この記事でわかること
- 2026年のFARで政府会計・NPO会計がどこまで出るか(NPO会計は財務諸表全体、政府会計は「測定焦点・会計基礎・ファンドの種類と目的」の基礎概念のみ。詳細はBARへ移行)
- NPO会計(ASC
958)の頻出論点5つ(純資産の2分類・寄付の認識・制限の解除・現物寄付と役務・財務諸表の構成と機能別費用)と出題の型 - 政府会計(GASB)の基礎概念3つ(測定焦点と会計基礎の2つの組み合わせ・11種類のファンドの分類・政府全体財務諸表とファンド財務諸表の違い)を「表1枚」で押さえる方法
- 日本人が苦手な理由(日本の公益法人・自治体会計と対応しない)と、「営利企業との違い」だけを覚える学習法
- 合計25時間で処理した筆者の学習法と、暗記表の作り方
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月29日
「政府会計とNPO会計は、日本の簿記にない論点で頭に入らない」「どこまで勉強すればいいか分からない」という方に向けた記事です。
結論から言うと、2026年のFARでは、NPO会計は財務諸表の全体が出題範囲ですが、政府会計は「測定焦点・会計基礎・ファンドの種類と目的」の基礎概念だけで、ファンド財務諸表の作成や調整表は選択科目BARの範囲です。合わせて25時間程度で「営利企業との違い」だけを表で覚えれば、配点に見合った得点が取れます。
日本人がこの2つを苦手にするのは、日本の公益法人会計や自治体会計と対応せず、簿記の知識が転用できないからです。
ただし、出題は「分類」と「営利企業との違い」が中心で、計算量は少なく、暗記で対応できる領域です。
筆者は約450時間のFAR学習のうち、NPO会計に15時間・政府会計に10時間の合計25時間を使い、本番ではMCで確実に取る論点として処理しました。
この記事では、AICPAのブループリント(2026年版)とASC
958・GASBの基準を一次情報として、出題範囲、NPO会計の頻出5論点、政府会計の基礎概念3つ、暗記表の作り方を解説します。
FARの論点全体の優先順位は「USCPA FAR頻出論点10|連結・リース・政府会計の優先順位」で扱っているので、本記事は「政府会計・NPO会計の最短対策」に絞ります。
2026年のFARで政府会計・NPO会計はどこまで出るか
2026年のFARでは、NPO会計(非営利組織、ASC 958)はArea
I「財務報告」の中で財務諸表の構成・純資産の分類・寄付の認識・機能別費用まで出題される。政府会計(GASB)はArea
Iの「州・地方政府の基礎概念」として、測定焦点・会計基礎・ファンドの種類と目的・政府全体とファンド財務諸表の関係の基礎のみが出題され、財務諸表の作成・調整表・予算会計の詳細は選択科目BAR(Area
III、10〜20%)の範囲である。
まず、範囲を明確にします。
| 論点 | FAR(2026年) | BAR(選択科目) |
|---|---|---|
| NPO会計の財務諸表(財政状態計算書・活動計算書・キャッシュフロー計算書・機能別費用) | ○ 出題される | × |
| NPO会計の純資産の分類・寄付の認識・制限の解除 | ○ 出題される | × |
| 政府会計の測定焦点・会計基礎 | ○ 基礎概念として出題 | ○ 応用 |
| 政府会計のファンドの種類と目的(11種類) | ○ 分類として出題 | ○ |
| 政府全体財務諸表とファンド財務諸表の関係 | ○ 概念のみ | ○ 作成と調整表 |
| 予算会計(予算仕訳・支出負担行為)、ファンド財務諸表の作成、政府全体財務諸表への調整、年次包括財務報告書(ACFR)の構成 | × | ○ |
出典:AICPA「Uniform CPA Examination
Blueprints」(2026年版、2026年8月29日確認)
旧制度(2023年以前)のFARでは政府会計が独立したAreaで配点の8〜12%を占めていましたが、現行では「基礎概念」に縮小されています。
旧制度の教材・体験記に「政府会計は捨てられない」「予算仕訳を覚える」と書いてあっても、2026年のFARでは不要です。
配点の目安としては、NPO会計と政府会計の基礎を合わせてMCで3〜5問程度、TBSでNPO会計が1問出るかどうか、という規模で、「落とさない」が目標であり「得点源にする」論点ではありません。
制度変更の経緯は「USCPA試験の制度変更ニュースまとめ【2026年8月更新】」、BARの範囲は「USCPAのBARとは|出題範囲・難易度・勉強法を合格者が解説」で解説しています。
NPO会計(ASC 958)の頻出論点5つ
NPO会計の頻出論点は、①純資産の2分類(寄付者による制限あり・なし)
