4科目(Core3科目+Discipline1科目)を1科目ずつ受験
受験資格 なし(年齢・学歴不問) 学位+会計・ビジネス単位が必要(州により異なる)
合格率 7.4%(2025年、願書提出者ベース) 科目別42〜78%(2025年、AICPA)
勉強時間の目安 3,000〜5,000時間 1,200〜1,500時間
費用の目安 予備校60〜90万円+受験料19,500円 予備校50〜80万円+受験・出願・単位取得で総額約100万円
資格取得後の要件 実務経験3年+実務補習+修了考査 ライセンスに実務経験1〜2年(州による)。継続教育(CPE)あり

表の通り、日本の公認会計士は「取得が難しい代わりに日本で独占業務を持つ資格」、USCPAは「取得の道筋が見えやすく英語で会計を学んだ証明になる資格」です。

どちらが上かではなく、日本国内の法定監査で責任を負う立場を目指すか、英語×会計で職種と地域の選択肢を広げるかで、選ぶべき資格が変わります。

各項目の詳細は以下のH2で順に解説します。USCPAを選択肢に入れるなら、受験資格(単位要件)を先に確認するのが最短です。アビタスの無料説明会で受験資格を確認する

独占業務の違い|日本で「公認会計士」として働けるのはどっち?

日本で監査報告書に署名できるのは日本の公認会計士だけです。USCPAは日本では独占業務を持ちませんが、監査法人で監査補助者として監査に従事でき、米国基準の監査報告書には署名できます。

日本の公認会計士の独占業務

公認会計士法第2条第1項に定める「財務書類の監査証明業務」は、日本の公認会計士(および監査法人)だけが行える独占業務です。

上場企業や大会社の財務諸表監査で、監査報告書に署名して意見を表明できるのは公認会計士に限られます。

加えて、公認会計士は税理士登録(税理士法第3条)ができるため、税務代理・税務書類の作成も業務範囲に入ります。

会計事務所を開業して監査・税務・コンサルティングを一人で完結できるのは、日本の公認会計士の大きな強みです。

USCPAが日本でできること・できないこと

USCPAは米国の資格なので、日本の公認会計士法上の独占業務は行えません。

一方で、監査法人に所属して監査チームの一員として監査手続を担当することは、資格の種類に関係なく可能です。

BIG4監査法人4法人は、USCPA全科目合格者を監査職の応募要件に明記しています(各法人の公開求人で確認)。

USCPAが日本でできること・できないことを整理すると次の通りです。

業務 USCPA 備考
監査法人での監査手続(監査補助者) できる BIG4は全科目合格を応募要件に明記
日本基準の監査報告書への署名 できない 業務執行社員(パートナー)は公認会計士のみ
米国基準(PCAOB・US GAAS)の監査報告書への署名 州ライセンスがあれば可 米国上場の日本企業監査で活躍の場がある
税務代理(申告書作成・税務相談) できない 税理士登録ができない
経理・財務・FP&A・内部監査 できる 資格要件がない職種
FAS・コンサルティング できる 資格要件がない職種
名刺への「米国公認会計士」記載 できる 「公認会計士」と誤認させる表記は不可

筆者がBIG4で3年間担当した業務(実証手続・内部統制評価・連結パッケージの検討)は、公認会計士の同期と全く同じ内容でした。

ただし、監査報告書の署名者になる道は最初から閉じているので、監査法人でパートナーを目指す前提の人はこの点だけで公認会計士を選ぶべきです。

独占業務の詳細は「USCPAの独占業務とは|日本でできること・できないこと」で解説しています。

試験制度の違い|受けやすいのはどっち?

