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USCPA FAR頻出論点10|連結・リース・政府会計の優先順位

この記事でわかること

  • FARの出題範囲3つ(Area I 財務報告30〜40%・Area II
    貸借対照表の主要勘定30〜40%・Area III
    主要な取引25〜35%)と、2024年の制度改定で政府会計・企業結合の高度論点がBARへ移った後の「FARに残った範囲」
  • 頻出論点10(収益認識・リース・連結・キャッシュフロー計算書・法人税等・会計方針の変更と誤謬・投資と金融商品・棚卸資産・固定資産と減損・NPO会計)の出題の型と、TBSで問われる形
  • 論点ごとの「配点の重さ×学習コスト」で決める優先順位(先に固める5つ・型だけ押さえる3つ・最低限にする2つ)
  • 日本の簿記の知識がそのまま使える論点・使えない論点の仕分け
  • 約450時間で合格した筆者が論点別に使った時間と、「連結を後回しにして本番で30分使った」失敗から作った学習順

著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。

最終更新日:2026年8月29日

「FARは範囲が広すぎて、どの論点から手をつければいいか分からない」「連結とリースと政府会計、全部やる時間がない」という方に向けた記事です。

結論から言うと、FARの頻出論点は10に絞れ、そのうち先に固めるべきは「収益認識・リース・連結・キャッシュフロー計算書・法人税等」の5つです。政府会計は2024年の制度改定で詳細がBAR(選択科目)へ移り、FARでは基礎概念だけを押さえれば足ります。

FARの合格率は2025年で42.1%と3つの必須科目で最も低く、その原因は「範囲の広さ」です。

全論点を均等に回すと、配点の重い論点が固まらないまま本番を迎えます。

筆者は約450時間でFARに合格しましたが、連結を後回しにしたために本番のTBSで30分を使い、予備時間を使い切りました。

この記事では、AICPAのブループリント(2026年版)を一次情報として、頻出論点10の出題の型、配点と学習コストで決める優先順位、簿記の知識が使える・使えない論点の仕分けを、筆者の論点別の学習時間と合わせて解説します。

FARの出題範囲の全体像は「USCPAのFARとは|出題範囲・形式・難易度を1回合格者が解説」、勉強時間は「USCPA FARの勉強時間と勉強法|450時間の学習ログ公開」で扱っているので、本記事は「論点の優先順位」に絞ります。

FARの出題範囲3つと、2024年改定で「BARへ移った論点」

FARの出題範囲は、Area I
財務報告(30〜40%:財務諸表の作成・キャッシュフロー計算書・NPO会計・政府会計の基礎概念・SEC報告)、Area
II
貸借対照表の主要勘定(30〜40%:現金・債権・棚卸資産・固定資産・投資・無形資産・負債・資本)、Area
III
主要な取引(25〜35%:会計方針の変更と誤謬・偶発事象・収益認識・リース・法人税等・後発事象・公正価値)の3つ。2024年の改定で、政府会計の詳細・企業結合の高度論点・デリバティブ・株式報酬はBARへ移った。

まず、FARの範囲を整理します。

Area 配点 主な内容 出題の傾向
I 財務報告 30〜40% 営利企業の財務諸表(貸借対照表・損益計算書・包括利益・持分変動・キャッシュフロー計算書・注記)、非営利組織(NPO)の財務諸表、州・地方政府の基礎概念(測定焦点・会計基礎・ファンドの目的)、SEC報告(10-K・10-Q等)、特別目的の枠組み 財務諸表の作成・分類のTBS。キャッシュフロー計算書の間接法
II 貸借対照表の主要勘定 30〜40% 現金、売上債権(貸倒引当金)、棚卸資産(原価法・低価法・LIFO/FIFO)、固定資産(減価償却・減損・資産除去債務)、投資(持分法・公正価値)、無形資産、負債(引当金・社債)、資本(自己株式・配当・EPS) 計算のMCが中心。簿記の知識が最も転用できる
III 主要な取引 25〜35% 会計方針の変更と誤謬の訂正、偶発事象、収益認識(ASC
606の5ステップ)、リース(借手)、法人税等(繰延税金)、後発事象、公正価値測定、連結、外貨換算、IFRSとの差異
TBSの中心。1問で複数の論点を組み合わせる