②寄付の認識(条件付きか無条件か、制限付きか)
③制限の解除(目的の達成・期間の経過による純資産間の振替)
④現物寄付と役務の寄付(認識の条件)
⑤財務諸表の構成と機能別費用(プログラム費用と支援費用の区分)の5つ。出題の型は「この取引でどの純資産が増減するか」「この寄付をいつ認識するか」の分類問題が中心である。
論点①:純資産の2分類
| 分類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 寄付者による制限のない純資産(Net assets without donor restrictions) |
使途・時期に寄付者の制限がない | 一般寄付、事業収入、制限が解除された寄付 |
| 寄付者による制限のある純資産(Net assets with donor restrictions) |
寄付者が使途(目的)または時期を指定している。永久に元本を維持する寄付(永久基金)も含む | 「奨学金に使うこと」という寄付、「来年度に使うこと」という寄付、永久基金 |
2018年以降のASC 958(ASU
2016-14)で、旧3分類(無制限・一時制限・永久制限)から2分類に変わりました。
旧制度の教材の「一時制限純資産」「永久制限純資産」は、現行では「制限のある純資産」にまとめられています。
「理事会が決めた使途の指定(board-designated)は制限ではない」が頻出です。
制限は寄付者(外部)が付けるもので、理事会の内部決定は「制限のない純資産」の中の指定にすぎません。
論点②:寄付の認識
| 寄付の種類 | 認識のタイミング | 純資産の分類 |
|---|---|---|
| 無条件の寄付(unconditional) | 寄付の約束(pledge)を受けた時点で収益として認識 | 制限の有無で分類 |
| 条件付きの寄付(conditional) | 条件が満たされるまで認識しない(受け取った現金は負債「返還義務のある前受け」として計上) | 条件が満たされた時点で制限の有無で分類 |
| 制限付きの寄付(restricted) | 受けた時点で「制限のある純資産」の収益として認識 | 制限あり |
| 寄付の約束(pledge、無条件) | 約束を受けた時点で債権と収益を認識。回収不能見込みは引当金 | 翌期以降に受け取る約束は「期間の制限」として制限あり |
「条件」と「制限」の区別が最頻出です。
| 項目 | 条件(condition) | 制限(restriction) |
|---|---|---|
| 意味 | 寄付者が「この条件を満たしたら寄付する」と定めている(障壁+返還の権利) | 寄付者が「この目的・時期に使うこと」と定めている |
| 例 | 「マッチング寄付を100万ドル集めたら寄付する」「施設が完成したら寄付する」 | 「奨学金に使うこと」「2027年度に使うこと」 |
| 認識 | 条件が満たされるまで認識しない | 受けた時点で認識(制限のある純資産) |
条件付きの寄付は「まだ収益ではない」、制限付きの寄付は「収益だが使途が決まっている」、と覚えてください。
論点③:制限の解除
| 解除の事由 | 内容 | 会計処理 |
|---|---|---|
| 目的の達成 | 制限された目的に支出した | 「制限のある純資産」から「制限のない純資産」へ振替(活動計算書で「制限の解除」として表示) |
| 期間の経過 | 指定された期間が到来した | 同上 |
| 固定資産の取得 | 固定資産の取得目的の寄付で、取得した時点 | 同上(耐用年数にわたって解除する方法は、明示的な方針がある場合のみ) |
制限の解除は「収益」ではなく「純資産間の振替」で、活動計算書では「制限のある純資産」の減少と「制限のない純資産」の増加が同額で表示されます。
「解除時に収益を再度認識する」は誤りです(収益は寄付を受けた時点で一度だけ認識)。
論点④:現物寄付と役務の寄付
| 寄付の種類 | 認識するか | 条件 |
|---|---|---|
| 現物寄付(物品・固定資産・有価証券) | 認識する | 受領時の公正価値で収益と資産を計上 |
| 役務の寄付(ボランティアの労働) | 次の2つのいずれかを満たす場合のみ認識 | (a)非財務資産を創出・増価する(建物の建設等)、または(b)専門的な技能を要し、寄付されなければ購入していたであろう役務(弁護士・会計士・医師等) |
| 一般的なボランティア(受付・清掃等) | 認識しない | 上記の条件を満たさない |
| 使用権の寄付(施設の無償使用) | 認識する | 公正価値で収益と費用(または資産)を計上 |
