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USCPA FARリース・年金会計の攻略|判定と計算の型

この記事でわかること

  • FARで出るリース(ASC
    842)の範囲(借手のみ。貸手・セール&リースバックはBARへ移行)と、年金会計(ASC
    715)の範囲(事業主側の確定給付年金はFAR、年金制度自体の財務諸表はBARへ移行)
  • 借手のリース判定5基準(ファイナンス/オペレーティング)、リース負債と使用権資産の当初測定、2つの分類での費用計上の違いを計算の型で整理
  • 年金会計の「予測給付債務(PBO)」「年金資産」「積立状況」「期間純年金費用(NPPC)」の4つの動きと、回廊アプローチの計算手順
  • リース・年金それぞれで受験生が落としやすいひっかけ(短期リースの選択、割引率、実際運用収益と期待運用収益、過去勤務費用のOCI処理)
  • FAR序盤で精読に失敗した筆者が、リース・年金を「表と仕訳の型」で解けるようになった学習手順

著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。

最終更新日:2026年8月29日

FARの学習で、リースと年金会計は「仕組みは分かった気がするのに、問題になると数字が合わない」と感じやすい2大論点です。

用語が多く、計算が複数年にまたがり、さらに2024年のCPA
Evolutionで「どこまでがFARでどこからがBARか」も変わったため、範囲の切り分けから迷う方が多いはずです。

結論から言うと、FARのリースは「借手の判定5基準→当初測定→2分類の費用計上」の3段階、年金会計は「PBO・年金資産・積立状況・期間純年金費用の4つの動き」に分解し、それぞれを「表と仕訳の型」で覚えれば、計算問題は手順通りに解けます。

貸手・セール&リースバック・年金制度の財務諸表はBARに移ったため、FARでは借手と事業主側に集中して構いません。

筆者はFAR序盤でテキストの精読に2ヵ月かけて進捗が止まった経験があり、リースと年金は「型」に切り替えてから解けるようになりました。

この記事では、FARでの出題範囲、リースの判定と計算の型、年金会計の4つの動きと回廊アプローチ、落としやすいひっかけ、筆者の学習手順を整理します。

目次 閉じる

FARで出るリース・年金会計の範囲はどこまで?

2024年のCPA Evolution後、FARのリース(ASC
842)は「借手(Lessee)の会計処理」が中心で、貸手(Lessor)の会計とセール&リースバックはBARに移行した。年金会計(ASC
715)は「事業主側の確定給付年金の会計処理(PBO・年金資産・期間純年金費用・OCI)」がFARに残り、「年金制度自体の財務諸表(Financial
statements of employee benefit
plans)」はBARに移行した。FARでは借手と事業主側に絞って学習すればよい。

まず、範囲の切り分けを表で確認します。

論点 FAR(コア)で出る内容 BAR(選択)に移行した内容
リース(ASC 842) 借手の分類判定、リース負債・使用権資産の測定、ファイナンス/オペレーティングの費用計上、短期リースの選択、開示 貸手の会計(セールスタイプ・直接金融・オペレーティング)、セール&リースバック、上位スキルの分析問題
年金(ASC 715) 事業主側の確定給付年金:PBO、年金資産、積立状況、期間純年金費用、OCIの処理、確定拠出年金との違い 年金制度自体の財務諸表(制度の純資産・純資産変動)

この切り分けは予備校各社(Becker等)のCPA
Evolution解説と一致しており、2026年8月29日時点のBlueprintに基づきます(最新版で要確認)。

FAR全体の構成は、Area I 財務報告(30〜40%)、Area II
選択的な貸借対照表項目(30〜40%)、Area III
選択的な取引(25〜35%)で、リースと年金はArea
II・IIIにまたがって出題されます。

FARの全体像は「FARの勉強法と必要勉強時間」、選択科目の内容は「USCPAのBARとは|出題範囲・難易度・勉強法を合格者が解説」で扱っています。

USCPAとは、米国各州が認定する公認会計士資格で、FARは4科目のうち財務会計を扱う最もボリュームの大きいコア科目です。

リース・年金を含むFARの学習量を予備校の講義時間と問題数で確認したい方は、アビタスの無料説明会でFARの単元構成とTBSの演習量を聞いておくと、この記事の型をどこで練習するかが具体的になります。

