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数学が苦手でもUSCPAは受かる?必要な計算レベルと対策を解説

この記事でわかること

  • USCPA試験で必要な数学のレベル(四則演算・割合・簡単な現在価値計算)と、出ない数学(微積分・確率統計・証明)
  • 試験画面で使える電卓・スプレッドシート機能と、手計算がほぼ不要な理由
  • 科目別に見た「計算の量」と「計算が合否に与える影響」(FARは計算多め、AUDはほぼなし)
  • 数学が苦手な人がつまずきやすい5つのパターン(割合・端数処理・時間軸・単位・立式)と、それぞれの対策
  • 文系出身・数学が苦手なBIG4の同期が、どうやってFARの計算問題を得点源にしたか

著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。

最終更新日:2026年8月28日

「会計士の試験だから数学が得意でないと無理では」と不安になっている方に向けた記事です。

結論から言うと、USCPAに必要な数学は、四則演算・割合(%)・簡単な現在価値の計算までで、高校数学レベルの微積分や確率統計は一切出ません。数学が苦手でも合格できます。

さらに、試験画面には電卓とスプレッドシート(表計算)機能が用意されており、計算そのものは機械に任せられます。

数学が苦手な人が本当に苦戦するのは「計算」ではなく、「何を・どの順番で計算するか(立式)」の部分で、これは会計の論点理解で解決できます。

この記事では、試験で使う数学の範囲と画面上の計算ツールを一次情報(AICPAのサンプルテスト・予備校公式)で整理し、数学が苦手な人がつまずくパターン別の対策を、BIG4の同期の実例とともに解説します。

USCPAに必要な数学のレベルは?四則演算と割合で足りる

USCPAに必要な数学とは、足し算・引き算・掛け算・割り算の四則演算、割合(%)の計算、掛け算を繰り返す程度の現在価値・利息の計算までである。微積分・三角関数・確率統計・数学的証明は出題されず、中学数学の範囲で対応できる。

まず、「出る数学」と「出ない数学」を分けます。

分類 内容 USCPAでの出題 具体例
出る 四則演算 頻出 売上高−売上原価=売上総利益
出る 割合(%)と比率 頻出 売上高の5%を貸倒引当金として計上、粗利率の計算
出る 按分(比例配分) 頻出 12ヵ月のうち3ヵ月分の減価償却費、共通費の配賦
出る 現在価値・利息 FARで出る 割引率6%で5年後に受け取る100の現在価値(現価係数は問題文で与えられる)
出る 加重平均 FAR・BARで出る 移動平均法の在庫単価、加重平均資本コスト
出ない 微分・積分 なし −
出ない 三角関数・指数対数の理論 なし 複利計算は係数が与えられる
出ない 確率・統計の理論 なし AUDのサンプリングは考え方のみで、統計計算はしない
出ない 数学的証明・図形 なし −

現在価値の計算が「難しそう」に見えるかもしれませんが、USCPAの問題では現価係数(present
value
factor)が問題文や資料で与えられる
ため、「100×0.747=74.7」のような掛け算をするだけです。

複利の公式を自分で展開する必要はありません。

日本の簿記2級・1級と比べても、USCPAの計算は「量は多いが1つ1つは単純」という性格で、電卓で処理できる範囲を超える計算は出ません。

試験の全体像は「USCPAとは?試験・受験資格・費用・キャリアの全体像ガイド」で、科目ごとの出題範囲は「USCPA試験科目とは|コア3科目+選択1科目の内容と難易度」で解説しています。

試験画面で使える電卓とスプレッドシートは?手計算はほぼ不要

USCPA試験の画面には、電卓機能と、Excelに似たスプレッドシート機能が用意されており、四則演算・SUM・掛け算などを画面上で行える。会場では物理的な電卓も貸し出されるため、暗算や筆算のスピードが合否を左右することはない。

数学が苦手な人の不安の多くは「計算ミス」と「計算の速さ」です。

この2つは、試験の環境である程度解消されます。

ツール 内容 使い方の例
画面上の電卓 試験画面に表示される電卓。四則演算・メモリ機能 単発の計算(売上×粗利率など)
画面上のスプレッドシート Excelに似た表計算機能。セルに数式を入れて計算できる(SUM等の基本関数、四則演算) 複数年の減価償却の一覧、連結の相殺消去の集計など、段階の多い計算
貸出電卓 会場で物理的な電卓が貸し出される(自分の電卓は持ち込めない) 画面操作が苦手な人の補助
問題文の資料 現価係数表、税率表などは問題内で与えられる 係数を暗記する必要がない