「役務の寄付は原則認識せず、専門的技能か資産の創出の場合のみ」が頻出です。
論点⑤:財務諸表の構成と機能別費用
| 財務諸表 | 内容 | 営利企業との違い |
|---|---|---|
| 財政状態計算書(Statement of Financial Position) | 資産・負債・純資産 | 純資産を2分類で表示。資本ではなく「純資産(net assets)」 |
| 活動計算書(Statement of Activities) | 収益・費用・純資産の増減 | 純資産の分類ごとに増減を表示。制限の解除を表示 |
| キャッシュフロー計算書 | 営業・投資・財務 | 直接法・間接法のいずれも可。固定資産取得目的の制限付き寄付は財務活動 |
| 機能別費用の分析(Analysis of Expenses by Function and Nature) | 費用を「機能別(プログラム・支援)」と「性質別(給与・賃借料等)」の両方で表示 | すべてのNPOに必須(2018年以降) |
機能別費用の区分は次の2つです。
| 機能 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| プログラム費用(Program services) | 組織の使命を直接果たす活動の費用 | 奨学金の支給、医療の提供、教育プログラム |
| 支援費用(Supporting services) | 管理・一般(Management and general)と資金調達(Fundraising) | 理事会の運営、経理、募金活動、寄付者向けイベント |
「資金調達費用は支援費用」「複数の機能にまたがる費用は合理的な基準で配分」が出題されます。
NPO会計は、この5論点の表を覚えれば、MCの分類問題とTBSの財務諸表の穴埋めに対応できます。
政府会計(GASB)の基礎概念3つを表1枚で押さえる
FARで出る政府会計の基礎概念は、①測定焦点と会計基礎の2つの組み合わせ(経済資源フロー+発生主義/当期財務資源フロー+修正発生主義)
②11種類のファンドの3分類(政府型5・事業型2・受託型4)と各ファンドの目的
③政府全体財務諸表(発生主義・全体)とファンド財務諸表(ファンドごと)の違い、の3つ。いずれも「どのファンドがどの会計基礎か」「この活動はどのファンドか」の分類問題で出題される。
概念①:測定焦点と会計基礎の2つの組み合わせ
政府会計の最初の壁が、この2つの組み合わせです。
| 組み合わせ | 測定焦点(何を測るか) | 会計基礎(いつ認識するか) | 適用される財務諸表・ファンド | 営利企業との対応 |
|---|---|---|---|---|
| A | 経済資源フロー(economic resources) | 発生主義(accrual) | 政府全体財務諸表、事業型ファンド、受託型ファンド | 営利企業と同じ(固定資産・長期負債を計上) |
| B | 当期財務資源フロー(current financial resources) | 修正発生主義(modified accrual) | 政府型ファンドのファンド財務諸表 | 営利企業にない。「今期に使える資金」だけを測る(固定資産・長期負債は計上しない) |
「政府型ファンドだけが修正発生主義、それ以外は発生主義」と覚えてください。
修正発生主義の特徴は次の3つです。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 収益の認識 | 「測定可能で利用可能(measurable and available)」になった時点。利用可能=当期または当期末後60日以内に回収できる |
| 支出(expenditure)の認識 | 費用(expense)ではなく「支出」。固定資産の取得も長期負債の返済も、すべて当期の支出 |
| 計上しない項目 | 固定資産、長期負債(政府全体財務諸表では計上する) |
「修正発生主義では固定資産を計上しない」「固定資産の取得は支出として処理」が頻出です。
概念②:11種類のファンドの3分類
| 分類 | ファンド | 目的 | 会計基礎 |
|---|---|---|---|
| 政府型(Governmental)5つ | 一般ファンド(General) | 他のファンドに属さない一般的な活動。必ず1つ存在 | 修正発生主義 |
| 特定財源ファンド(Special Revenue) | 特定の目的に制限された収入源(ガソリン税→道路維持等) | 修正発生主義 | |
| 資本プロジェクトファンド(Capital Projects) | 主要な固定資産の取得・建設 | 修正発生主義 | |