日本の公認会計士試験は短答式・論文式を年1〜2回の決まった日程で一括受験する制度、USCPAは4科目を1科目ずつ好きな時期に受験できる制度です。働きながら受けやすいのはUSCPAです。

日本の公認会計士試験の仕組み

日本の公認会計士試験は、短答式試験(マークシート)と論文式試験(記述)の2段階です。

段階 実施時期 科目 合格基準の目安
短答式試験 年2回(12月・5月) 財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の4科目 総点数の70%を基準に審査会が決定
論文式試験 年1回(8月、3日間) 会計学・監査論・企業法・租税法+選択科目(経営学等)の5科目 偏差値52を基準に決定

短答式に合格すると2年間は短答式が免除され、論文式は科目合格(一部科目免除)の制度もあります。

ただし、基本は「全科目を同じ日程で一括受験」なので、繁忙期に受験日が重なると1回分を丸ごと失います。

論文式合格後は、3年の実務経験と実務補習を経て修了考査に合格し、日本公認会計士協会に登録して初めて「公認会計士」を名乗れます。

USCPA試験の仕組み

USCPA試験は、2024年1月開始のCPA
Evolutionにより、Core3科目(FAR・AUD・REG)+Discipline1科目(BAR・ISC・TCPから選択)の4科目構成です。

項目 内容
受験方式 1科目ずつ、プロメトリック会場でCBT受験(日本は東京・大阪)
受験時期 通年(空席があれば好きな日に予約可)
試験時間 1科目4時間、MC問題+TBS(シミュレーション問題)
合格点 75点(99点満点のスケールスコア)
科目合格の有効期限 最初の科目合格から30ヵ月(多くの州。従来の18ヵ月から延長)
受験資格 学位(学士)+会計・ビジネス単位。不足分は予備校提携の大学単位で補える

USCPAは「1科目落としても、その科目だけ再受験できる」制度なので、社会人が仕事の繁閑に合わせて計画を組めます。

筆者は大学3年の秋からFAR→AUD→REG→BECの順で受け、在学中に4科目を終えました。科目ごとに区切れるので、期末試験や就活と重ねずに済んだのが大きかったです。

受験資格の詳細は「USCPAの受験資格|高卒・短大卒・在学中でも受けられる?」を参照してください。

2026年12月から公認会計士試験に英語出題が入る

公認会計士・監査審査会は2025年12月16日、令和9年第Ⅰ回短答式試験(2026年12月実施)から英語による出題を導入すると公表しました。

2026年5月25日に公表された詳細では、対象は短答式試験の財務会計論・管理会計論・監査論の3科目で、配点は短答式の総点数の1割程度、出題範囲は日本語の出題範囲と基本的に同じとされています(公認会計士・監査審査会公表資料より)。

これは「日本の公認会計士=日本語だけで完結、USCPA=英語」という従来の対比が少し崩れることを意味します。

ただし配点は1割程度で、USCPAのように試験全体が英語で行われるわけではありません。

英語が苦手で公認会計士を選ぼうとしていた人にとっては、どちらを選んでも英語からは逃げ切れなくなった、と捉えるのが正確です。

英語力の目安は「USCPAの英語力|TOEIC何点から?600点台でも受かる理由」で解説しています。

難易度の違い|合格率と勉強時間のデータで比較

合格率は日本の公認会計士が7.4%(2025年)、USCPAは科目別42〜78%(2025年)で、数字上の難易度は公認会計士が圧倒的に高いです。ただしUSCPAの「全科目合格率」は科目別より大幅に低く、簡単な資格ではありません。

合格率の比較

金融庁(公認会計士・監査審査会)とAICPAの公表データを並べます。

資格 指標 数値 出典・時点
日本の公認会計士 最終合格率(合格者÷願書提出者) 7.4%(合格者1,636名) 公認会計士・監査審査会、2025年11月発表
日本の公認会計士 論文式の合格率(合格者÷論文受験者) 35.1%(受験者4,665名) 同上
日本の公認会計士 合格者の平均年齢 24.6歳 同上
USCPA FAR(財務会計) 42.12% AICPA、2025年通年
USCPA AUD(監査) 48.21% 同上
USCPA REG(税法・商法) 63.12% 同上
USCPA BAR/ISC/TCP(選択科目) 41.94%/67.79%/77.65% 同上
USCPA 2026年上半期の傾向 FAR約43%・AUD約49%・REG約67% AICPA、2026年Q2累計