出典:AICPA「Uniform CPA Examination
Blueprints」(2026年版、2026年8月29日確認)

2024年改定で「BARへ移った論点」と「FARに残った論点」

論点 FAR(2026年) BAR(選択科目)
政府会計 基礎概念のみ(測定焦点・会計基礎・ファンドの種類と目的) 政府全体・ファンド財務諸表の作成、調整表(Area III、10〜20%)
連結・企業結合 連結財務諸表(相殺消去・非支配持分の表示・取得日ののれんの基礎) 企業結合の高度論点(段階取得・条件付対価・のれんの減損)
リース 借手(lessee)の会計処理 貸手(lessor)の会計処理
収益認識 5ステップの基礎(履行義務・取引価格・配分) 複雑な契約(変動対価・契約変更・本人代理人)
デリバティブ・ヘッジ 出題されない Area II
株式報酬 出題されない Area II
無形資産 有限の無形資産の償却 非償却の無形資産・のれんの減損テスト
NPO会計 出題される(Area I) 出題されない

「政府会計は基礎概念だけ」「連結は相殺消去と非支配持分」「リースは借手だけ」が、2026年のFARで押さえる範囲です。

旧制度(2023年以前)の教材や体験記には、政府会計のファンド財務諸表や貸手のリースがFARの論点として載っていますが、現行のFARでは選択科目BARの範囲です。

制度変更の経緯は「USCPA試験の制度変更ニュースまとめ【2026年8月更新】」、BARの範囲は「USCPAのBARとは|出題範囲・難易度・勉強法を合格者が解説」で解説しています。

FAR頻出論点10の出題の型

FARで繰り返し出題される論点は、①収益認識 ②リース(借手) ③連結
④キャッシュフロー計算書 ⑤法人税等 ⑥会計方針の変更と誤謬 ⑦投資と金融商品
⑧棚卸資産 ⑨固定資産と減損
⑩NPO会計の10。①〜⑤はTBSの中心で計算量が多く、⑥〜⑨はMCの計算問題の中心、⑩はMCの分類問題が中心である。

# 論点 基準 出題の型(MC) 出題の型(TBS) 配点の重さ
① 収益認識 ASC 606 履行義務の識別、取引価格の配分、一時点か一定期間か、契約資産・負債 契約1件について5ステップを適用し、各期の収益と契約資産・負債を算定 ◎
② リース(借手) ASC 842 オペレーティングとファイナンスの分類(5基準)、リース負債・使用権資産の当初測定、費用の認識パターン 現在価値の計算→償却表→各期の仕訳・費用 ◎
③ 連結 ASC 810 支配の判定、相殺消去(債権債務・内部取引・未実現利益)、非支配持分の表示 親子会社の個別財務諸表から連結修正仕訳を入力し、連結財務諸表を作成 ◎
④ キャッシュフロー計算書 ASC 230 営業・投資・財務の分類、間接法の調整項目、非資金取引 貸借対照表の増減と損益計算書から間接法の営業CFを算定 ◎
⑤ 法人税等 ASC 740 一時差異と永久差異、繰延税金資産・負債の算定、評価性引当金、税率変更 一時差異の一覧から繰延税金と法人税等費用を算定 ○
⑥ 会計方針の変更と誤謬 ASC 250 会計方針の変更(遡及適用)、見積りの変更(将来にわたって)、誤謬の訂正(修正再表示)の区別 変更の種類を判定し、影響額を算定 ○
⑦ 投資と金融商品 ASC 320・321・323 持分法の適用範囲(20〜50%)、公正価値の変動の処理(純利益かOCIか)、債券の分類 持分法の仕訳、公正価値評価の仕訳 ○
⑧ 棚卸資産 ASC 330 FIFO/LIFO/平均法の計算、低価法(LCM/LCNRV)、棚卸誤りの影響 原価配分の計算表 ○
⑨ 固定資産と減損 ASC 360・410 減価償却の各方法、資本的支出と修繕費、減損の2ステップ、資産除去債務 減価償却の計算表、減損損失の算定 ○
⑩ NPO会計 ASC 958 純資産の分類(寄付者による制限あり・なし)、寄付の認識、機能別費用 財務諸表の分類 △