| 債務返済ファンド(Debt Service) | 一般長期債務の元本・利息の返済 | 修正発生主義 | |
| 永久ファンド(Permanent) | 元本を維持し、運用益を政府の活動に使う | 修正発生主義 | |
| 事業型(Proprietary)2つ | 企業ファンド(Enterprise) | 外部の利用者に対価を得てサービスを提供(水道・公営交通) | 発生主義 |
| 内部サービスファンド(Internal Service) | 政府内の他部門に対価を得てサービスを提供(車両管理・印刷) | 発生主義 | |
| 受託型(Fiduciary)4つ | 年金(およびその他の退職後給付)信託ファンド(Pension Trust) | 職員の年金資産を管理 | 発生主義 |
| 投資信託ファンド(Investment Trust) | 他の政府の資金を合同運用 | 発生主義 | |
| 私的目的信託ファンド(Private-Purpose Trust) | 個人・民間組織のための信託 | 発生主義 | |
| 保管ファンド(Custodial) | 他者のために一時的に保管する資産(徴収した税を他の政府へ渡す等) | 発生主義 |
出題の型は「この活動はどのファンドで会計処理するか」です。
| 活動 | ファンド |
|---|---|
| 市の一般行政(警察・消防・公園) | 一般ファンド |
| 州から交付された、道路維持に限定された補助金 | 特定財源ファンド |
| 市庁舎の建設 | 資本プロジェクトファンド |
| 市庁舎建設のための地方債の元利返済 | 債務返済ファンド |
| 市営水道事業 | 企業ファンド |
| 市の全部門に車両を貸し出す車両管理部門 | 内部サービスファンド |
| 市職員の年金基金 | 年金信託ファンド |
| 市が徴収し、郡へ渡す固定資産税 | 保管ファンド |
「内部(他部門)向けなら内部サービス、外部向けなら企業ファンド」「返済は債務返済ファンド、建設は資本プロジェクト」が判別の軸です。
概念③:政府全体財務諸表とファンド財務諸表の違い
| 項目 | 政府全体財務諸表(Government-wide) | ファンド財務諸表(Fund) |
|---|---|---|
| 単位 | 政府全体(政府型活動と事業型活動の2列。受託型は含めない) | ファンドごと(主要ファンドは個別に、その他は合算) |
| 会計基礎 | 発生主義 | 政府型は修正発生主義、事業型・受託型は発生主義 |
| 固定資産・長期負債 | 計上する | 政府型ファンドでは計上しない |
| 財務諸表の名称 | 純資産計算書(Statement of Net Position)、活動計算書(Statement of Activities) |
政府型:貸借対照表、収入・支出・ファンド残高変動計算書。事業型:純資産計算書、収益・費用・純資産変動計算書、キャッシュフロー計算書 |
| 両者の関係 | 政府型ファンドの数字を発生主義に調整(固定資産の追加・長期負債の追加等)して政府全体に接続 | − |
「受託型ファンドは政府全体財務諸表に含めない」「政府型ファンドから政府全体への調整が必要」が頻出です。
調整表の作成そのものはBARの範囲ですが、「なぜ調整が必要か(修正発生主義→発生主義)」はFARで問われます。
日本人が苦手な理由と「営利企業との違い」だけを覚える学習法
日本人が政府会計・NPO会計を苦手にするのは、日本の公益法人会計基準・自治体の公会計と対応せず、簿記の知識が転用できないから。対策は「営利企業との違い」だけを表にして覚えることで、共通部分(発生主義・財務諸表の構造)は簿記の知識で済ませ、違い(純資産の分類・修正発生主義・ファンド)に25時間を集中させる。
| 苦手な理由 | 何が起きるか | 対策 |
|---|---|---|
| 日本の制度と対応しない | 公益法人の「正味財産」、自治体の「一般会計・特別会計」と対応づけようとして混乱する | 対応づけを諦め、米国の制度を「営利企業との違い」として独立に覚える |
| 用語が独特 | fund、expenditure、net position、modified accrual など、営利企業の会計にない用語 |
用語を日本語に訳さず、英語のまま定義で覚える(expenditure=支出、expense=費用、と区別) |
| 計算問題ではなく分類問題 | 計算で解く習慣があると、「どのファンドか」「どの純資産か」の分類問題で迷う | 分類の判断軸(内部/外部、条件/制限、目的/期間)を表にして即答できるようにする |
| 範囲が縮小したことを知らない | 旧制度の教材で予算仕訳やファンド財務諸表の作成まで勉強し、時間を浪費する | 2026年のブループリントで範囲を確認し、基礎概念に絞る |