筆者はFARの計算問題で、段階の多い計算はスプレッドシートに数式を入れて解いていました。

「頭で計算する」のではなく「セルに式を書く」と割り切ると、数学が苦手な人ほど計算ミスが減ります。

スプレッドシートの操作は、AICPAが公開しているサンプルテストで事前に試せるので、本番前に一度触っておくことをおすすめします。

なお、旧BEC科目にあった英作文は2024年の新制度で廃止されており、現行の4科目は四択問題(MCQ)とシミュレーション問題(TBS)で構成されています。

科目別に計算はどれだけ出る?FARは多くAUDはほぼなし

計算の量はFAR>BAR>REG>TCP>ISC>AUDの順で、FARは計算問題が多い一方、AUDは計算がほぼなく文章の判断が中心である。数学が苦手な人は、AUDとISCで計算の負担がない分、FARの計算パターンに時間を配分するとバランスが取れる。

科目ごとに、計算の比重を整理します。

科目 計算の量 計算の内容 数学が苦手な人への影響
FAR(財務会計) 多い 減価償却・リース・年金・税効果・連結の数値計算 計算パターンが多いが、1つ1つは四則演算。パターンの暗記と立式の練習で対応可
AUD(監査) ほぼなし 重要性の基準値の計算程度。サンプリングは考え方のみ 計算の不安はほぼ無関係。文章の読解と判断が中心
REG(税務・ビジネス法) 中 課税所得の計算、控除額の計算。法律部分は計算なし 税率・控除額は問題で与えられ、加減算が中心
BAR(選択・分析) 中〜多 原価計算、差異分析、財務比率、現在価値 比率と差異の計算が多い。数学が苦手なら選択科目としては避ける選択肢も
ISC(選択・情報システム) 少 ITの統制・セキュリティの判断が中心 計算はほぼなし。数学が苦手な人の選択科目候補
TCP(選択・税務応用) 中 個人・法人税務の計算 REGと同様、加減算と割合

数学が苦手な人にとって重要なのは、選択科目の選び方です。

BARは原価計算・差異分析・現在価値など計算の比重が高く、ISCは計算がほぼありません。

「数学が苦手だから」という理由だけで選択科目を決めるのは早計ですが、迷っている場合はISCが計算面での負担が最も小さい選択肢です。

選択科目の決め方は「選択科目はどれ?BAR・ISC・TCPの選び方」で、FARの計算パターンは「FARの勉強法と必要勉強時間」で解説しています。

数学が苦手な人がつまずく5つのパターンと対策

数学が苦手な人がUSCPAでつまずくのは、①割合と比率の向き
②端数処理のルール ③時間軸(月数・年数)の数え方
④単位(千ドル・百万ドル)の読み違い
⑤何を計算するかの立式、の5パターンである。いずれも「数学」ではなく「読み方と手順」の問題で、型を覚えれば防げる。

筆者が自分の学習と、監査法人で見た数学が苦手な同期の質問から整理した、つまずきのパターンです。

パターン 症状 対策
①割合と比率の向き 「売上高に対する粗利率」と「原価に対する利益率」を混同する。「〜の何%」の分母を取り違える 「〜に対する」「of」の直後を分母に置く、と決める。問題文の分母を丸で囲む
②端数処理 四捨五入・切り捨てのタイミングを間違えて選択肢と合わない 最終段階まで端数を丸めない。選択肢の桁数を先に見て、近い数字を選ぶ
③時間軸 「4月1日取得の資産の当期減価償却費」で月数を数え間違える(9ヵ月か8ヵ月か) 取得月を含めて数える(4月〜12月=9ヵ月)。タイムラインを横線で書く
④単位 「in thousands(千ドル単位)」を見落として桁を間違える 問題文の冒頭と資料の見出しで単位を確認する習慣をつける
⑤立式 計算はできるが「何を引いて何を足すか」が分からない 数学の問題ではなく会計の論点理解の問題。日本語テキストで論点の「式の形」を先に覚える

5つのうち、①〜④は「読み方の型」で、⑤は「会計の理解」です。

数学が苦手な人が「計算問題ができない」と感じるとき、原因の大半は⑤の立式です。

「減価償却費=(取得原価−残存価額)÷耐用年数」のように、論点ごとの式の形を日本語テキストで先に覚えれば、あとは数字を当てはめるだけになります。

問題演習の順番(日本語で理解→英語で演習)は「USCPAは英語できないと無理?7つの型で読解を突破する攻略法」で詳しく書いています。

数学が苦手なBIG4の同期は、FARの計算をどう得点源にした?