公認会計士試験の合格者数1,636名は過去11年で最多ですが、願書提出者の増加が上回り、合格率は2024年と並ぶ過去10年で最低水準です。

USCPAの科目別合格率は40〜78%ですが、これは「受験回数ベース」の数値です。4科目すべてに1回で合格する人は2割程度とされ、途中で撤退する人も少なくありません。

「USCPAは合格率50%だから簡単」は誤りで、「1科目ずつなら合格の見通しが立つ試験」が正しい表現です。

勉強時間の比較

資格 勉強時間の目安 合格までの期間の目安 学習スタイル
日本の公認会計士 3,000〜5,000時間 2〜4年 専念(学生・受験専念)が多数派
USCPA 1,200〜1,500時間 1〜2年 働きながらが多数派

勉強時間は2〜3倍の差があります。

公認会計士試験は大学生や受験専念者が中心で、合格者の平均年齢が24.6歳であることがそれを示しています。

一方でUSCPAは、予備校の受講生の多くが社会人です。筆者の受講時も、平日夜のライブ講義の教室はスーツ姿の社会人が大半でした。

難易度は「試験の難しさ」より「続けられる制度か」で決まる

筆者が両方の資格保有者と働いて感じたのは、試験の難易度差ほど、実務能力の差はないということです。

公認会計士の同期は日本基準の細かい論点と企業法に強く、USCPAの筆者は英文の会計基準と海外子会社のパッケージ確認で頼られました。

難易度で選ぶなら、「どちらが難しいか」ではなく「自分の生活で3,000時間を確保できるか、1,200時間を分割して積み上げる方が現実的か」で考えると失敗しません。

USCPAの難易度を他資格と並べた比較は「USCPAの難易度を偏差値・他資格で例えると」を参照してください。

費用の違い|取得までにかかるお金を比較

予備校費用は公認会計士60〜90万円、USCPA50〜80万円でほぼ同水準ですが、USCPAは受験料・出願費・単位取得費が加わり総額約100万円になります。教育訓練給付制度はどちらも使えます。

費目 日本の公認会計士 USCPA
予備校(受講料) 60〜90万円(2年コースの目安) 50〜80万円(単位取得込みのパックが一般的)
受験料 19,500円(収入印紙、1回の出願) 1科目約350〜400ドル×4科目+州の出願料(合計15〜25万円)
追加の単位取得 不要 不足単位があれば数万〜20万円(予備校提携大学)
学歴・成績証明の評価 不要 学歴評価機関の手数料(数万円)
資格取得後 実務補習所の費用、協会登録料・会費 ライセンス申請料、年間の維持費・CPE
総額の目安 70〜100万円 90〜120万円

USCPAは受験料がドル建てで、為替と再受験の回数で総額が動きます。上記の受験料は2026年8月時点の目安で、州によって異なるため出願時に要確認です。

どちらも厚生労働省の教育訓練給付制度(専門実践教育訓練の指定講座なら受講料の最大70〜80%、一般教育訓練なら20%)の対象講座があり、予備校と講座によって給付率が異なります。

筆者は学生パックを使い、単位取得込みで受講料を抑えました。費用を抑える方法は「USCPA予備校の費用を最安にする方法|割引・給付金を横断整理」で横断的にまとめています。

年収・キャリアの違い|評価される場所はどこが違う?

入口の年収はほぼ同じで、監査法人1年目はどちらも450〜550万円が目安です。差が出るのは「日本の監査法人でのパートナー昇格」と「外資・グローバル領域での評価」で、前者は公認会計士、後者はUSCPAが有利です。

年収レンジの比較

キャリア段階 日本の公認会計士 USCPA
監査法人1年目(スタッフ) 450〜550万円 450〜550万円(差なし)
監査法人シニア(4〜6年目) 600〜800万円 600〜800万円
監査法人マネージャー以上 800〜1,200万円(パートナーで1,500万円〜) 800〜1,000万円(パートナー昇格は原則不可)
事業会社の経理・財務 500〜900万円 500〜900万円
外資系企業の経理・FP&A 600〜1,000万円 600〜1,200万円(英語案件で優位)
FAS・コンサル 600〜1,200万円 600〜1,200万円
独立開業 監査・税務で可 監査・税務は不可(コンサル等は可)