「営利企業との違い」暗記表(筆者の学習法)
筆者が実際に作った暗記表の骨子です。
| 項目 | 営利企業 | NPO | 政府(政府型ファンド) | 政府(政府全体・事業型) |
|---|---|---|---|---|
| 資本の呼び方 | 株主資本 | 純資産(2分類) | ファンド残高(fund balance) | 純資産(net position) |
| 会計基礎 | 発生主義 | 発生主義 | 修正発生主義 | 発生主義 |
| 固定資産 | 計上 | 計上 | 計上しない(支出処理) | 計上 |
| 長期負債 | 計上 | 計上 | 計上しない | 計上 |
| 収益の認識 | 実現・稼得 | 寄付は約束時(無条件)、条件付きは条件成就時 | 測定可能かつ利用可能(60日) | 発生時 |
| 費用/支出 | 費用(expense) | 費用(機能別・性質別) | 支出(expenditure) | 費用(expense) |
| 主要な財務諸表 | B/S・P/L・CF | 財政状態計算書・活動計算書・CF・機能別費用 | B/S・収入支出ファンド残高変動計算書 | 純資産計算書・活動計算書(・CF) |
この1枚を白紙に書き出せるようになるまで繰り返すのが、25時間で処理する方法です。
用語の英語対応は「USCPA会計英語の頻出用語200」で扱っています。
合計25時間で処理した筆者の学習法
筆者はNPO会計に15時間、政府会計に10時間の合計25時間を使い、①ブループリントで範囲を確認(1時間)
②「営利企業との違い」暗記表を作る(4時間)
③予備校のMCを論点別に2周(15時間)
④直前期に暗記表を白紙に書き出す練習(5時間)、の4段階で処理した。本番ではMCで4問出題され、すべて分類問題で対応できた。
ここからは筆者の実体験です。
学習の4段階
| 段階 | やったこと | 時間 | 振り返り |
|---|---|---|---|
| ① 範囲の確認 | ブループリントで、政府会計は基礎概念のみと確認。旧制度の教材の予算仕訳・ファンド財務諸表の作成は飛ばすと決めた | 1時間 | この確認をしなかった同期は政府会計に40時間使っていた |
| ② 暗記表の作成 | 上の「営利企業との違い」表と、NPOの5論点表、政府のファンド11種類表を自分で作った | 4時間 | 自分で作ることで、分類の判断軸が頭に入った |
| ③ MC演習 | 予備校のMCを論点別に2周。誤答は「どの判断軸で迷ったか」を暗記表に書き足した | 15時間 | 2周目で正答率9割 |
| ④ 直前期の書き出し | 試験前1週間に、暗記表3枚を白紙に書き出す練習を毎日 | 5時間 | 本番の分類問題で迷わなかった |
| 合計 | 25時間 |
本番での出題と対応
| 出題 | 型 | 対応 |
|---|---|---|
| NPO会計 MC2問 | 「条件付き寄付の認識時期」「役務の寄付の認識条件」 | 暗記表の「条件/制限」「専門的技能か資産の創出」で即答 |
| 政府会計 MC2問 | 「この活動はどのファンドか」「修正発生主義で計上しない項目」 | ファンド表の「内部/外部」「固定資産は計上しない」で即答 |
| TBS | NPO会計・政府会計の出題なし | − |
4問で約5分。450時間のうち25時間の投資で、配点に見合った得点を確保できました。
一方、筆者の同期には旧制度の教材で政府会計に40時間かけ、本番で2問しか出なかった人もいます。
「範囲を確認して最小限に絞る」が、この論点で最も重要な判断です。
FAR全体の学習ログは「USCPA FARの勉強時間と勉強法|450時間の学習ログ公開」で書いています。
政府会計・NPO会計は「落とさない論点」として25時間で処理する
2026年のFARでは、NPO会計は財務諸表全体、政府会計は基礎概念のみが出題範囲です。
日本の簿記の知識は転用できませんが、出題は分類問題が中心で、「営利企業との違い」を表1枚で覚えれば対応できます。
先に固めるべき論点(収益認識・リース・連結・キャッシュフロー計算書・法人税等)に時間を回し、この2つは合計25時間で「落とさない」水準に仕上げてください。
まず今日、ブループリントで政府会計の範囲が基礎概念のみであることを確認し、旧制度の教材の予算仕訳・ファンド財務諸表の作成を学習計画から外すところから始めてみてください。
NPO会計・政府会計の教材が現行のブループリントに対応しているかを確認したい方は、アビタスの無料資料請求でFARの論点別教材の構成を取り寄せておくと、この記事の範囲と教材の章立てを照合できます。
よくある質問(FAQ)
Q1.
