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USCPAライセンス取得の要件と流れ|合格後にやること

この記事でわかること

  • 「全科目合格」と「ライセンス取得」の違い|合格しただけでは名乗れない理由
  • ライセンス取得の4要件(単位・実務経験・倫理試験・申請)と、州による違い
  • 日本在住者が現実的に取れる州(ワシントン州・グアム)の要件|2025年11月のワシントン州ルート改定を反映
  • 全科目合格からライセンス取得までの手順と所要期間
  • BIG4監査法人で実務経験を積みライセンスを取得した筆者の体験と、つまずいたポイント

著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。

最終更新日:2026年8月28日

「USCPAに全科目合格したが、ライセンスはどう取るのか」「そもそもライセンスは必要なのか」と調べていませんか。

結論から言うと、USCPAのライセンスは、全科目合格に加えて①州が定める単位要件
②実務経験 ③倫理試験(州による)
④州の会計士委員会(BOA)への申請、の4つを満たして初めて取得でき、これを済ませないと正式に「USCPA(米国公認会計士)」とは名乗れません。日本在住者はワシントン州かグアムで取得するのが現実的で、日本の経理・監査の実務経験が認められます。

ライセンスは「試験の続き」ではなく、別の手続きです。

筆者は在学中に全科目合格し、新卒でBIG4監査法人に入った後、監査の実務経験を積んでワシントン州のライセンスを取得しました。

この記事では、ライセンスの要件と流れを、2025年11月のワシントン州のルート改定を含めて整理し、筆者がつまずいたポイントも共有します。

USCPAのライセンスとは?全科目合格との違い

USCPAのライセンスとは、州の会計士委員会(Board of
Accountancy、BOA)が発行する正式な会計士の登録資格です。全科目合格は「試験に受かった」状態で、ライセンスを取得して初めて「CPA」を名乗り、名刺や署名に使えます。

USCPAは国の資格ではなく州の資格で、試験は全米統一ですが、ライセンスは州ごとに発行されます。

状態 意味 できること
全科目合格 4科目(FAR・AUD・REG+選択1科目)に合格した状態 履歴書に「USCPA全科目合格」と書ける。転職市場で評価される
ライセンス取得 州のBOAに登録された正式な会計士 「USCPA」「CPA」と名乗れる。名刺・署名に使える。州によっては監査報告書への署名資格
ライセンス維持 継続教育(CPE)を満たして更新している状態 ライセンスを保持し続ける。更新しないと失効

日本での転職や監査法人の採用では「全科目合格」で十分評価されるため、ライセンスを取らない人もいます。

一方、名刺に「USCPA」と書く、海外就職・駐在で資格を証明する、コンサルで肩書きとして使う場面では、ライセンスが必要です。

筆者が監査法人でライセンスを取った理由も、海外案件で「CPA」として正式に扱われる必要があったからでした。

合格後の選択肢全体は「USCPA全科目合格後にやること7つ|ライセンス・転職・次の一手」で整理しています。

ライセンス取得までを見据えた州選びは、受験の出願州の時点で始まっています。

出願州の選び方から相談したい方は、アビタスの無料説明会で「ライセンスまで取る前提の州選び」を聞いておくと、後から州を移す手間を減らせます。

ライセンス取得の4要件|単位・実務経験・倫理試験・申請

ライセンスの要件は、①教育要件(単位数) ②実務経験
③倫理試験(AICPA Ethics Examなど、州による)
④BOAへの申請、の4つです。州ごとに内容が違い、特に②実務経験の認め方が日本在住者にとって最大の分かれ目です。

要件 内容 州による違い
①教育要件 受験時の単位(多くの州で120単位)に加え、ライセンスでは150単位を求める州が多い 150単位が標準。一部の州は120単位+実務経験の延長で可(ワシントン州の新ルートなど)
②実務経験 会計・監査・税務・財務などの実務を一定期間 「米国での監査経験」「直属の上司がUSCPA」「米国居住」を求める州が多く、日本在住者には壁。ワシントン州・グアムは日本の実務経験を認める
③倫理試験 AICPAの倫理試験(オンライン)などに合格 州により必須・不要が分かれる。ワシントン州は必須
④申請 州のBOAに書類と申請料を提出 成績証明・実務経験証明・倫理試験の合格証など

このうち日本在住者が最も確認すべきは②です。

多くの州は「米国内の監査経験」「米国の就労ビザ」「直属の上司がUSCPA」を求めており、日本の事業会社や監査法人での経験では要件を満たせません。

日本の経理・監査経験で実務要件を満たせる州が、ワシントン州とグアムで、日本の予備校もこの2つを推奨しています。

出願州の選び方は「USCPA出願州の選び方|結局どこがいい?学歴・目的別に即答」で解説しています。

ワシントン州のライセンス要件|2025年11月のルート改定を反映

ワシントン州は2025年11月20日から、ライセンス取得のルートが3つに整理されました。①120単位+実務経験2年
②大学院の学位等+実務経験1年
③150単位+実務経験1年、のいずれかで、実務経験は日本の経理・監査でも認められ、証明者は社外のUSCPAでも可です。