借手のリース判定はどう決める?5つの基準

借手のリースは、5つの基準のいずれか1つでも満たせばファイナンスリース、いずれも満たさなければオペレーティングリースに分類する。5基準は①所有権の移転
②購入オプションの行使が合理的に確実
③リース期間が残存経済的耐用年数の主要部分(目安75%以上)④リース料の現在価値+残価保証が公正価値のほぼ全部(目安90%以上)⑤特殊仕様で貸手に他の用途がない、の5つ。リース期間12ヵ月以下の短期リースは、オンバランスしない選択ができる。

リースの計算は、分類が決まらないと始まりません。

借手の分類判定5基準

基準 内容 覚え方
①所有権の移転(Transfer of ownership) リース終了時に所有権が借手に移る 「もらえる」
②購入オプション(Purchase option) 行使が合理的に確実(reasonably certain) 「買える」
③リース期間(Lease term) 残存経済的耐用年数の主要部分(major part)。目安75%以上 「長い」
④現在価値(Present value) リース料+残価保証の現在価値が公正価値のほぼ全部(substantially
all)。目安90%以上
「高い」
⑤特殊仕様(Specialized nature) 借手専用で貸手に他の用途がない 「専用」

1つでも該当→ファイナンスリース、すべて非該当→オペレーティングリースです。

75%・90%は基準書の本文にはなく「目安(bright line
ではない)」として使われる点が問われることがあります。

短期リースと分類の例外

項目 内容
短期リース(Short-term lease) リース期間12ヵ月以下で、借手が行使が合理的に確実な購入オプションを持たない場合、資産・負債を計上せず定額で費用処理する選択(会計方針)ができる
リース期間の判断 解約不能期間+延長オプション(行使が合理的に確実な期間)+解約オプション(行使しないことが合理的に確実な期間)
構成要素の分離 リース要素と非リース要素(保守サービス等)は原則分離。借手は分離しない実務上の便法を選択できる

リース負債と使用権資産はどう計算する?当初測定と費用計上

借手は開始日に「リース負債=未払いリース料の現在価値」と「使用権資産(ROU資産)=リース負債+前払リース料+当初直接費用−受取リースインセンティブ」を計上する。割引率は貸手の計算利子率が分かればそれを、分からなければ借手の追加借入利子率を使う。費用計上はファイナンスリースが「使用権資産の償却+リース負債の利息」の2本立て(前半に費用が多い)、オペレーティングリースが「単一のリース費用(定額)」で、リース負債は両方とも実効金利法で減らす。

分類が決まったら、当初測定と毎期の費用計上を「型」で処理します。

当初測定の型

項目 計算 注意点
リース負債(Lease liability) 開始日時点で未払いのリース料の現在価値 固定リース料+指数・レート連動の変動リース料(開始日のレートで固定)+行使が合理的に確実な購入オプション+残価保証で支払うと見込む額。純粋な変動リース料(売上連動等)は含めない
使用権資産(ROU asset) リース負債+開始日以前の前払リース料+当初直接費用−受取リースインセンティブ 「負債に前払・直接費用を足し、インセンティブを引く」
割引率 貸手の計算利子率(implicit
rate)が容易に算定できればそれ、できなければ借手の追加借入利子率(incremental
borrowing rate)
非公開企業はリスクフリーレートの使用を選択可
支払時期 期首払い(annuity due)か期末払い(ordinary
annuity)かで現在価値係数が変わる
問題文の「beginning/end of each year」を必ず確認

2分類の費用計上の型(数値例)

リース期間3年、年額10,000ドルを各期末に支払い、割引率5%、耐用年数5年の設備(オペレーティングリース)を例にします。

年 期首リース負債 利息(5%) 支払 期末リース負債
1年目 27,232 1,362 10,000 18,594
2年目 18,594 930 10,000 9,524
3年目 9,524 476 10,000 0

リース負債の動きは、ファイナンス・オペレーティングとも同じ(実効金利法)です。

違いは費用の見せ方です。

項目 ファイナンスリース オペレーティングリース
損益計算書の費用 使用権資産の償却費(定額)+利息費用 単一のリース費用(定額:総リース料÷期間)
1年目の費用(上の例) 償却9,077(27,232÷3)+利息1,362=10,439 10,000(30,000÷3)
3年目の費用 償却9,077+利息476=9,553 10,000
使用権資産の減り方 定額償却(リース期間と耐用年数の短い方。所有権移転・購入オプションなら耐用年数) 「リース負債+未償却の前払・直接費用−未償却インセンティブ」で逆算(プラグ)
キャッシュフロー計算書 元本部分は財務活動、利息部分は営業活動 全額が営業活動

