この記事でわかること
- USCPA合格に必要な勉強時間の目安(合計1,200〜1,500時間)と、科目別の内訳
- 会計知識・英語力の有無で勉強時間がどれだけ変わるか(3タイプ別の試算)
- 社会人・学生それぞれの現実的な学習期間と、週あたりの学習時間の組み方
- 勉強時間を減らす3つの原則(インプット3割・演習7割、受験日から逆算、捨てる論点を決める)
- 在学中に約1,300時間・約1年半で合格した筆者の科目別の実績と、時間を無駄にした失敗
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月28日
「USCPAの合格には何時間勉強すればいいのか」「働きながらだと何年かかるのか」と調べていませんか。
結論から言うと、USCPA合格に必要な勉強時間は合計1,200〜1,500時間が目安で、科目別ではFARが400〜500時間と最も多く、AUD・REGが300〜400時間、選択科目が200〜300時間です。社会人が週12〜15時間で進めると1.5〜2年、学生が週20〜25時間なら1年前後が現実的な期間です。
ただし、この数字は会計知識と英語力の有無で大きく変わります。
筆者は在学中に約1,300時間・約1年半で全科目合格しましたが、簿記の基礎があったFARは想定より短く、REGは想定より長くかかりました。
この記事では、勉強時間の目安を科目別・タイプ別に分解し、時間を減らす勉強法と、筆者が時間を無駄にした失敗を含めて整理します。
USCPA合格に必要な勉強時間は?結論は「1,200〜1,500時間、FARが最重量」
USCPA合格に必要な勉強時間とは、4科目(FAR・AUD・REG+選択1科目)の学習に要する合計時間で、予備校の公表値と合格者の体験から1,200〜1,500時間が目安です。科目別では、FARが400〜500時間で全体の3〜4割を占めます。
科目別の目安を整理します。
| 科目 | 内容 | 勉強時間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| FAR(財務会計) | US GAAPの財務諸表、連結、リース、収益認識など | 400〜500時間 | 最もボリュームが大きい。簿記の知識があると短縮できる |
| AUD(監査) | 監査手続、内部統制、リスク評価、監査報告 | 300〜400時間 | 暗記より理解。「監査の考え方」がつかめると一気に進む |
| REG(税法・商法) | 米国連邦税、事業体課税、商法、職業倫理 | 300〜400時間 | 日本の税法と対応しにくく、用語のリスト化が必要 |
| 選択科目(BAR/ISC/TCP) | BAR=経営分析、ISC=情報システム、TCP=税務計画 | 200〜300時間 | FAR・REGと重なる部分があり、学習順で短縮できる |
| 合計 | ― | 1,200〜1,500時間 | ― |
※目安は各予備校の公表値(アビタス公式:1,200〜1,500時間)と合格者の体験記に基づきます。個人の前提知識で±300時間程度は変動します。
「1,200時間」と聞くと途方もなく見えますが、週15時間なら80週(約1.5年)、週25時間なら48週(約1年)です。
学習時間を確保する仕組みは、講座の設計(講義1コマの長さ・スマホ対応)で大きく変わります。
細切れ時間で回せる講座かどうかは、アビタスの無料資料請求でサンプル講義の区切りを確認すると判断できます。
会計知識・英語力で勉強時間はどう変わる?3タイプ別の試算
簿記2級以上の会計知識と、TOEIC700点前後の英語力があると、勉強時間は1,000時間前後まで短縮できます。逆に会計初学者で英語に不安がある場合は1,500時間を超えることもあります。自分がどのタイプかで計画の起点が変わります。
| タイプ | 前提 | 勉強時間の目安 | 時間がかかる科目 |
|---|---|---|---|
| A:会計あり・英語あり | 簿記2級以上または会計実務経験+TOEIC700点前後 | 1,000〜1,200時間 | REG(日本の税法と対応しにくい) |
| B:会計あり・英語なし | 簿記2級以上+英語に不安 | 1,200〜1,400時間 | 全科目で英語の問題文に慣れる時間が加わる |
| C:会計なし・英語なし | 会計初学者+英語に不安 | 1,400〜1,600時間超 | FAR(会計と英語を同時に学ぶ負荷) |
タイプCの人は「英語を先に」と考えがちですが、時間を減らすのは英語より会計の日本語知識です。
簿記2級レベルの市販テキストを2〜4週間で1周してからFARに入ると、「知っている内容を英語で確認する」感覚になり、FARの序盤の失速を防げます。
筆者は大学で会計の授業を取っていたのでタイプAに近く、FARは約350時間で済みました。
一方、REGは日本の税法との対応がなく、用語も日常英語に出てこないため、約400時間かかっています。
必要な英語力は「USCPAの英語力|TOEIC何点から?600点台でも受かる理由」で、難易度の全体像は「USCPAの難易度|合格率・偏差値・他資格比較で見る本当の位置」で解説しています。