2026年のFARで政府会計はどこまで出ますか?
測定焦点と会計基礎の組み合わせ、11種類のファンドの分類と目的、政府全体財務諸表とファンド財務諸表の関係の基礎概念のみです。
予算仕訳、ファンド財務諸表の作成、政府全体への調整表、年次包括財務報告書の構成などの詳細は、2024年の制度改定で選択科目BARへ移りました。
旧制度の教材や体験記の「政府会計は配点8〜12%」は現行には当てはまりません。
Q2.
NPO会計の「条件」と「制限」の違いは何ですか?
条件(condition)は「この条件を満たしたら寄付する」という障壁と返還の権利で、条件が満たされるまで収益を認識しません。
制限(restriction)は「この目的・時期に使うこと」という使途の指定で、受けた時点で「制限のある純資産」の収益として認識します。
条件付きは「まだ収益ではない」、制限付きは「収益だが使途が決まっている」と覚えてください。
理事会の内部決定による使途の指定は制限ではありません。
Q3. 修正発生主義とは何ですか?
政府型ファンドのファンド財務諸表で使う会計基礎で、「今期に使える財務資源」だけを測ります。
収益は「測定可能で利用可能(当期末後60日以内に回収できる)」になった時点で認識し、固定資産の取得や長期債務の返済は費用ではなく「支出(expenditure)」として当期に処理します。
固定資産と長期負債は計上しません。
政府型ファンド以外(事業型・受託型・政府全体財務諸表)は営利企業と同じ発生主義です。
Q4.
ファンドは11種類も覚える必要がありますか?
分類の判断軸を覚えれば、11種類は導けます。
政府型5つは「一般・特定財源・資本プロジェクト・債務返済・永久」で、「建設は資本プロジェクト、返済は債務返済」が軸です。
事業型2つは「外部向けなら企業ファンド、内部(他部門)向けなら内部サービス」です。
受託型4つは「年金・投資・私的目的・保管」で、「他者のために管理する資産」が共通点です。
「この活動はどのファンドか」の分類問題で出題されるので、活動とファンドの対応表を作ってください。
Q5.
役務の寄付(ボランティア)はいつ認識しますか?
原則として認識せず、(a)非財務資産を創出・増価する(建物の建設等)、または(b)専門的な技能を要し、寄付されなければ購入していたであろう役務(弁護士・会計士・医師等)、のいずれかを満たす場合のみ公正価値で認識します。
受付や清掃などの一般的なボランティアは認識しません。
現物寄付(物品・固定資産・有価証券)は受領時の公正価値で認識します。
Q6.
政府会計・NPO会計にどのくらい時間をかければいいですか?
合計25時間程度が目安です。
筆者はNPO会計に15時間、政府会計に10時間を使い、本番でMC4問すべてに対応できました。
配点はMCで3〜5問程度、TBSでNPO会計が出るかどうかという規模なので、「落とさない」が目標で、「得点源にする」論点ではありません。
先に固めるべき収益認識・リース・連結・キャッシュフロー計算書・法人税等に時間を回してください。
Q7.
