この記事でわかること
- USCPAの需要を支える3つのデータ(IFRS適用企業302社・監査法人のUSCPA採用継続・米国の会計士不足)
- 「取得者が増えて価値が下がる」が当てはまる領域と、当てはまらない領域
- 需要が伸びている職種(監査法人の国際部門・IFRS導入支援・海外子会社管理・FAS)と年収帯
- 逆に需要が縮む領域(日本基準の定型処理)と、そこに留まらないための考え方
- BIG4とコンサルの現場で筆者が見た「USCPAが足りていない場所」
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月28日
「USCPAの将来性はあるのか」「取得者が増えて需要は頭打ちではないか」と気になっていませんか。
結論から言うと、USCPAの需要は、日本のIFRS適用企業の増加(2012年5社→2026年1月末302社)、監査法人の国際案件の拡大、米国側の会計士不足という3つの構造的な要因に支えられており、2026年時点で縮小の兆しはありません。ただし需要が伸びているのは「英語×会計×判断」の領域で、日本基準の定型処理には及びません。
「取得者が増えた」のは事実ですが、需要はそれ以上に伸びています。
筆者はBIG4監査法人で3年働き、現在はコンサルにいますが、どちらの現場でも「英語で会計を扱える人」は常に足りていませんでした。
この記事では、将来性を「気持ち」ではなく「データ」で確認し、需要が伸びる領域と縮む領域を分けて整理します。
USCPAの将来性はある?結論は「需要は構造的に伸びている」
USCPAの将来性とは、資格の希少性ではなく「英語で国際会計基準を扱える人材への需要」で決まります。その需要は、IFRS適用の拡大・海外展開・監査の国際化という構造要因で伸び続けており、AIや取得者増加で相殺される段階にはありません。
USCPAの需要を支えるデータを3つ挙げます。
| 要因 | データ | 出典・時点 |
|---|---|---|
| ①日本のIFRS適用企業の増加 | 2012年5社→2014年42社→2024年284社→2026年1月末で適用済293社・適用決定含め302社 | 日本取引所グループ、マイナビ会計士(2026年3月)、ハイスタ(2026年2月) |
| ②監査法人のUSCPA採用継続 | BIG4を中心に監査部門・アドバイザリー部門でUSCPA採用が増加傾向。中小監査法人の需要も拡大 | マイナビ会計士(2026年3月)、公認会計士の転職日誌 |
| ③米国側の会計士不足 | 米国では会計専攻の学生減少とCPA受験者減少が続き、会計人材不足が業界課題に | AICPA等の公表・各種報道 |
①が最も分かりやすい需要の指標です。
IFRS適用企業は10年で約7倍に増え、IFRSはUS
GAAPと共通点が多いため、USCPA合格者はIFRS案件で即戦力として評価されやすい構造があります。
②は「取得者が増えても採用が続いている」ことの証明で、③は日本のUSCPAが海外案件で求められる背景です。
USCPAの需要は「日本国内の会計士の代替」ではなく、「日本企業の国際化に伴う新しい需要」で伸びているという構図を押さえてください。
USCPAが「意味ない」と言われる文脈との整理は「USCPAは本当に意味ない?やめとけと言われる5つの理由と真実」で行っています。
需要の実態を合格者のキャリアデータで確認したい方は、アビタスの無料説明会で「合格者の進路の内訳」を聞いてみると、数字で把握できます。
需要が伸びている領域はどこ?職種別の需要と年収帯
需要が伸びているのは、①監査法人の国際部門・IFRS/US GAAP監査
②IFRS導入支援・会計アドバイザリー ③事業会社の海外子会社管理・連結
④FAS・コンサル
⑤外資系企業の経理財務、の5領域です。いずれも「英語×会計×判断」が共通の条件です。
| 領域 | 需要の背景 | USCPAの役割 | 年収帯の目安 |
|---|---|---|---|
| 監査法人の国際部門 | IFRS・US GAAP監査、海外子会社監査、SEC提出書類のレビュー | 英語で監査手続きを回せる人材として採用 | スタッフ500万円前後〜シニア600〜800万円 |
| IFRS導入支援・会計アドバイザリー | IFRS適用企業の増加に伴う導入プロジェクト | 基準差異の分析、会計方針の策定 | 600〜950万円(求人例) |
| 事業会社の海外子会社管理・連結 | 海外展開企業の連結決算、子会社の会計統制 | 英文資料の読解、基準差異の調整 | 500〜800万円 |
| FAS・コンサル | M&A、財務デューデリジェンス、業務改善 | 監査経験+USCPA+英語で評価 | 600〜1,000万円超 |
| 外資系企業の経理財務 | US GAAPでの本社報告、内部統制(SOX)対応 | USCPAが歓迎要件・必須要件になることも | 600〜900万円 |
※年収帯は2026年8月時点の求人情報・公表データに基づく目安で、経験・年齢・企業規模で大きく変動します。
筆者の体験|BIG4とコンサルで「足りていなかった」人材
BIG4の監査部門にいたとき、外資系クライアントや海外子会社の監査は、英語で手続きを回せる人が常に不足していました。
日本の会計士は多いのですが、英文の会計資料を読み、海外の監査チームとやり取りできる人は限られ、USCPA採用者はその案件に優先的に配属される状態でした。
コンサルに移ってからは、IFRS導入や海外子会社の業務改善で「会計を知っていて英語で現地と話せる人」がプロジェクトごとに求められ、こちらも慢性的に足りていません。
需要の実感として、「USCPAが余っている」場面は一度も見たことがなく、「英語で会計を扱える人がいない」場面は毎月のように見ました。