社会人・学生の現実的な学習期間|週の学習時間から逆算する
社会人は週12〜15時間(平日2時間×5日+週末5時間)で1.5〜2年、学生は週20〜25時間で1年前後が目安です。繁忙期・試験期間で学習ゼロの期間を織り込み、年間の実質学習週数を40週前後と見積もると計画が崩れにくくなります。
| 立場 | 週の学習時間 | 年間の実質学習週数 | 年間の学習時間 | 1,300時間到達まで |
|---|---|---|---|---|
| 社会人(残業月40時間程度) | 12〜15時間 | 40週(繁忙期を除く) | 480〜600時間 | 約2年 |
| 社会人(残業少なめ) | 15〜20時間 | 45週 | 675〜900時間 | 約1.5年 |
| 学生(授業あり) | 20〜25時間 | 40週(試験期間を除く) | 800〜1,000時間 | 約1.3〜1.6年 |
| 学生(長期休暇集中) | 30〜40時間 | 48週 | 1,440〜1,920時間 | 約1年 |
社会人が計画で失敗するのは、「週15時間×52週」で計算して繁忙期を織り込まないときです。
監査法人なら1〜5月、事業会社なら決算月と期末は学習がほぼゼロになるため、年間40週で見積もっておくと現実とのズレが小さくなります。
社会人の1週間の組み方は「社会人向けUSCPA講座の選び方|働きながら受かる5つの基準」で、スキマ時間の使い方は「USCPA学習アプリ・スキマ時間教材まとめ|通勤で回す方法」で解説しています。
勉強時間を減らす3つの原則|インプット3割・演習7割
勉強時間を減らす原則は、①インプット(講義・テキスト)を3割、演習(MC・TBS)を7割にする ②受験日を先に予約して逆算する ③満点を狙わず、出題頻度の低い論点を捨てる、の3つです。「全部理解してから」を捨てるだけで、数百時間が減ります。
原則①|インプット3割・演習7割
USCPAは「理解して覚える」より「問題を解いて覚える」試験です。
講義を2回聞くより、講義を1回聞いてMC問題を3周する方が定着します。
| 学習の配分 | 時間の使い方 | 結果 |
|---|---|---|
| インプット中心(講義2回・テキスト精読) | 理解は深まるが演習が足りない | 本番で時間が足りない、TBSで手が止まる |
| インプット3割・演習7割 | 講義1回→MC演習→間違えた論点だけテキストに戻る | 弱点が絞れる。本番の速度に慣れる |
原則②|受験日を先に予約して逆算する
「全部終わったら受ける」は、いつまでも終わりません。
学習開始から6ヵ月以内に1科目目の受験日を予約し、そこから逆算して学習範囲を決めると、捨てる論点と回す論点が自然に決まります。
原則③|満点を狙わず、捨てる論点を決める
USCPAの合格点は75点(99点満点)で、満点を取る必要はありません。
出題頻度の低い論点、理解に時間がかかる割に配点の小さい論点は、演習で「見たことがある」レベルに留めて、頻出論点に時間を集中させる方が合格に近づきます。
筆者の体験|時間を無駄にした失敗と、効いた工夫
筆者が無駄にしたのは、FARの序盤で「テキストを完璧に理解してから問題に進む」と決めたことです。
最初の2ヵ月は講義とテキストの精読に費やし、問題演習に入ったのは3ヵ月目でした。
演習に入った瞬間に「読んだだけの論点は解けない」と分かり、そこから講義1回→即演習に切り替えました。
切り替え後は、同じ論点の定着に必要な時間が半分以下になり、この2ヵ月がなければFARは300時間で済んでいたと思います。
効いた工夫は2つで、通学の電車で講義を1.5倍速で回して机では演習だけにしたこと、そして間違えた問題だけをフラグして昼休みに見直す習慣です。
演習中心の学習法は「USCPA勉強法|問題演習から入る学習の是非と正しい手順」で、科目別の攻略は「FARの勉強法と必要勉強時間」「USCPA AUDの勉強法|暗記に頼らない監査実務3年の攻略」「REGの勉強法と必要勉強時間」で解説しています。
科目の学習順と受験の間隔|FARから始め、3〜4ヵ月間隔で
学習順はFAR→AUD→REG→選択科目が標準で、FARで会計の土台を作ってからAUD(監査)、REG(税法)に進むと重なる論点を活かせます。受験は3〜4ヵ月間隔で1科目ずつが社会人の現実的なペースです。
| 順番 | 科目 | 理由 | 受験の間隔 |
|---|---|---|---|
| 1 | FAR | 最重量科目を最初に。会計の土台が他科目に活きる | 学習開始から6ヵ月以内 |
| 2 | AUD | FARの財務諸表の知識を前提に監査手続を学ぶ | FARから3〜4ヵ月後 |
| 3 | REG | 独立性が高い。用語のリスト化に時間を取る | AUDから3〜4ヵ月後 |
| 4 | 選択科目 | BARならFARと、TCPならREGと重なる。直前に持ってくると効率的 | REGから3ヵ月後 |
順番は人によって変えてよく、税務の実務経験がある人はREGから始める選択もあります。
大事なのは、1科目ごとに受験日を決めて、間隔を空けすぎないことです。