筆者の同期(文学部出身・数学は高校1年で止まっていた)は、FARの計算問題を「論点ごとの式の形を暗記し、数字を当てはめてスプレッドシートで計算する」方式に切り替えて得点源にし、社会人2年目で全科目合格した。数学の得意不得意より、式の形を知っているかどうかが点数を分けていた。

ここからは、筆者が監査法人で見た実例です。

同期の状態:「計算問題を見ると飛ばしたくなる」

BIG4監査法人の同期に、文学部出身で「数学は高校1年で止まっている」と言う人がいました。

入所後にUSCPAの学習を始め、最初の頃は「FARの計算問題を見ると飛ばしたくなる」と言っていました。

一方で、AUDの文章題は得意で、読解と判断の問題では筆者より正答率が高いこともありました。

転機:「計算」ではなく「式の形」を覚える方針に変えた

つまずいていた原因を一緒に見ると、計算ミスではなく「何を引いて何を足すか分からない」という立式の問題でした。

そこで方針を、次のように変えました。

変更前 変更後
問題を見て、その場で計算方法を考える 論点ごとに「式の形」を日本語テキストで先に暗記する(例:利息費用=期首負債残高×実効金利)
暗算・筆算で計算する スプレッドシートに式を入れて計算する。頭で計算しない
計算問題を後回しにする 計算問題は「式の形が分かれば必ず解ける問題」として先に解く
端数処理を最後に考える 選択肢の桁数を先に見て、近い数字を選ぶ

この方針に変えてから、FARの計算問題の正答率が上がり、「計算問題は式を知っていれば確実に取れる」と言うようになりました。

その同期は社会人2年目で全科目合格し、いまは事業会社の経理で連結決算を担当しています。

この実例から言えること

USCPAの計算問題は、「数学の問題」ではなく「会計の式に数字を当てはめる問題」です。

数学が苦手な人は、計算力を上げようとするより、論点ごとの式の形を覚える→スプレッドシートで計算するの2段階に分けると、計算問題が得点源に変わります。

筆者自身も、FARの段階の多い計算(リース・年金など)はスプレッドシートに式を書いて解いていたので、暗算の速さが合否を分ける場面はありませんでした。

勉強時間の配分は「USCPA合格に必要な勉強時間と効率的な勉強法|科目別の目安」でまとめています。

数学が苦手な人に向いた学習の進め方3つ

数学が苦手な人は、①論点ごとの「式の形」を先に覚える
②計算はスプレッドシートに任せ、暗算しない
③計算の少ないAUDと選択科目ISCで安心材料を作る、の3つを軸に進めると、計算への苦手意識が学習の妨げにならない。

学習全体の設計として、3つの方針を整理します。

方針 内容 効果
①式の形を先に覚える 日本語テキストで論点ごとの計算式を「型」として覚える。演習では数字を当てはめる 「何を計算するか」で止まらなくなる
②計算は機械に任せる 画面上のスプレッドシート・電卓を使う。サンプルテストで操作を練習 計算ミスと計算時間が減る
③計算の少ない科目を安心材料にする AUDは計算ほぼなし、選択科目はISCを検討 「数学が苦手=USCPAに向かない」という思い込みを外せる

受験順序としては、計算の多いFARから始めるのが定石ですが、数学への苦手意識が強い人はAUDを2科目目に置いて「文章題は得意」という手応えを早めに作るのも1つの方法です。

受験順序の考え方は「USCPA科目の受験順番|FARが最初の理由と選択科目別ルート」で、向き不向きの全体像は「USCPAに向いてる人・向いていない人|7つの判断軸で自己診断」で解説しています。

予備校のテキストが「式の形」を日本語でどう整理しているかは、教材のサンプルで確認できます。

まず全体像を資料でつかみたい方はアビタスの無料資料請求から。予備校を比較してから決めたい方は「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」をどうぞ。

よくある質問(FAQ)

Q1.
USCPAにはどのレベルの数学が必要ですか?