監査法人の仕事の実態は「監査法人1年目の仕事内容|USCPA新人の1年間と3年間の変化」で、年収の相場は「USCPAの年収はいくら?日本・米国の相場と筆者の推移を公開」で解説しています。
「取得者が増えて価値が下がる」は本当か|領域別に分けて考える
取得者の増加は事実ですが、価値が下がるのは「資格だけを差別化要因にする」領域だけです。英語×会計×判断が求められる領域では需要が供給を上回り続けており、取得者増加で価値が下がる段階にはありません。
「取得者が増えた」という指摘を、領域別に検証します。
| 領域 | 供給(USCPA取得者) | 需要 | 価値の動向 |
|---|---|---|---|
| 日本基準の定型経理 | 増えている | 横ばい〜減少(AI化・外注化) | 下がる。USCPAの優位性は小さい |
| 資格手当だけを期待する現職 | 増えている | 会社の制度次第 | 下がる。手当の有無は資格の価値と無関係 |
| IFRS・US GAAP対応 | 増えている | それ以上に増えている(適用企業10年で7倍) | 保たれる〜上がる |
| 海外子会社管理・国際監査 | 増えている | 増えている(海外展開の拡大) | 保たれる〜上がる |
| 会計×IT・システム統制 | 少ない(ISC選択者は限定的) | 急増(AI・システム監査) | 上がる |
「価値が下がった」と感じる人は、上2行の領域にいます。
下3行の領域では、取得者が増えても需要の伸びが上回っており、筆者の現場の実感とも一致します。
USCPAの価値は「持っている人の数」ではなく「英語で会計を扱える人の需要と供給の差」で決まる、という視点で見てください。
AI時代の需要の変化は「USCPAはAIに代替される?会計士の将来性を現場から解説」で詳しく扱っています。
需要が縮む領域と、そこに留まらないための考え方
需要が縮むのは、日本基準の定型経理処理、手当目的で現職に留まる場合、英語を使わない業務に限定した場合です。USCPAを取るなら、合格後に国際・判断・システムの領域に自分を移す前提で計画してください。
正直に書いておくと、USCPAを取っても需要の伸びを享受できない人もいます。
| 縮む領域・状況 | なぜ縮むか | 移るための考え方 |
|---|---|---|
| 日本基準の定型処理 | AI化・外注化・低コスト化 | 合格後にIFRS・連結・海外子会社の業務に手を挙げる |
| 資格手当だけを目的にした現職 | 手当は会社の制度で、需要とは別 | 転職か社内異動で国際案件のある部署へ |
| 英語を使わない業務に限定 | USCPAの需要は英語とセット | 英語を業務で使う意思を持つ。使う場に身を置く |
| 30代後半以降・未経験のまま | 実務経験なしでは需要側に届きにくい | 科目合格の段階から経理・会計の実務経験を並行して積む |
筆者の周囲で「USCPAを取ったが活かせていない」と言う人は、例外なく上の表のどれかに当てはまっていました。
需要は存在しますが、需要のある場所に自分を移すのは本人の選択です。
転職先の選び方は「USCPAを活かせる転職先7選と転職のコツ|職種別の入り方を解説」で解説しています。
今後5〜10年の見通し|需要を支える3つの構造要因は続くか
IFRS適用の拡大、日本企業の海外展開、監査の国際化・システム化という3つの構造要因は、いずれも5〜10年で反転する兆しがありません。USCPAの需要は、少なくとも今から学習を始めて合格し、実務経験を積む期間にわたって伸び続けると見るのが現実的です。
| 構造要因 | 今後の見通し | USCPAへの影響 |
|---|---|---|
| IFRS適用の拡大 | 大手企業を中心に適用が続く。適用済・決定で302社(2026年1月末)、さらに増加見込み | IFRS・US GAAPを扱える人材の需要が継続 |
| 日本企業の海外展開 | 海外売上比率の上昇、海外子会社の増加 | 海外子会社管理・連結・英文報告の需要が継続 |
| 監査の国際化・システム化 | クロスボーダー案件の増加、AI・システム統制の監査への移行 | 英語×会計×IT(ISC)の人材需要が拡大 |
| 米国側の会計士不足 | 会計専攻・CPA受験者の減少が続く | 日本のUSCPAが海外案件・海外就職で求められる余地 |
USCPAは合格まで1.5〜2年、実務経験を積んで市場価値が上がるまでさらに2〜3年かかります。
つまり今日始める人が需要側に届くのは5年前後先ですが、上の4要因はその時点でも続いている可能性が高いです。
需要を「今あるか」ではなく「5年後にあるか」で見ると、USCPAの将来性は十分に合理的な投資判断になります。
将来性を自分のキャリアに落とし込む|3ステップ
①需要が伸びる5領域のどれに行きたいかを決める
②その領域に必要な「英語・実務経験・選択科目」を逆算する
③USCPA学習と並行して、実務経験か英語のどちらかを動かし始める、の3ステップで将来性を自分のものにできます。
- 行きたい領域を決める:監査法人の国際部門・IFRS導入支援・海外子会社管理・FAS・外資系経理のどれか
- 必要な要素を逆算する:監査法人なら20代のうちに動く、FASなら監査経験、外資系なら英語力、システム系ならISC
- 学習と並行して動く:科目合格の段階でエージェントに登録して求人を見る、社内で国際案件に手を挙げる、英語を業務で使う場に身を置く
将来性は資格に付いているのではなく、資格を使って行く場所に付いています。
行き先を決めてから学習を始めると、途中で「意味があるのか」と迷う時間が減ります。
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よくある質問(FAQ)
Q1.