ワシントン州の要件を整理します(2026年8月時点。要件は改定されるため、申請前に必ずワシントン州BOAの公式情報で確認してください)。

項目 内容
教育要件とルート ①120単位+実務2年 ②大学院の学位など+実務1年
③150単位+実務1年(2025年11月20日改定、WSR 25-21-108)
実務経験の内容 会計・監査・税務・経理・財務・アドバイザリーなど会計に関わる実務。監査法人以外の事業会社でも可
実務経験の時間 1年=2,000時間が目安(ルートにより1年または2年)
実務経験の証明者 USCPAライセンスホルダー。直属の上司である必要はなく、社外の人でも可
倫理試験 AICPAの倫理試験(オンライン)に合格
他州で合格した場合 合格実績をワシントン州に移してライセンス取得が可能
更新 3年ごと。CPE120時間(毎年最低20時間、Non-Technicalは上限あり)

出典:ワシントン州BOA、USCPAどこのブログ(2026年1月)、KAIRO(2026年6月)、アビタス公式

2025年11月の改定で、150単位に積み増さなくても120単位+実務2年でライセンスが取れるようになった点は、日本の大学卒業者にとって大きな変更です。

受験は120単位で出願し、ライセンスの段階で150単位への積み増しが必要だった人が、実務経験の延長で代替できるようになりました。

ワシントン州の受験資格から見た詳細は「ワシントン州のUSCPA|受験資格とライセンス要件・更新まで解説」で、グアムとの比較は「USCPAグアム出願のメリット・デメリット|見込み受験と注意点」で解説しています。

全科目合格からライセンス取得までの流れ|5ステップと所要期間

流れは、①ライセンスを取る州と要件の確認
②不足単位の積み増し(必要な場合) ③実務経験の充足と証明者の確保
④倫理試験の受験
⑤BOAへの申請、の5ステップです。実務経験が既にある人は合格から数ヵ月、これから積む人は1〜2年かかります。

ステップ やること 所要期間の目安
①州と要件の確認 受験時の出願州でそのまま取るか、ワシントン州などに合格実績を移すかを決める 1〜2週間
②不足単位の積み増し 150単位ルートなら追加単位を取得。ワシントン州の120単位+実務2年ルートなら不要 0〜数ヵ月
③実務経験の充足と証明 会計関連の実務を1〜2年。証明者(USCPAホルダー)に経験証明書を書いてもらう 既にあれば即、これからなら1〜2年
④倫理試験 AICPAの倫理試験をオンラインで受験・合格(州が求める場合) 数日〜数週間
⑤BOAへの申請 成績証明・実務経験証明・倫理試験の合格証・申請料を提出。審査後にライセンス発行 1〜3ヵ月

筆者の体験|BIG4の実務経験でワシントン州のライセンスを取るまで

筆者は在学中に全科目合格し、新卒でBIG4監査法人に入所しました。

ライセンスは入所後、監査の実務経験を積んでから申請しました。

流れは次の通りです。

  1. 出願州はワシントン州で受験していたので、合格実績を移す手続きは不要でした
  2. 実務経験の証明者は、同じ部署にいたUSCPAライセンスホルダーの先輩に依頼しました。直属の上司ではありませんでしたが、ワシントン州は社外・直属外でも可なので問題ありませんでした
  3. 倫理試験はAICPAのオンライン試験を自宅で受験しました。本試験ほどの負荷はありませんが、テキストを一読してから受けました
  4. 申請書類は成績証明・実務経験証明・倫理試験の合格証を揃えてBOAに提出し、発行までに2ヵ月ほどかかりました

つまずいたのは、実務経験の証明者を誰に頼むかを合格時点で考えていなかったことです。

監査法人にはUSCPAホルダーが多いので結果的にすぐ見つかりましたが、事業会社の経理にいる人は、社内にホルダーがいないことも多く、社外の知人や予備校のネットワークを使う必要があります。

全科目合格した時点で「誰に証明してもらうか」を決めておくと、実務経験が溜まった瞬間に申請できます。

実務経験証明の依頼方法は「USCPAライセンスの実務経験要件とサインの依頼方法」で詳しく解説しています。

ライセンスは取るべきか?取らない選択肢との比較

日本で監査法人・事業会社に勤める限りは「全科目合格」で評価は十分で、ライセンスは必須ではありません。名刺・署名に使う、海外就職・駐在、コンサルで肩書きを使う、という場面があるならライセンスを取る価値があります。維持にはCPEと更新料がかかります。

観点 ライセンスあり 全科目合格のみ
名乗れる肩書き USCPA(CPA)と名乗れる 「USCPA全科目合格」まで
日本の転職市場 評価は高いが、合格のみと大差ない求人が多い 監査法人・事業会社では十分評価される
海外就職・駐在 資格を正式に証明できる 証明力が弱い
コンサル・独立 肩書きとして使える 使いにくい
維持コスト 3年ごとの更新、CPE120時間(ワシントン州)、更新料 なし
取得コスト 実務経験の証明、倫理試験、申請料 なし