四則演算・割合(%)・按分・簡単な現在価値の計算までで、中学数学の範囲で対応できます。

微積分・三角関数・確率統計・数学的証明は出題されません。

現在価値の計算も、現価係数が問題文で与えられるため、係数を掛けるだけで済みます。

日本の簿記2級と比べて、1つ1つの計算はむしろ単純で、量が多いだけです。

Q2. 試験中に電卓は使えますか?

使えます。

試験画面に電卓機能と、Excelに似たスプレッドシート機能が用意されており、四則演算やSUMなどの基本的な計算を画面上で行えます。

会場では物理的な電卓も貸し出されます(自分の電卓は持ち込めません)。

段階の多い計算はスプレッドシートに数式を入れて解く方が、計算ミスが減ります。

AICPAのサンプルテストで事前に操作を試しておくことをおすすめします。

Q3.
計算問題が多い科目はどれですか?

FAR(財務会計)が最も多く、減価償却・リース・年金・税効果・連結などの数値計算が頻出します。

次いで選択科目のBAR(原価計算・差異分析・財務比率)、REG・TCP(税額の計算)が中程度で、AUD(監査)とISC(情報システム)は計算がほぼありません。

数学が苦手な人は、FARの計算パターンに時間を配分し、選択科目はISCを検討するとバランスが取れます。

Q4.
数学が苦手だと合格までの勉強時間は増えますか?

大きくは増えません。

USCPAの計算は「式の形を知っているか」で決まるため、数学の得意不得意より会計の論点理解が勉強時間を左右します。

計算に苦手意識がある人は、論点ごとの式を先に覚え、計算をスプレッドシートに任せる方針にすると、計算問題での失点と時間ロスを抑えられます。

全体の目安は4科目合計1,000〜1,500時間で、数学の苦手さによる上乗せは限定的です。

Q5.
文系出身でもUSCPAに合格できますか?

合格できます。

筆者は経済学部で会計未履修、BIG4監査法人の同期には文学部出身のUSCPA合格者もいました。

USCPAに必要なのは数学ではなく、会計の論点を理解して式に当てはめる力と、英文を読む慣れです。

理系・文系を問わず、日本語で論点を理解してから演習に進む順番を守れば対応できます。

Q6.
数学が苦手なら選択科目はどれがいいですか?

計算面ではISC(情報システム・統制)が最も負担が小さく、BAR(分析)は計算の比重が高いです。

ただし、ISCはIT統制やセキュリティの知識が中心で、IT経験の有無で得意不得意が分かれます。

「数学が苦手だから」だけで決めず、キャリアの方向性(監査・経理ならBAR、IT系ならISC、税務ならTCP)と合わせて判断してください。

詳細は「選択科目はどれ?BAR・ISC・TCPの選び方」で解説しています。

Q7.
計算ミスが多くて不安です。どう対策すればいいですか?

暗算・筆算をやめて、画面上のスプレッドシートに式を入れて計算する方法に切り替えてください。

加えて、①「〜に対する」の直後を分母に置く ②端数は最終段階まで丸めない
③月数はタイムラインを書いて数える
④単位(千ドル・百万ドル)を冒頭で確認する、の4つを問題演習の習慣にすると、計算ミスの大半は防げます。

計算ミスの多くは数学力ではなく、読み方の型で解決します。

まとめ:USCPAに高度な数学は不要、必要なのは「式の形」と計算ツール

この記事の要点を再掲します。

  • USCPAに必要な数学は四則演算・割合・按分・簡単な現在価値まで。微積分・確率統計・証明は出ない
  • 試験画面には電卓とスプレッドシートがあり、会場で電卓も貸し出される。暗算の速さは合否に関係ない
  • 計算の量はFAR>BAR>REG>TCP>ISC>AUD。AUDとISCは計算がほぼない
  • つまずきの原因は数学ではなく割合の向き・端数処理・時間軸・単位・立式の5つで、読み方の型と論点理解で防げる
  • 数学が苦手なBIG4の同期は、「式の形を覚える→スプレッドシートで計算する」方式でFARを得点源にし、社会人2年目で全科目合格
  • 学習の方針は①式の形を先に覚える ②計算は機械に任せる
    ③計算の少ない科目で安心材料を作る

「数学が苦手だからUSCPAは無理」は、USCPAの計算の中身を知らないゆえの誤解です。

式の形を覚えて、計算はスプレッドシートに任せる。その2つで、計算問題は得点源に変わります。

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PR USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
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