年収は転職エージェント各社の公開求人と筆者の周囲の実例をもとにした目安で、法人・企業・地域で変わります。

筆者の入所時、公認会計士の同期と給与テーブルは同一でした。入口で資格による給与差はありません。

差がつくのは、監査法人で上に行くほどです。業務執行社員(パートナー)は公認会計士に限られるため、USCPAが監査法人で長期のキャリアを築くなら、アドバイザリー部門への異動や他社への転職が前提になります。

活躍できる領域の違い

領域 公認会計士の評価 USCPAの評価
日本基準の法定監査 ◎(独占業務) ○(監査補助者として)
米国上場企業・海外子会社の監査 ○ ◎(英語・US GAAP)
FAS(M&A・企業価値評価) ◎ ○
日系大企業の経理・連結 ○ ○
外資系企業の経理・FP&A ○ ◎
内部監査・J-SOX ○ ○(CIAとの相性が良い)
税務(税理士法人・独立) ◎(税理士登録) ×(登録不可)
海外駐在・海外就職 △(知名度が国内限定) ○(国際的な知名度)

「公認会計士のほうが上」と言われるのは、日本基準の監査と税務という2つの独占領域があるからです。

「USCPAのほうが使える」と言われるのは、外資・グローバル・海外という領域で「英語で会計がわかる」証明として機能するからです。

どちらの評価も正しく、自分が進む領域で評価される資格を選ぶのが答えになります。

USCPAの年収の実態は「USCPAの年収はいくら?日本・米国の相場と筆者の推移を公開」で、転職市場での評価は「USCPAの転職市場価値|評価される業界・されない業界の実態」で解説しています。

筆者の体験|BIG4監査法人でUSCPAと公認会計士は何が違ったか

筆者がBIG4監査法人で3年間、公認会計士の同期と同じチームで働いて見えた違いは「日常業務では差がなく、責任の範囲と英語案件のアサインで差がつく」ことでした。

差がつかなかった場面

入所時の研修、配属、担当する監査手続、評価面談の基準はすべて共通でした。

1年目に任されたのは現金預金・売掛金・固定資産の実証手続で、これは公認会計士の同期も同じです。

クライアントからも「USCPAだから」と扱いが変わることはなく、名刺の肩書きより「担当科目を理解しているか」で信頼が決まりました。

2年目にインチャージ(現場主査の補佐)を任された時期も、資格による前後はありませんでした。

差がついた場面

差が出たのは次の3つです。

場面 公認会計士 USCPA(筆者)
監査調書の最終責任 将来的に署名者(パートナー)になる前提で育成される 監査補助者としての育成。署名者にはなれない
英語案件のアサイン 英語ができる人が担当 資格が「英語で会計ができる」証明になり、2年目から海外子会社の連結パッケージ確認と海外往査を担当
日本基準の細かい論点 論文式で鍛えた企業法・日本基準に強い 入所後に日本基準・会社法を実務で補う必要があった

筆者は2年目に米国子会社への往査に加わり、現地の監査チームとのやり取りを英語で担当しました。これは「USCPAだから英語案件を任せやすい」と上司が判断したからで、資格が直接効いた場面です。

一方で、日本基準特有の論点(税効果の回収可能性の分類、退職給付の数理計算)は、公認会計士の同期のほうが最初から早く、筆者は実務と法人内研修で追いつく形でした。

3年目に転職して分かったこと

筆者は3年目にコンサルへ転職しましたが、転職市場ではFAS・コンサル・事業会社の求人でUSCPAと公認会計士の扱いに差はほとんどありませんでした。

差があったのは税理士法人だけで、ここは税理士登録ができる公認会計士が明確に有利です。

監査法人でパートナーを目指さないなら、USCPAは3年の監査経験と組み合わせることで公認会計士とほぼ同じ選択肢を持てる、というのが筆者の実感です。

監査法人でのUSCPAのリアルは「USCPAで監査法人に入る方法|採用要件・4つの入り方・選考対策」と「監査法人からの転職先7選|3年で辞めた私の選択と判断軸」で詳しく書いています。