ファイナンスリースは「前半に費用が多い」、オペレーティングリースは「毎年同じ」が、両者を比べる問題の核心です。

オペレーティングリースの使用権資産は、償却費を直接計算するのではなく「単一のリース費用−利息相当額」で減らす点が、仕訳問題で問われます。

年金会計はどう整理する?4つの動きと期間純年金費用

事業主側の確定給付年金は、①予測給付債務(PBO)の増減
②年金資産の増減 ③積立状況(年金資産−PBO)の貸借対照表計上
④期間純年金費用(NPPC)の計算、の4つの動きで整理する。NPPCは「勤務費用+利息費用−期待運用収益±過去勤務費用の償却±数理計算上の差異の償却」で、勤務費用のみ営業費用、他の要素は営業外に表示する。実際運用収益と期待運用収益の差、給付債務の数理計算上の差異、過去勤務費用は、まずその他の包括利益(OCI)に計上し、償却で費用へ振り替える。

年金会計は、4つの表を書けるようになれば解けます。

確定拠出型と確定給付型の違い

項目 確定拠出年金(Defined Contribution) 確定給付年金(Defined Benefit)
事業主の義務 拠出額を払えば終わり 将来の給付額を約束し、運用リスクを負う
費用 拠出額=費用 期間純年金費用(複数要素)
貸借対照表 未払拠出があれば負債 積立状況(年金資産−PBO)を資産または負債で計上
FARでの比重 低い 高い(計算問題の中心)

①PBO(予測給付債務)の動き

項目 増減 内容
期首PBO — 前期末残高
+勤務費用(Service cost) 増 当期の勤務で増えた給付の現在価値
+利息費用(Interest cost) 増 期首PBO×割引率
+過去勤務費用(Prior service cost) 増 制度改定で遡及的に増えた給付(減額なら減)
±数理計算上の差異(Actuarial gain/loss) 増減 割引率・退職率等の前提変更。損失なら増
−給付支払(Benefits paid) 減 退職者への支払
=期末PBO —

②年金資産の動き

項目 増減 内容
期首年金資産(公正価値) —
+実際運用収益(Actual return) 増 運用で実際に増えた額
+事業主拠出(Contributions) 増 会社が年金基金に払った額
−給付支払(Benefits paid) 減 PBOと同額
=期末年金資産 —

③積立状況と貸借対照表

項目 計算 表示
積立状況(Funded status) 年金資産−PBO プラスなら年金資産(非流動資産)、マイナスなら年金負債
OCI累計(AOCI) 未償却の過去勤務費用、未償却の数理計算上の差異 純資産の部

「積立状況をそのまま貸借対照表に載せる」のがASC
715の基本で、期間純年金費用と拠出額の差は積立状況の変化として現れます。

④期間純年金費用(NPPC)の型

要素 記号 計算 表示
勤務費用 S 当期の勤務費用 営業費用(人件費等)
利息費用 I 期首PBO×割引率 営業外
期待運用収益 R 期首年金資産×期待運用収益率(マイナス) 営業外
過去勤務費用の償却 A AOCIの過去勤務費用÷残存勤務期間 営業外
数理計算上の差異の償却 G 回廊アプローチで計算(利益なら費用を減らす) 営業外

「S・I・R・A・G」の順で足し引きすると覚えると、要素の抜けを防げます。

期待運用収益(Expected return)を使い、実際運用収益(Actual
return)は使わない
のが最頻出のひっかけで、実際と期待の差は数理計算上の差異としてOCIに計上します。

回廊アプローチはどう計算する?

数理計算上の差異(net gain or
loss)の償却は回廊アプローチで計算する。①期首の未償却差異(AOCI)の残高を、期首PBOと期首年金資産の大きい方の10%(回廊)と比べる
②回廊を超えた部分だけを、従業員の平均残存勤務期間で割った額を当期の償却額とする
③回廊内に収まっていれば償却しない。実際運用収益と期待運用収益の差も、この差異の残高に加える。

回廊アプローチは、手順を固定すれば計算できます。

手順 内容 例
①回廊の計算 期首PBOと期首年金資産の大きい方×10% PBO 1,000,000ドル・年金資産 800,000ドル→回廊100,000ドル
②未償却差異の残高 期首時点のAOCIの数理計算上の差異(損失) 160,000ドル
③超過額 ②−① 160,000−100,000=60,000ドル
④償却額 ③÷平均残存勤務期間 60,000÷10年=6,000ドル(損失なら費用を増やす)
ひっかけ 正しい処理
「期末」のPBOで回廊を計算する 期首のPBO・年金資産で計算する
未償却差異の全額を償却する 回廊を超えた部分だけ
実際運用収益と期待運用収益の差を当期のNPPCに入れる OCIに計上し、翌期以降の回廊計算に含める
過去勤務費用を回廊で償却する 過去勤務費用は回廊を使わず、残存勤務期間で定額償却