①〜④は「TBSで1問丸ごと出る」論点で、20分の計算を最後まで走らせる練習が必要です。

⑤〜⑨は「MCの計算問題で1問2.5分」の論点で、計算の型を覚えれば速く処理できます。

⑩は分類問題が中心で、計算量は少なく、暗記で対応できます。

各論点の詳細は、連結を「USCPA FAR連結会計の攻略|相殺消去5仕訳と非支配持分」、政府会計・NPO会計を「USCPA FAR政府会計・NPO会計の攻略|苦手論点の最短対策」で解説しています。

配点×学習コストで決める優先順位|先に固める5・型だけ3・最低限2

優先順位は「配点の重さ」と「学習コスト(日本の簿記からの距離)」の2軸で決める。先に固める5つは収益認識・リース・連結・キャッシュフロー計算書・法人税等(配点が重くTBSで出る)、型だけ押さえる3つは会計方針の変更・投資・棚卸資産と固定資産(簿記の知識で短時間に固まる)、最低限にする2つはNPO会計・政府会計の基礎概念(配点が軽く暗記で足りる)である。

優先順位の判断表

優先度 論点 配点の重さ 学習コスト 簿記の知識の転用 学習時間の目安(450時間中)
A:先に固める ① 収益認識 ◎ 高(日本基準と考え方は近いが、5ステップの適用が細かい) △ 40時間
A ② リース(借手) ◎ 高(現在価値・償却表の計算量) △(日本基準の新リースと近い) 40時間
A ③ 連結 ◎ 高(相殺消去の仕訳を全部書く) ○(簿記1級の連結と同じ構造) 45時間
A ④ キャッシュフロー計算書 ◎ 中(間接法の調整の型) ○ 25時間
A ⑤ 法人税等 ○ 中(一時差異の判定) ○(日本の税効果と同じ構造) 25時間
B:型だけ押さえる ⑥ 会計方針の変更と誤謬 ○ 低(3分類の判定) ○ 15時間
B ⑦ 投資と金融商品 ○ 中(持分法・公正価値の処理) ○ 20時間
B ⑧⑨ 棚卸資産・固定資産 ○ 低(簿記の計算そのもの) ◎ 30時間
C:最低限 ⑩ NPO会計 △ 低(分類の暗記) × 15時間
C 政府会計の基礎概念 △ 低(用語の暗記) × 10時間
− その他(財務諸表の表示・偶発事象・後発事象・公正価値・外貨・IFRS差異・SEC報告) ○ 中 △ 85時間
− 総復習・模試・TBS演習 − − − 100時間

※学習時間は筆者の実績(約450時間)を論点別に配分し直した目安です。簿記の下地がない人は、B・その他の論点に+50〜100時間を見込んでください。

優先順位を決める2つの原則

原則 内容
TBSで出る論点を先に固める ①〜④はTBSで1問丸ごと出るため、「途中まで解ける」では部分点止まり。最後まで計算を走らせる練習に時間がかかる
簿記で解ける論点は後回しにしても短時間で固まる ⑧⑨は日本の簿記の計算そのもので、英語の用語を覚えれば解ける。先に時間をかける必要がない

筆者の失敗は、この原則の逆をやったことです。

簿記で解ける論点(棚卸資産・固定資産)から入って安心し、連結を後回しにした結果、本番のTBSで連結に30分かかりました。

日本の簿記の知識が「使える論点」「使えない論点」

日本の簿記(2級・1級)の知識がそのまま使えるのは、棚卸資産・固定資産・社債・キャッシュフロー計算書・税効果・連結の構造。使えないのは、収益認識の5ステップの細部・リースの分類基準・NPO会計・政府会計・LIFO・SEC報告。「使える論点」は英語の用語だけ覚え、「使えない論点」は概念から学ぶ、と学習法を分ける。