どっちを取るべき?4タイプ別の判断表

日本の監査で責任を負う立場を目指す学生は公認会計士、働きながら英語×会計で選択肢を広げたい社会人はUSCPAが基本です。年代・状況別に判断表で整理します。

判断の軸は3つ

迷ったときは次の3つの問いに答えると決まります。

  1. 日本基準の監査報告書に署名する立場、または税務で独立したいか
    → Yesなら公認会計士一択
  2. 仕事を辞めずに取りたいか → Yesなら USCPA
    が現実的(3,000時間の確保は働きながらでは困難)
  3. 外資・海外・英語を使う職種に進みたいか →
    YesならUSCPAが評価されやすい

タイプ別の判断表

タイプ 状況 おすすめ 理由
大学生(1〜2年生) 監査法人でパートナーまで目指したい 公認会計士 学生の時間を3,000時間の学習に投下でき、合格者の中心層(平均24.6歳)
大学生(1〜3年生) 外資・海外・英語に関心。就活の武器にしたい USCPA 在学中合格が現実的。筆者はこのルートでBIG4に新卒入所
大学生(3〜4年生) 就活が近い USCPA 公認会計士は間に合わない。科目合格でも就活で示せる
社会人(20代・未経験) 監査法人に入りたい USCPA(働きながら)/公認会計士(専念できるなら) BIG4はUSCPA全科目合格を応募要件に明記。専念は生活費と合格後の年齢を試算して判断
社会人(20〜30代・経理経験あり) 経理のキャリアを広げたい USCPA 実務経験×USCPAで外資・連結・海外子会社管理の求人に届く
社会人(30代以上) 転職・昇進で使いたい USCPA 取得後に活かす年数を考えると、1〜2年で取れる資格が合理的
公認会計士の有資格者 国際案件・海外を強化したい USCPAの追加取得 日本基準の強みに英語・US
GAAPを足せる。学習時間は重複部分で短縮可

この表で「USCPA」に当たる人でも、学位・単位要件を満たしているかは個別に確認が必要です。

学部や取得単位によっては不足単位の取得が必要になり、その分費用と期間が変わります。

受験資格を先に確認したい人へ:アビタスの無料説明会では、学歴・単位から受験可能な州と不足単位、社会人・学生別の学習計画を個別に確認できます。→
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大学生の在学中合格の実態は「大学生のUSCPA|在学中合格のリアルと就活での使い方」、社会人向けは「USCPAは本当に意味ない?やめとけと言われる5つの理由と真実」で「意味がある人・ない人」の線引きを解説しています。

ダブルライセンスは意味がある?公認会計士+USCPAの現実

公認会計士がUSCPAを追加取得する価値は「国際案件・海外・外資」に進む場合に限って高く、国内監査だけなら必須ではありません。逆にUSCPAが公認会計士を追加で取るケースは少数です。

組み合わせ 主な目的 学習負担 筆者の周囲の実例
公認会計士→USCPA追加 海外駐在・米国基準監査・外資転職 会計・監査の重複が大きく、通常より短い期間で合格する人が多い BIG4の先輩がシンガポール駐在前に取得
USCPA→公認会計士追加 日本基準の監査で署名者を目指す・税務で独立 3,000時間以上。短答式からやり直し 監査法人在職中に挑戦した同僚は1名、合格後にパートナー候補に
USCPA→CIA・CISA等の追加 内部監査・IT監査に特化 数百時間 内部監査部門に転職した同僚が取得

公認会計士がUSCPAを取る場合、FAR・AUDの内容は日本の会計学・監査論と重なる部分が多いので、英語と米国税法(REG)が主な追加学習になります。

USCPAが公認会計士を取る場合は逆で、試験制度がまったく別なので、実質的にゼロからの再挑戦になります。筆者の同僚の1人は監査法人在職中に4年かけて合格し、その後は署名者への道が開けました。

USCPAと相性の良い追加資格は「CIA資格とは|公認内部監査人の難易度・年収・USCPAの相性」で解説しています。

迷っているなら「USCPAが受験できるか」を先に確認する

公認会計士とUSCPAで迷っている人が最初にやるべきことは、自分の学歴でUSCPAの受験資格を満たすかの確認です。受験できなければ選択肢は一つになり、受験できるなら両方を比べる意味が生まれます。