間隔が半年以上空くと、前の科目で作った学習のリズムが消え、科目合格の有効期限も迫ります。
科目の順番と有効期限の関係は「USCPA科目合格の有効期限は30ヵ月|州別の数え方と延長申請」で解説しています。
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勉強時間の計画を立てる前に|自分のタイプと週の時間を確定する
計画を立てる前に、①会計知識と英語力のタイプ(A〜C) ②週に確保できる学習時間 ③繁忙期・試験期間で学習が止まる週数、の3つを確定してください。この3つが決まると、合格までの期間と1科目目の受験日が自動的に決まります。
計画の手順:
- タイプを確定する:簿記2級レベルの知識があるか、TOEIC700点前後の英語力があるか。なければ簿記2級テキストを2〜4週間で1周する
- 週の学習時間を書き出す:朝・通勤・昼・帰り・夜・週末の空き時間を用途別に割り当てる
- 止まる週を織り込む:繁忙期・決算月・試験期間を除いた実質学習週数を計算する
- 1科目目の受験日を予約する:学習開始から6ヵ月以内。ここから逆算して学習範囲を決める
- 講座の設計を確認する:1コマの長さ、スマホ対応、サポート期間が自分の週の時間と期間に合うか
5つ目は、計画の実現可能性を左右します。
週15時間の社会人にとって、1コマ90分の講義と1コマ20分の講義では、同じ内容を消化するのに必要な「机に向かう時間」がまったく違います。
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よくある質問(FAQ)
Q1. USCPAは何時間勉強すれば合格できますか?
合計1,200〜1,500時間が目安です。科目別ではFARが400〜500時間、AUD・REGが300〜400時間、選択科目が200〜300時間です。簿記2級以上の会計知識とTOEIC700点前後の英語力があれば1,000〜1,200時間、会計初学者で英語に不安があれば1,500時間を超えることもあります。
Q2. 働きながらだと何年かかりますか?
週12〜15時間で1.5〜2年が目安です。繁忙期や決算月で学習が止まる期間を織り込み、年間の実質学習週数を40週前後で見積もると、年間480〜600時間になり、1,300時間に到達するまで約2年という計算です。残業が少なく週20時間確保できれば1.5年に短縮できます。
Q3. 1日何時間勉強すればいいですか?
社会人なら平日2時間・週末5時間で週15時間が現実的な目安です。平日の2時間は、朝30分の講義+通勤のMC演習+昼休みの見直し+帰りのテキスト確認、という細切れの合計で確保します。平日夜を計画に入れず、週末に依存しすぎないのが続けるコツです。
Q4. 一番時間がかかる科目はどれですか?
FAR(財務会計)です。400〜500時間と全体の3〜4割を占め、範囲が最も広い科目です。ただし簿記の知識があると大きく短縮でき、逆に日本の税法と対応しにくいREGは会計知識があっても300〜400時間かかりやすい科目です。
Q5. 勉強時間を短縮する方法はありますか?
インプット3割・演習7割の配分、受験日を先に予約して逆算、満点を狙わず頻出論点に集中、の3つです。特に「テキストを完璧に理解してから演習」をやめて講義1回→即演習に切り替えると、同じ論点の定着に必要な時間が半分以下になります。
Q6. 短期合格(1年以内)は可能ですか?
可能です。学生や、会計知識・英語力があり週25時間以上確保できる社会人なら1年前後で合格した例は多くあります。条件は、簿記の基礎があること、演習中心の学習法、1科目目を早く受けること、の3つです。逆に会計初学者が週15時間で1年以内は難しく、1.5〜2年を前提に計画する方が現実的です。
Q7. 勉強時間を記録した方がいいですか?
記録は有効です。USCPAは1,200時間以上を積み上げる試験で、週の目標との差が見えると計画の修正がしやすくなります。ただし記録アプリの入力に凝るのは本末転倒なので、学習時間の合計と週目標との差だけを見る程度に留めてください。
まとめ|1,200〜1,500時間を「演習7割・逆算・捨てる」で確保する
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 合格に必要な勉強時間は合計1,200〜1,500時間、FARが400〜500時間で最重量
- 会計知識と英語力の有無で1,000〜1,600時間の幅。時間を減らすのは英語より会計の日本語知識
- 社会人は週12〜15時間×年間40週で約2年、学生は週20〜25時間で1年前後
- 時間を減らす原則はインプット3割・演習7割、受験日から逆算、捨てる論点を決める
- 学習順はFAR→AUD→REG→選択科目、受験間隔は3〜4ヵ月。1科目目は6ヵ月以内に
筆者がFARの序盤で無駄にした2ヵ月は、「完璧に理解してから」という発想が原因でした。
演習中心に切り替えた瞬間から学習は速くなります。自分のタイプと週の時間を確定して、1科目目の受験日から逆算してください。
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