回廊アプローチは最低限の償却で、企業はより速い償却方法を選択することもできます。

筆者がリース・年金で失敗した点と、解けるようになった手順

筆者はFAR序盤にテキストの精読で2ヵ月進捗が止まり、その後「講義1回→当日にMC問題→間違えた箇所を逆引き」に切り替えました。

リースと年金は、この切り替えの効果が最も大きかった論点です。

失敗した点と変えたこと

論点 失敗 変えたこと
リースの分類 5基準を丸暗記し、問題文の「reasonably certain」「major
part」を読み飛ばして分類を誤った
基準ごとに「もらえる・買える・長い・高い・専用」の一言をつけ、問題文の該当箇所に印をつけてから判定
リースの現在価値 期首払いと期末払いの係数を取り違え、リース負債が合わない 問題文の支払時期を最初に確認し、期首払いなら「初回支払は割引しない」と表に書く
オペレーティングリースの使用権資産 償却費を直接計算しようとして数字が合わない 「単一のリース費用−利息=使用権資産の減少額」の型に固定
年金のNPPC 実際運用収益で計算し、期待運用収益を使う問題で落とした S・I・R・A・Gの表を白紙に書き、Rは必ず「期待」と書く
回廊 期末PBOで回廊を計算した 「回廊は期首」と表の1行目に書く

解けるようになった学習手順

ステップ 内容 目安時間
①型の作成 リース(判定表・当初測定表・2分類の費用表)、年金(PBO表・年金資産表・NPPC表・回廊表)を白紙に書けるまで繰り返す 3時間
②MC演習 リース20問・年金20問。間違えた問題は上の表のどこで落ちたかを記録 4時間
③TBS演習 複数年にわたる計算問題を各3問。表を書いてから解く 4時間
④逆引き 間違えた論点だけテキストの該当節を読む 2時間
⑤1週間後の再演習 同じ問題を解き直し、型が残っているか確認 2時間

合計15時間程度で、リース・年金はMC・TBSとも安定して解けるようになりました。

監査法人に入ってからは、米国子会社を持つクライアントでASC
842のリース負債の再計算や、確定給付年金の数理計算報告書と会計処理の照合を担当し、試験で覚えた「表の型」がそのまま監査調書の形になっていたのが印象的です。

問題演習から入る学習法は「USCPA勉強法|問題演習から入る学習の是非と正しい手順」、FAR全体の時間配分は「FARの勉強法と必要勉強時間」で扱っています。

リース・年金会計の学習で気をつけること

リース・年金の学習では、①FARの範囲(借手・事業主側)に絞り、貸手・セール&リースバック・年金制度の財務諸表はBARを選ぶ場合だけ学ぶ
②数値例は必ず自分で表を書いて再現する
③「期待運用収益」「期首で回廊」「1つでも該当でファイナンス」などのひっかけを一覧にして直前に見直す、の3点を守る。テキストの精読より、表と仕訳の型を作って問題で確かめる方が短時間で定着する。

気をつけること 具体的なアクション
①範囲を絞る FARでは借手と事業主側の年金に集中。BARを選ぶなら貸手・セール&リースバック・年金制度の財務諸表を追加
②表を自分で書く テキストの数値例を見るだけでなく、白紙に表を書いて数字を再現する
③ひっかけ一覧 本記事の「ひっかけ」表をまとめ、受験直前に見直す
④簿記の基礎 現在価値・実効金利法・OCIの仕組みが弱い場合は、簿記2級相当の復習を1〜2週間入れる

簿記の知識がFARに与える効果は「簿記2級・1級保有者のUSCPA勉強時間|短縮効果を科目別に解説」で整理しています。

予備校3校のFAR教材の数値例・TBS問題数の違いは「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」で比べられます。

リース・年金の講義がどの程度の数値例と演習で構成されているかを確認してからFARの学習を始めたい方は、アビタスの無料説明会でFARの単元別の講義時間とTBSの数を聞いておくと、この記事の型を練習する場所が具体的になります。

よくある質問(FAQ)

Q1.
FARではリースの貸手側は出ませんか?