公認会計士試験に受験資格はありませんが、USCPAは学位と会計・ビジネス単位が必要で、州によって要件が異なります。

不足単位があれば、その取得に必要な費用と期間(数ヵ月〜半年)を計画に織り込む必要があります。

アビタスの無料説明会では、受験資格の判定、州選び、社会人・学生別の学習計画、教育訓練給付制度の対象コースを個別に確認できます。

筆者は大学2年の冬に説明会で「今の単位で受験できる州」を確認してから受講を決めました。受験可否が分かると、公認会計士との比較が「理想」ではなく「自分の条件」で判断できるようになります。

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予備校ごとの費用・教材・サポートの比較は「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」を参照してください。

よくある質問(FAQ)

Q1.
USCPAは日本の公認会計士の下位互換ですか?

違います。

日本の法定監査と税務では公認会計士に独占業務があるため、その領域ではUSCPAは代替になりません。

一方で、外資系企業・海外子会社管理・米国基準の監査・海外就職では、USCPAのほうが「英語で会計を扱える」証明として評価されます。

上下ではなく評価される領域が違う資格で、BIG4監査法人の採用ではどちらも同じ監査職の入口として扱われています。

Q2.
USCPAは日本で「公認会計士」と名乗れますか?

名乗れません。

日本で「公認会計士」の名称を使えるのは、日本公認会計士協会に登録した人だけです(公認会計士法第48条・名称の使用制限)。

USCPAは「米国公認会計士」または「USCPA」と表記します。名刺や履歴書で「公認会計士」とだけ書くと誤認を招くので注意してください。

また、州のライセンスを取得していない全科目合格者は「USCPA全科目合格」と書くのが正確です。

Q3.
公認会計士試験に英語が出るなら、USCPAの意味は減りますか?

減りません。

2026年12月の短答式から始まる英語出題は、財務会計論・管理会計論・監査論で総点数の1割程度です。

試験全体を英語で受け、英文の会計基準・監査基準・米国税法を学ぶUSCPAとは、英語で会計を扱った量が違います。

むしろ、公認会計士側が英語を求め始めたことは「会計×英語」の需要が実務で高まっている証拠で、USCPAの方向性が正しかったことを示しています。

Q4. どちらが年収は高いですか?

入口の年収は同じで、その後は進む領域で決まります。

監査法人1年目はどちらも450〜550万円が目安で、資格による給与差はありません。

監査法人でパートナーまで昇格できるのは公認会計士だけなので、監査法人内での上限は公認会計士が高くなります。

外資系企業・グローバル企業の経理やFP&Aでは、英語案件を担当できるUSCPAのほうが年収の上振れが出やすい傾向です。

Q5.
社会人が働きながら公認会計士を目指すのは無理ですか?

無理ではありませんが、少数派です。

公認会計士試験は3,000時間以上の学習と、年1〜2回の決まった日程での一括受験が必要で、仕事と両立して合格する人は毎年一定数いるものの多くは受験専念です。

働きながら会計資格を取りたい場合、1科目ずつ通年で受験できるUSCPAのほうが計画を立てやすく、筆者の受講時も受講生の大半は社会人でした。

専念する場合は、生活費と合格後の年齢での就職を先に試算しておくことをおすすめします。

Q6.
USCPAで監査法人に入れますか?

入れます。

BIG4監査法人4法人は、USCPA全科目合格者を監査職の応募要件に明記しています。

筆者も大学在学中の全科目合格で新卒入所し、公認会計士の同期と同じ研修・配属・給与テーブルでした。

ただし、監査報告書の署名者(業務執行社員)にはなれないため、監査法人でのキャリアはシニア・マネージャーまでを前提に、その後の転職や部門異動を視野に入れて設計するのが現実的です。

詳しくは「USCPAで監査法人に入る方法|採用要件・4つの入り方・選考対策」を参照してください。

Q7.
公認会計士がUSCPAも取る意味はありますか?