論点 簿記の知識 何が同じか 何が違うか
棚卸資産 ◎ 使える FIFO・平均法・低価法の計算 LIFOが認められる(日本基準は廃止)。LIFOの計算とLIFO清算(liquidation)は新規
固定資産・減価償却 ◎ 使える 定額法・定率法・生産高比例法の計算 減損は「回収可能性テスト→公正価値との差額」の2ステップ(日本基準は割引前CFで判定→回収可能価額)。資産除去債務の割引率
社債 ◎ 使える 償却原価法(実効金利法)の計算 発行費用の処理、転換社債の分類
キャッシュフロー計算書 ○ 使える 間接法の調整の構造 利息・配当の分類(受取利息・支払利息は営業、支払配当は財務)、非資金取引の注記
法人税等(税効果) ○ 使える 一時差異・繰延税金の構造 評価性引当金(valuation
allowance)の判定基準、税率変更の処理、不確実な税務ポジション
連結 ○ 構造は使える 相殺消去・非支配持分の考え方 取得法の細部、のれんの非償却(減損のみ)、非支配持分の全部公正価値法
収益認識 △ 考え方は近い 5ステップの枠組み(日本の収益認識基準はASC 606に準拠) 履行義務の細かい判定、契約資産・契約負債の表示、開示
リース(借手) △ 考え方は近い 使用権資産・リース負債の計上(日本の新リース基準と近い) オペレーティングとファイナンスの2分類が残る(費用の認識パターンが異なる)、5つの分類基準
会計方針の変更と誤謬 ○ 使える 遡及適用・修正再表示の考え方 用語(retrospective / prospective / restatement)の対応
NPO会計 × 使えない − 純資産の2分類、寄付の認識、機能別費用の表示はすべて新規
政府会計の基礎概念 × 使えない − 測定焦点・会計基礎・ファンドの種類はすべて新規

「使える論点」で時間を節約し、「使えない論点」に回すのが、簿記経験者のFARの学習設計です。

簿記の知識がない人の学習法は「簿記知識ゼロからUSCPAは無謀?」で解説しています。

約450時間で合格した筆者の論点別の学習時間と失敗

筆者は簿記2級の下地があり、FARを約450時間で合格した。論点別では棚卸資産・固定資産・社債に最初の80時間を使って安心し、連結・リース・収益認識に入ったのは学習開始から3ヵ月後だった。連結は本番前に相殺消去の仕訳を全部書く練習が2周しかできず、TBSで30分を使った。今なら、最初の100時間を収益認識・リース・連結に配分する。

ここからは筆者の実体験です。

論点別の学習時間(実績)

学習期間 論点 時間 振り返り
1ヵ月目 財務諸表の表示、現金・債権、棚卸資産、固定資産、社債 約80時間 簿記の知識で解けたので順調に感じた。ここに時間をかけすぎた
2ヵ月目 投資、資本、EPS、法人税等、会計方針の変更 約70時間 税効果は日本の知識で速かった。EPSの希薄化計算に時間がかかった
3ヵ月目 キャッシュフロー計算書、偶発事象、後発事象、公正価値、外貨 約60時間 キャッシュフロー計算書は間接法の型で固まった
4ヵ月目 収益認識、リース、連結 約110時間 3つの重い論点を1ヵ月に詰め込んだ。連結の相殺消去は2周しかできなかった
5ヵ月目 NPO会計、政府会計の基礎、IFRS差異、SEC報告 約30時間 暗記で処理
6ヵ月目 総復習、模試3回、TBS演習 約100時間 模試でリース・連結のTBSに毎回25分以上かかった
合計 約450時間

失敗と、今なら変える学習順

失敗 何が起きたか 今なら変えること
簿記で解ける論点から入った 1ヵ月目に80時間使い、「FARは簡単かもしれない」と誤解した 簿記で解ける論点は「英語の用語の確認」だけで30時間に圧縮し、浮いた50時間を連結・リースに回す
重い3論点を4ヵ月目に詰め込んだ 収益認識・リース・連結を同じ月に学習し、それぞれの演習が浅くなった 2ヵ月目に収益認識、3ヵ月目にリース、4ヵ月目に連結と1論点ずつ配置し、各論点でTBS演習を3周する
連結の相殺消去を「理解」で止めた 仕訳の意味は分かったが、白紙から全部書く練習が足りなかった 連結は「親子の個別財務諸表から連結修正仕訳を全部書く」を10題以上こなす