2024年のCPA
Evolution以降、貸手の会計とセール&リースバックはBAR(選択科目)に移行しました。

FARでは借手の分類判定、リース負債・使用権資産の測定、ファイナンス/オペレーティングの費用計上、短期リースの選択が中心です。

BARを選択しない場合、貸手側は学習しなくて構いません。

範囲は最新のBlueprintで確認してください。

Q2.
ファイナンスリースとオペレーティングリースの判定はどう覚えればよいですか?

5基準を「もらえる(所有権移転)・買える(購入オプション)・長い(耐用年数の75%目安)・高い(公正価値の90%目安)・専用(特殊仕様)」で覚えてください。

1つでも該当すればファイナンスリース、すべて非該当ならオペレーティングリースです。

75%・90%は基準書本文にはない目安で、問題文の「major
part」「substantially all」「reasonably
certain」の表現を読み落とさないことが重要です。

Q3.
オペレーティングリースの使用権資産はどう減らしますか?

「単一のリース費用−リース負債の利息相当額」を使用権資産の減少額とします。

オペレーティングリースの費用は総リース料÷期間の定額で、リース負債は実効金利法で減るため、使用権資産の減少額は毎期変わります。

ファイナンスリースのように償却費を直接計算しない点が、仕訳問題で問われます。

使用権資産の期末残高は「リース負債+未償却の前払・直接費用−未償却インセンティブ」で逆算できます。

Q4.
期間純年金費用の計算で実際運用収益と期待運用収益のどちらを使いますか?

期待運用収益です。

期間純年金費用は「勤務費用+利息費用−期待運用収益±過去勤務費用の償却±数理計算上の差異の償却」で計算します。

実際運用収益と期待運用収益の差は数理計算上の差異としてOCIに計上し、翌期以降の回廊計算に含めます。

実際運用収益は年金資産の増減表でのみ使います。

Q5.
回廊アプローチの10%は何に対する10%ですか?

期首のPBOと期首の年金資産の大きい方に対する10%です。

期首の未償却差異の残高がこの回廊を超えた部分だけを、従業員の平均残存勤務期間で割った額が当期の償却額になります。

回廊内に収まっていれば償却しません。

「期末」の数値で計算する、全額を償却するのが典型的な誤りです。

Q6.
過去勤務費用も回廊で償却しますか?

しません。

過去勤務費用は制度改定時にOCIに計上し、対象従業員の残存勤務期間で定額償却します。

回廊アプローチを使うのは数理計算上の差異(net gain or
loss)だけです。

過去勤務費用の償却額は期間純年金費用の要素として営業外に表示されます。

Q7.
リースと年金にはどれくらい学習時間をかければよいですか?

合計15時間程度が目安です。

表の型の作成に3時間、MC演習に4時間、TBS演習に4時間、逆引きに2時間、1週間後の再演習に2時間を配分します。

テキストの精読に時間をかけるより、表を白紙に書いて問題で確かめる方が短時間で定着します。

現在価値・実効金利法・OCIの仕組みが弱い場合は、簿記2級相当の復習を先に1〜2週間入れると効率が上がります。

まとめ:リースは「判定→測定→2分類の費用」、年金は「4つの表」で解く

この記事の要点を再掲します。

  • FARのリースは借手のみ(貸手・セール&リースバックはBARへ)、年金は事業主側の確定給付年金(制度の財務諸表はBARへ)
  • リースの判定は「もらえる・買える・長い・高い・専用」の5基準で1つでも該当ならファイナンス。短期リース(12ヵ月以下)はオンバランスしない選択可
  • 当初測定はリース負債=未払リース料の現在価値、使用権資産=負債+前払+直接費用−インセンティブ。割引率は計算利子率→追加借入利子率
  • 費用はファイナンスが償却+利息(前半に多い)、オペレーティングが単一の定額費用。使用権資産の減少額は「費用−利息」
  • 年金はPBO表・年金資産表・積立状況・NPPC(S・I・R・A・G)の4つの表で整理。運用収益は期待を使う
  • 回廊は期首のPBOと年金資産の大きい方×10%、超過分÷平均残存勤務期間。過去勤務費用は回廊を使わない
  • 筆者は精読で止まり、表と仕訳の型+問題演習15時間で安定して解けるようになった

リースも年金も、覚える量より「表をどの順で埋めるか」を身につければ得点源になります。

まず本記事の表を白紙に書けるようにし、MC問題を各20問解いて、どの表のどの行で落ちたかを記録するところから始めてみてください。

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PR USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
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