筆者の周囲では、監査法人勤務のUSCPAはライセンスを取る人が多く、事業会社の経理では取らない人も一定数います。

判断基準は「肩書きとして使う場面があるか」で、それがなければ無理に取る必要はありません。

ただし、ライセンスは実務経験と証明者が揃っていれば手続きは難しくないので、取れる環境にいるうちに取っておくと、後で海外案件やコンサルに動くときに困りません。

CPEの取り方は「USCPAとIFRS検定|どっちが実務で使える?」で解説しています。

ライセンス取得でつまずく3つのポイントと対策

つまずくのは、①受験州とライセンス州の要件の違いを後から知る
②実務経験の証明者が見つからない
③150単位の積み増しが必要と知って止まる、の3つです。いずれも全科目合格の前後で確認しておけば回避できます。

つまずき 何が起きるか 対策
①受験州で取れない 受験州が米国居住・米国監査経験を求めており、日本の実務では取れない 合格実績をワシントン州やグアムに移す。最初からワシントン州で受験するのが最も手間が少ない
②証明者がいない 事業会社の経理でUSCPAホルダーが社内にいない 社外のホルダーでも可(ワシントン州)。予備校の合格者ネットワークや知人に早めに相談
③150単位の壁 受験は120単位で通ったが、ライセンスで150単位を求められる ワシントン州の120単位+実務2年ルート(2025年11月〜)を検討。または追加単位を取得

3つとも、受験の出願州を決める時点で「ライセンスまで取るならどの州か」を考えておくと回避できます。

日本の予備校の説明会・個別相談は、出願州とライセンス州をセットで案内してくれるので、受験前に確認しておくのが最も手戻りが少ない方法です。

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よくある質問(FAQ)

Q1.
USCPAに全科目合格すれば「USCPA」と名乗れますか?

名乗れません。正式に「USCPA(CPA)」と名乗れるのは、州の会計士委員会(BOA)にライセンス登録した人です。全科目合格の段階では「USCPA全科目合格」「USCPA試験合格」という表記になります。名刺や署名に「USCPA」と書く場合は、ライセンス取得が必要です。

Q2.
日本の実務経験でライセンスは取れますか?

州によります。多くの州は米国内の監査経験や米国居住を求めるため、日本の実務では取れません。ワシントン州とグアムは、日本の事業会社・監査法人での会計関連の実務経験(経理・監査・税務・財務など)を認めており、日本在住者はこの2州で取るのが現実的です。

Q3.
実務経験の証明は誰に頼めばいいですか?

ワシントン州の場合、USCPAライセンスホルダーであれば直属の上司である必要はなく、社外の人でも証明者になれます。監査法人にはホルダーが多いので見つけやすいですが、事業会社の経理では社内にいないこともあるため、予備校の合格者ネットワークや知人を通じて早めに探しておいてください。

Q4.
ライセンス取得に150単位は必須ですか?

州によります。多くの州はライセンスに150単位を求めますが、ワシントン州は2025年11月20日の改定で「120単位+実務経験2年」「大学院の学位等+実務1年」「150単位+実務1年」の3ルートになり、150単位が唯一の道ではなくなりました。要件は改定されるため、申請前に州のBOAの公式情報で確認してください。

Q5.
倫理試験はどんな試験ですか?

AICPAが提供するオンラインの倫理試験で、職業倫理に関する内容を自宅で受験します。本試験(FAR・AUDなど)ほどの負荷はなく、テキストを読んでから受ければ合格しやすい試験です。ワシントン州など多くの州でライセンス登録の条件になっています。

Q6.
ライセンスの維持には何が必要ですか?

継続教育(CPE)と定期的な更新です。ワシントン州の場合、3年ごとの更新で、その期間にCPE120時間(毎年最低20時間、会計・監査以外のNon-Technicalは上限あり)を取得し、更新料を支払います。更新しないとライセンスは失効(Lapse)します。

Q7.
他の州で合格しましたが、ワシントン州でライセンスを取れますか?

取れます。他州での合格実績をワシントン州に移して(Transfer)ライセンスを申請できます。受験州の要件では日本の実務経験が認められない場合、この方法でワシントン州に移すのが一般的です。ただし手続きと費用がかかるため、最初からワシントン州で受験する方が手間は少なくなります。

まとめ|ライセンスは4要件+申請。州選びは受験前から始まっている

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 全科目合格は「試験に受かった」状態で、「USCPA」と名乗るにはライセンス取得が必要
  • 要件は①単位 ②実務経験 ③倫理試験
    ④BOAへの申請
    。日本の実務経験が認められるのはワシントン州とグアム
  • ワシントン州は2025年11月改定で3ルート(120単位+実務2年/大学院等+実務1年/150単位+実務1年)。証明者は社外のUSCPAでも可
  • 流れは州の確認→単位→実務経験と証明者→倫理試験→申請。実務経験があれば数ヵ月、これからなら1〜2年
  • つまずきは受験州で取れない・証明者がいない・150単位の壁。出願州を決める時点でライセンス州を考えるのが最善

筆者がライセンスをスムーズに取れたのは、たまたまワシントン州で受験し、監査法人にホルダーが多かったからで、これを「たまたま」にしないための準備が受験前の州選びです。

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PR USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
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