海外・外資・国際案件に進むならあります。

公認会計士は日本基準と企業法に強い一方、英語での会計・監査の証明がありません。USCPAを足すと、海外駐在・米国基準監査・外資系転職で「英語で会計ができる」根拠が加わります。

FAR・AUDの内容は日本の会計学・監査論と重なるため、通常より短い学習時間で合格する人が多いです。

国内の監査と税務だけで完結するキャリアなら、必須ではありません。

Q8.
USCPAを取った後に公認会計士を目指す人はいますか?

少数ですがいます。

USCPAと公認会計士は試験制度が別なので、USCPA合格は公認会計士試験の免除にはなりません。

筆者の監査法人の同僚は、在職中に4年かけて公認会計士試験に合格し、署名者(パートナー候補)への道が開けました。

監査法人で長期的に上を目指すと決めた場合の選択肢で、それ以外の領域に進むなら公認会計士の追加取得は必須ではありません。

まとめ:USCPAと公認会計士は「使う場所」で選ぶ資格

この記事の要点を再掲します。

  • USCPAと日本の公認会計士の最大の違いは日本での独占業務(監査報告書への署名・税理士登録)の有無。監査法人で監査手続を担当することはUSCPAでも可能
  • 試験制度は公認会計士が2段階一括受験(年1〜2回)、USCPAが4科目を1科目ずつ通年受験。働きながら受けやすいのはUSCPA
  • 合格率は公認会計士7.4%(2025年)、USCPA科目別42〜78%(2025年)。勉強時間は3,000〜5,000時間
    vs 1,200〜1,500時間で2〜3倍の差
  • 2026年12月の短答式から公認会計士試験に英語出題(3科目・総点数の1割程度)が入り、「公認会計士なら英語不要」ではなくなる
  • 費用は公認会計士70〜100万円、USCPA90〜120万円で大差なし。入口の年収も監査法人1年目450〜550万円で差なし
  • 筆者のBIG4での3年間は、日常業務では差がなく、署名者への道と英語案件のアサインで差がついた
  • 選び方は「日本の監査で署名する立場・税務独立→公認会計士」「働きながら・外資・海外・英語→USCPA」。迷ったらUSCPAの受験資格を先に確認する

どちらの資格も、取った後にどこで使うかを決めてから選べば、後悔はほとんどありません。

自分の学歴でUSCPAを受験できるか、どの州が合うか、働きながら何ヵ月で4科目を終えられるかを確かめるところから始めてみてください。

USCPAおすすめスクール
ランキングTOP3

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1

アビタス

総合評価

4.7
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受講料624,800円〜
(実質10万円台)
教材特徴日本語テキスト+英語問題集、図解豊富で初学者OK
講義形式日本語講義、
スモールユニット形式
サポート期間5年間(業界最長)
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ポイント

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    95%がアビタス受講生
  • 社会人でも短期合格できるコンパクト教材設計
  • 合格お祝い金とリスキリング補助金で
    実質10万円台
  • AICPA公認の唯一の日本校で
    最新試験情報を直接入手
  • 5年間サポート期間で安心、
    USCPA+プログラムで合格後もサポート

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2

TAC

総合評価

3.5
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受講料400,000円〜485,000円
教材特徴オリジナルテキスト+Becker問題集、ボリュームあり
講義形式正統派黒板スタイル講義
サポート期間3年間
合格祝い金なし
単位取得やや困難(時間がかかる)

ポイント

  • 長年の資格試験指導ノウハウを活かした
    正統派学習スタイル
  • Becker問題集が使用可能で
    実践的な学習ができる
  • REG・TCP(税務科目)の評判が特に良好
  • 質問回答が迅速で的確なサポート体制
  • 教育訓練給付制度対象講座で
    受講料の一部支給

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3

CPA会計学院

総合評価

2.8
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受講料396,000円
教材特徴オリジナルテキスト+U World問題集、BARのみ対応
講義形式日本語講義(会計知識前提)
サポート期間2年間(延長可能)
合格祝い金10万円
単位取得やや困難

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  • 受講料が比較的安価で費用を抑えて
    学習開始可能
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PR USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
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