この記事でわかること
- 2026年のFARで連結会計はどこまで出るか(支配の判定・取得日ののれん・連結修正仕訳・非支配持分の表示。段階取得や条件付対価などの高度論点はBAR)
- 取得日の処理(取得法)の型:のれん=取得対価+非支配持分の公正価値−識別可能純資産の公正価値、と「CAR
IN BIG」で覚える投資と資本の相殺仕訳 - 連結修正仕訳5つ(①投資と資本の相殺 ②公正価値差額の償却
③債権債務の相殺 ④内部取引と未実現利益の消去
⑤配当の相殺)を、数値例で最後まで書く - 非支配持分(NCI)の算定と表示(純資産の部に区分表示・当期純利益の帰属・アップストリームの未実現利益の按分)
- 持分法と連結の使い分け、親会社の個別上の処理(原価法・持分法)が連結結果に影響しない理由
- 連結に45時間かけても本番のTBSで30分使った筆者の失敗と、「白紙から全部書く10題」の練習法、監査法人で見た連結パッケージの実務
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月29日
「連結の相殺消去の仕訳が覚えられない」「非支配持分の計算で毎回合わない」「TBSで連結が出ると20分で終わらない」という方に向けた記事です。
結論から言うと、FARの連結会計は、取得日ののれんの算定式と、連結修正仕訳5つ(投資と資本の相殺・公正価値差額の償却・債権債務の相殺・内部取引と未実現利益の消去・配当の相殺)を「型」として白紙から書ける状態にすれば、MCもTBSも解けます。
連結はFARで最も重い論点の1つで、TBSでは「親子の個別財務諸表から連結修正仕訳を入力し、連結財務諸表を完成させる」形で1問丸ごと出ます。
筆者は連結に約45時間をかけましたが、仕訳の「理解」で止まり、白紙から全部書く練習が2周しかできなかったため、本番のTBSで30分を使いました。
この記事では、AICPAのブループリント(2026年版)とASC
805・810を一次情報として、連結の型を数値例つきで整理し、筆者の失敗から作った練習法と、監査法人で見た連結の実務を合わせて解説します。
FARの論点全体の優先順位は「USCPA FAR頻出論点10|連結・リース・政府会計の優先順位」で扱っているので、本記事は「連結の型」に絞ります。
2026年のFARで連結はどこまで出るか
FARの連結は、Area
III「主要な取引」の中で、①支配の判定(議決権の過半数・変動持分事業体の基礎)②取得日の会計処理(取得法によるのれんの算定・識別可能資産負債の公正価値評価)③連結修正仕訳(投資と資本の相殺・内部取引の消去・未実現利益の消去)④非支配持分の測定と表示、が範囲。段階取得・条件付対価・のれんの減損テスト・共通支配下の取引などの高度論点は選択科目BARの範囲である。
まず範囲を明確にします。
| 論点 | FAR(2026年) | BAR(選択科目) |
|---|---|---|
| 支配の判定(議決権50%超) | ○ | − |
| 変動持分事業体(VIE)の基礎(主たる受益者が連結する) | ○ 基礎 | ○ 応用 |
| 取得法(のれんの算定・識別可能純資産の公正価値評価) | ○ 基礎 | ○(段階取得・条件付対価・測定期間の修正) |
| 割安購入益(bargain purchase gain) | ○ | − |
| 連結修正仕訳(投資と資本・債権債務・内部取引・未実現利益・配当) | ○ 中心 | − |
| 非支配持分の測定(全部公正価値法)と表示 | ○ | − |
| 公正価値差額の償却 | ○ | − |
| のれんの減損テスト | × | ○ |
| 持分法(20〜50%) | ○(Area II 投資) | − |
| 共通支配下の取引・逆取得 | × | ○ |
出典:AICPA「Uniform CPA Examination
Blueprints」(2026年版、2026年8月29日確認)
FARでは「取得日ののれん」と「取得後の連結修正仕訳」が中心で、のれんの減損や段階取得は出ません。
旧制度の教材にある「のれんの減損テスト」「段階取得の再測定」は、BARを選択しないなら学習から外して構いません。
BARの範囲は「USCPAのBARとは|出題範囲・難易度・勉強法を合格者が解説」で解説しています。
取得日の処理|のれんの算定式と「CAR
IN BIG」
取得日の連結は、①取得対価(公正価値)+②非支配持分の公正価値−③子会社の識別可能純資産の公正価値=のれん、の式で算定する。子会社の簿価純資産と公正価値の差額(公正価値差額)を各資産・負債に配分し、残りがのれんになる。投資と資本の相殺仕訳は「CAR
IN
BIG」(資本金・資本剰余金・利益剰余金/投資・非支配持分/簿価から公正価値への調整・識別可能無形資産・のれん)で覚える。
のれんの算定式
| 項目 | 内容 | 数値例 |
|---|---|---|
| ① 取得対価の公正価値 | 親会社が支払った現金・株式等の公正価値 | 800 |
| ② 非支配持分(NCI)の公正価値 | 米国基準は「全部公正価値法」。NCIの持分割合に対応する公正価値(取得対価から推定するか、独立に評価) | 200(20%) |
| ③ 子会社の識別可能純資産の公正価値 | 簿価純資産+公正価値差額(土地・建物・無形資産等の含み損益) | 簿価700+土地の含み益100=800 |
| のれん | ①+②−③ | 800+200−800=200 |