USCPAの需要は今後も続きますか?
続くと見るのが現実的です。日本のIFRS適用企業は2012年の5社から2026年1月末には302社(適用済・決定含む)に増え、監査法人はUSCPA採用を継続し、米国側でも会計士不足が続いています。これらは短期の景気ではなく、国際化・基準の統一・人材構造という長期の要因で、5〜10年で反転する兆しはありません。
Q2.
USCPAの取得者が増えていますが、飽和していませんか?
領域によります。日本基準の定型経理や資格手当目的の現職では、取得者増加で差別化が難しくなっています。一方、IFRS・US
GAAP対応、海外子会社管理、会計×ITの領域では需要の伸びが供給を上回り、飽和していません。飽和を感じるかどうかは、どの領域にいるかで決まります。
Q3.
USCPAで最も需要が高い職種はどこですか?
監査法人の国際部門(IFRS・US
GAAP監査、海外子会社監査)が最も安定的にUSCPAを採用しています。年収帯ではFAS・コンサル、IFRS導入支援が高く、求人例で600〜950万円の帯が見られます。未経験からの入口としては監査法人、経験を積んだ後の高年収領域としてはFAS・アドバイザリーという流れが一般的です。
Q4.
日本の公認会計士と比べて将来性はどうですか?
役割が違うため単純比較はできません。日本の会計士は法定監査の独占業務があり制度的に安定しています。USCPAは独占業務がない代わりに、国際案件・海外展開・IFRS対応という「日本企業の国際化に伴って伸びる需要」に直結しています。「日本国内で会計士として独立する」なら日本の会計士、「国際案件・英語を使う会計キャリア」ならUSCPAです。
Q5.
AIの普及で需要は減りませんか?
処理業務の需要は減りますが、USCPAの需要が伸びている領域(会計判断・国際案件・システム統制・AIの出力の検証)はAIの普及でむしろ需要が増しています。AI時代に価値が下がるのは日本基準の定型処理で、USCPAの主戦場ではありません。
Q6.
米国の会計士不足は日本のUSCPAに関係ありますか?
関係があります。米国では会計専攻の学生減少とCPA受験者減少が業界課題になっており、海外拠点やグローバル企業で会計人材が不足しています。日本のUSCPAが海外就職・海外駐在・グローバル企業の本社報告で求められる背景の一つです。
Q7.
将来性があるのに「活かせていない」人がいるのはなぜですか?
需要のある領域に自分を移していないからです。日本基準の定型処理に留まる、資格手当だけを目的にする、英語を使わない業務に限定する、30代後半以降で未経験のまま、のいずれかに当てはまる人は、需要があっても届きません。合格後に国際・判断・システムの領域に自分を移す前提で計画することが重要です。
まとめ|需要は構造的に伸びている。届くかどうかは行き先で決まる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- USCPAの需要はIFRS適用企業302社(2026年1月末)・監査法人の採用継続・米国の会計士不足という構造要因で伸びている
- 需要が伸びる領域は監査法人の国際部門・IFRS導入支援・海外子会社管理・FAS・外資系経理。共通条件は英語×会計×判断
- 取得者増加で価値が下がるのは日本基準の定型処理・資格手当目的の現職だけ。国際・判断・システムの領域では需要が供給を上回る
- 筆者の現場の実感は「USCPAが余っている場面はなく、英語で会計を扱える人がいない場面は毎月あった」
- 将来性は資格ではなく行き先に付いている。需要のある領域を決めてから学習を始める
USCPAの将来性を疑う時間があれば、需要が伸びている領域のどれに行きたいかを決める方が、学習の迷いも減ります。
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アビタス
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| 受講料 | 624,800円〜 (実質10万円台) |
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| 講義形式 | 日本語講義、 スモールユニット形式 |
| サポート期間 | 5年間(業界最長) |
| 合格祝い金 | 社会人20万円、 学生15万円 |
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ポイント
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95%がアビタス受講生 - 社会人でも短期合格できるコンパクト教材設計
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CPA会計学院
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| 受講料 | 396,000円 |
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| サポート期間 | 2年間(延長可能) |
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