日本の公益法人会計や自治体会計の知識は使えますか?
ほぼ使えません。
米国のNPO会計の純資産2分類、政府会計の修正発生主義とファンドは、日本の公益法人会計基準の正味財産や自治体の一般会計・特別会計と構造が異なります。
対応づけようとすると混乱するので、米国の制度を「営利企業との違い」として独立に覚えてください。
共通部分(発生主義・財務諸表の構造)は簿記の知識で済み、違いだけに時間を集中させれば25時間で処理できます。
まとめ:政府会計・NPO会計は「営利企業との違い」を表1枚で覚える
この記事の要点を再掲します。
- 2026年のFARではNPO会計は財務諸表全体、政府会計は基礎概念(測定焦点・会計基礎・ファンドの分類)のみ。ファンド財務諸表の作成・調整表・予算会計はBARの範囲
- NPO会計の頻出5論点は①純資産の2分類(理事会の指定は制限ではない)
②寄付の認識(条件と制限の区別) ③制限の解除(収益ではなく振替)
④現物寄付と役務の寄付(専門的技能か資産の創出のみ)
⑤財務諸表の構成と機能別費用(プログラムと支援) - 政府会計の基礎概念3つは①測定焦点と会計基礎(政府型ファンドだけが修正発生主義)
②11種類のファンドの3分類(内部/外部・建設/返済が判断軸)
③政府全体財務諸表とファンド財務諸表の違い(受託型は政府全体に含めない) - 日本の公益法人・自治体会計とは対応しないので、「営利企業との違い」暗記表を自分で作って覚える
- 筆者は合計25時間(範囲確認1・暗記表4・MC2周15・書き出し5)で本番のMC4問に対応。旧制度の教材で40時間かけた同期もいる
政府会計・NPO会計は、範囲を確認して最小限に絞れば、25時間で「落とさない」水準に仕上がります。
まずブループリントで範囲を確認し、旧制度の教材の予算仕訳とファンド財務諸表の作成を学習計画から外すところから始めてみてください。
USCPAおすすめスクール
ランキングTOP3
no.
1
アビタス
総合評価

| 受講料 | 624,800円〜 (実質10万円台) |
| 教材特徴 | 日本語テキスト+英語問題集、図解豊富で初学者OK |
| 講義形式 | 日本語講義、 スモールユニット形式 |
| サポート期間 | 5年間(業界最長) |
| 合格祝い金 | 社会人20万円、 学生15万円 |
| 単位取得 | 簡単(業界最短) |
ポイント
- 日本のUSCPA合格者の
95%がアビタス受講生 - 社会人でも短期合格できるコンパクト教材設計
- 合格お祝い金とリスキリング補助金で
実質10万円台 - AICPA公認の唯一の日本校で
最新試験情報を直接入手 - 5年間サポート期間で安心、
USCPA+プログラムで合格後もサポート
no.
2
TAC
総合評価

| 受講料 | 400,000円〜485,000円 |
| 教材特徴 | オリジナルテキスト+Becker問題集、ボリュームあり |
| 講義形式 | 正統派黒板スタイル講義 |
| サポート期間 | 3年間 |
| 合格祝い金 | なし |
| 単位取得 | やや困難(時間がかかる) |
ポイント
- 長年の資格試験指導ノウハウを活かした
正統派学習スタイル - Becker問題集が使用可能で
実践的な学習ができる - REG・TCP(税務科目)の評判が特に良好
- 質問回答が迅速で的確なサポート体制
- 教育訓練給付制度対象講座で
受講料の一部支給
no.
3
CPA会計学院
総合評価

| 受講料 | 396,000円 |
| 教材特徴 | オリジナルテキスト+U World問題集、BARのみ対応 |
| 講義形式 | 日本語講義(会計知識前提) |
| サポート期間 | 2年間(延長可能) |
| 合格祝い金 | 10万円 |
| 単位取得 | やや困難 |
ポイント
- 受講料が比較的安価で費用を抑えて
学習開始可能 - 合格お祝い金10万円でコスト負担を軽減
- リスキリング補助金対象講座で
受講料大幅軽減 - 日本の公認会計士試験指導実績を活かした
会計基礎解説 - 新設校ならではの最新設備と学習環境