「簿記で解ける論点は後回しでも固まる。重い論点を先に、1つずつ」が、筆者の失敗から出た学習順です。

学習ログの詳細は「USCPA FARの勉強時間と勉強法|450時間の学習ログ公開」、本番の時間配分は「USCPA FARの時間配分と解答戦略|計算で時間を失わない型」で書いています。

論点別の「TBSで出る形」と最後まで解き切る練習

FARのTBSは、収益認識・リース・連結・キャッシュフロー計算書の4論点が「1問丸ごと」で出るため、MCが解けても「20分で最後まで計算を走らせる」練習をしないと部分点止まりになる。各論点のTBSの型(入力形式・設問の構造)を知り、白紙から10題以上こなすのが対策である。

論点 TBSの型 設問の構造 解き切るための練習
収益認識 契約の説明文→各期の収益・契約資産・契約負債を数値入力 履行義務の識別→取引価格の配分→各期の認識額、と段階的 5ステップを表にして、契約ごとに配分表を作る練習
リース(借手) リース契約の条件→分類判定(選択)→リース負債・使用権資産・各期の費用を数値入力 分類→現在価値→償却表→仕訳、と段階的 償却表を3分で作る練習(電卓の現在価値計算を手順化)
連結 親子の個別財務諸表→連結修正仕訳を入力→連結財務諸表の穴埋め 相殺消去(投資と資本・債権債務・内部取引・未実現利益)→非支配持分の算定 白紙から連結修正仕訳を全部書く練習を10題以上
キャッシュフロー計算書 貸借対照表2期分と損益計算書→営業CFの間接法の調整項目を数値入力 純利益→非資金項目の調整→運転資本の増減→営業CF 調整項目のリスト(増減の符号)を型として覚える
法人税等 一時差異の一覧→繰延税金資産・負債・法人税等費用を数値入力 差異の分類→税率を掛ける→評価性引当金の判定 一時差異の表を作り、資産・負債のどちらかを判定する練習

TBSは「途中まで正しい」でも部分点が取れますが、「最後まで走らせる」練習をしないと20分で終わりません。

TBSの解き方の型は「TBS(総合問題)の解き方」で解説しています。

論点別のTBS演習を本番形式で積みたい方は、アビタスの無料資料請求でFARの論点別教材とTBS対策の構成を取り寄せておくと、この記事の優先順位を教材の章立てに対応づけられます。

FARは「重い論点を先に、1つずつ」で範囲の広さに勝つ

FARの範囲は広いですが、頻出論点は10に絞れ、先に固めるべきは収益認識・リース・連結・キャッシュフロー計算書・法人税等の5つです。

政府会計の詳細と企業結合の高度論点は2024年の改定でBARへ移り、FARでは基礎概念だけで足ります。

簿記で解ける論点(棚卸資産・固定資産・社債)は英語の用語を確認するだけで固まるので、後回しにして時間を重い論点に回してください。

筆者は逆の順番で学習し、連結を後回しにして本番で30分を使いました。

まず今日、この記事の優先順位表を自分の学習計画に当てはめ、「重い論点を1ヵ月に1つずつ」で配置し直すところから始めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1.
FARで最も配点が重い論点は何ですか?

収益認識(ASC 606)、リース(ASC 842・借手)、連結(ASC
810)、キャッシュフロー計算書(ASC 230)の4つです。

いずれもTBSで1問丸ごと出題されることが多く、20分で最後まで計算を走らせる練習が必要です。

これに法人税等(ASC
740)を加えた5つを先に固めるのが、筆者の失敗から出た優先順位です。

Q2.
政府会計はFARでどこまで勉強すればいいですか?

基礎概念(測定焦点・会計基礎・ファンドの種類と目的)だけで足ります。

2024年の制度改定で、政府全体・ファンド財務諸表の作成や調整表などの詳細は選択科目BARへ移りました。

FARでは用語の暗記で対応できる範囲なので、10時間程度を目安に最低限で押さえてください。

旧制度の教材や体験記にはFARの論点として詳細が載っているので、現行のブループリントで範囲を確認してください。

Q3.
連結はFARに残っていますか?

残っています。

連結財務諸表(支配の判定・相殺消去・非支配持分の表示・取得日ののれんの基礎)はFARの範囲です。

BARへ移ったのは企業結合の高度論点(段階取得・条件付対価・のれんの減損テスト)です。

FARの連結は「親子の個別財務諸表から連結修正仕訳を全部書いて連結財務諸表を作る」TBSが典型で、白紙から10題以上こなす練習が必要です。

Q4.
日本の簿記の知識はFARでどのくらい使えますか?

棚卸資産・固定資産・社債・キャッシュフロー計算書・税効果・連結の構造はそのまま使えます。

英語の用語を覚えれば解けるので、これらの論点は短時間で固まります。

一方、LIFO・NPO会計・政府会計・SEC報告は日本の簿記にない論点で、概念から学ぶ必要があります。

収益認識とリースは考え方は近いですが、5ステップの細部と分類基準が細かいので、簿記の知識だけでは解けません。

Q5.
論点別にどのくらいの時間をかければいいですか?

筆者の実績(約450時間)を配分し直すと、収益認識40・リース40・連結45・キャッシュフロー計算書25・法人税等25時間で、先に固める5論点に約175時間です。

会計方針の変更・投資・棚卸資産と固定資産に約65時間、NPO会計・政府会計の基礎に約25時間、その他の論点に約85時間、総復習と模試に約100時間です。

簿記の下地がない人は、簿記で解ける論点とその他の論点に+50〜100時間を見込んでください。

Q6.
MCは解けるのにTBSで点が取れません。

「最後まで計算を走らせる」練習が足りていない可能性が高いです。

FARのTBSは、収益認識・リース・連結・キャッシュフロー計算書が1問丸ごと出るため、MCの知識があっても20分で全設問を解き切るには、各論点のTBSの型(入力形式・設問の構造)に慣れる必要があります。

論点ごとに白紙から10題以上のTBSをこなし、償却表・配分表・連結修正仕訳を「3分で作れる」ところまで手順化してください。

Q7.
FARの論点はどの順番で学習すればいいですか?

「重い論点を先に、1ヵ月に1つずつ」です。

筆者が今なら選ぶ順番は、1ヵ月目に財務諸表の表示と簿記で解ける論点を圧縮して30時間、2ヵ月目に収益認識、3ヵ月目にリース、4ヵ月目に連結、5ヵ月目にキャッシュフロー計算書・法人税等・その他、6ヵ月目に総復習と模試です。

簿記で解ける論点から入ると安心して時間をかけすぎるので、注意してください。

まとめ:FAR頻出論点10は「先に固める5・型だけ3・最低限2」で優先順位をつける

この記事の要点を再掲します。

  • FARの範囲はArea I 財務報告・II 貸借対照表の主要勘定・III
    主要な取引
    の3つ。2024年改定で政府会計の詳細・企業結合の高度論点・デリバティブ・株式報酬はBARへ移り、FARには政府会計の基礎概念・連結・借手のリース・収益認識の基礎が残った
  • 頻出論点10は①収益認識 ②リース ③連結 ④キャッシュフロー計算書
    ⑤法人税等 ⑥会計方針の変更 ⑦投資 ⑧棚卸資産 ⑨固定資産
    ⑩NPO会計
    。①〜④はTBSで1問丸ごと出る
  • 優先順位は先に固める5(①〜⑤)・型だけ押さえる3(⑥〜⑨)・最低限2(⑩・政府会計の基礎)。配点の重さ×学習コストで決める
  • 簿記の知識は棚卸資産・固定資産・社債・CF計算書・税効果・連結の構造に使える。LIFO・NPO・政府会計・SEC報告は使えない
  • 筆者は簿記で解ける論点に最初の80時間を使い、連結を後回しにして本番のTBSで30分を使った。今なら「重い論点を先に、1ヵ月に1つずつ」
  • TBSは「最後まで計算を走らせる」練習が必要。償却表・配分表・連結修正仕訳を3分で作れるまで手順化する

FARの範囲の広さは、全論点を均等に回すと敵になり、優先順位をつければ味方になります。

まず優先順位表を自分の学習計画に当てはめ、重い論点を1ヵ月に1つずつ配置し直すところから始めてみてください。

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