米国基準(ASC 805)は「全部公正価値法(full
goodwill)」で、のれんはNCI分も含めて計上します。
IFRSで認められる「購入のれん法(partial
goodwill、親会社持分のみ)」は米国基準では使えません。
数値例では、のれん200のうち親会社分160(800−800×80%)、NCI分40(200−800×20%)です。
割安購入益(bargain purchase
gain)
①+②が③を下回る場合、差額は「割安購入益」として取得日の損益(親会社の利益)に計上します。
負ののれんとして繰り延べる処理は認められません(再評価して、なお下回る場合のみ利益)。
投資と資本の相殺仕訳「CAR IN
BIG」
| 記号 | 項目 | 借方/貸方 | 数値例 |
|---|---|---|---|
| C | 資本金(Common stock)を消去 | 借方 | 300 |
| A | 資本剰余金(APIC)を消去 | 借方 | 100 |
| R | 利益剰余金(Retained earnings)を消去 | 借方 | 300 |
| I | 投資勘定(Investment in subsidiary)を消去 | 貸方 | 800 |
| N | 非支配持分(NCI)を計上 | 貸方 | 200 |
| B | 簿価から公正価値への調整(Balance sheet adjustments to FV) | 借方 | 土地100 |
| I | 識別可能無形資産(Identifiable intangibles)を計上 | 借方 | 0(数値例では省略) |
| G | のれん(Goodwill)を計上 | 借方 | 200 |
借方合計:300+100+300+100+200=1,000、貸方合計:800+200=1,000で一致します。
この仕訳を白紙に3分で書けることが、連結の型の第一歩です。
連結修正仕訳5つを数値例で最後まで書く
取得後の連結修正仕訳は、①投資と資本の相殺(取得日の仕訳を毎期繰り返す。利益剰余金は取得日の残高)②公正価値差額の償却(建物の含み益なら減価償却の追加、棚卸資産なら売上原価への振替)③親子間の債権債務の相殺
④内部取引の消去と未実現利益の消去(内部売上と売上原価の相殺、期末棚卸資産に残る未実現利益の消去)⑤子会社配当の相殺(親会社の受取配当と子会社の配当の相殺、NCIへの配当はNCIの減少)の5つ。順番どおりに書けば、連結財務諸表が完成する。
仕訳①:投資と資本の相殺(取得後の各期)
取得日の「CAR IN BIG」を、各期の連結で繰り返します。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 利益剰余金の金額 | 消去するのは取得日の子会社の利益剰余金。取得後に増えた利益剰余金は、親会社持分は連結利益剰余金に、NCI持分はNCIに含める |
| 親会社が持分法で記帳している場合 | 親会社の投資勘定は取得後の利益で増えているため、「持分法による投資利益」と投資勘定の増加分を先に消去してから、取得日の仕訳を行う |
| 親会社が原価法で記帳している場合 | 投資勘定は取得原価のまま。取得後の子会社の利益剰余金の増加のうち親会社持分を連結利益剰余金に加算する |
仕訳②:公正価値差額の償却
取得日に計上した公正価値差額のうち、償却が必要なものは各期に費用化します。
| 差額の対象 | 償却の処理 | 数値例 |
|---|---|---|
| 土地 | 償却しない(売却時に消去) | 土地100はそのまま |
| 建物・設備 | 残存耐用年数で減価償却を追加 | 建物の含み益50・残存5年→毎期10の減価償却費を追加 |
| 棚卸資産 | 販売時に売上原価へ振替 | 棚卸資産の含み益20→販売した期に売上原価20を追加 |
| 識別可能無形資産(顧客関係等) | 耐用年数で償却 | 無形資産60・6年→毎期10の償却費 |
| のれん | 償却しない(減損のみ。減損テストはBAR) | のれん200はそのまま |
「のれんは償却しない、公正価値差額は償却する」が頻出です。
償却費の追加は、連結上の当期純利益を減らし、その減少額は親会社持分とNCIに持分割合で配分されます。
仕訳③:債権債務の相殺
| 内容 | 仕訳 |
|---|---|
| 親会社の子会社に対する売掛金1,000と、子会社の親会社に対する買掛金1,000 | (借)買掛金 1,000 /(貸)売掛金 1,000 |
| 親会社の子会社への貸付金と、子会社の借入金、未収利息と未払利息 | 同様に相殺 |
債権債務の相殺には未実現利益は生じないので、NCIへの影響はありません。
親会社が子会社の売掛金に貸倒引当金を設定している場合、その引当金と繰入額も消去します。
仕訳④:内部取引の消去と未実現利益の消去
連結で最も計算を間違えやすい仕訳です。
| 段階 | 内容 | 数値例 | 仕訳 |
|---|---|---|---|
| (a) 内部売上の消去 | 親会社が子会社に販売した売上と、子会社の仕入(売上原価)を相殺 | 親→子の売上500(原価400) | (借)売上 500 /(貸)売上原価 500 |
| (b) 期末棚卸資産の未実現利益の消去 | 子会社の期末棚卸資産に残る内部取引分の利益を消去 | 期末に子会社が保有する内部仕入分200(利益率20%→未実現利益40) | (借)売上原価 40 /(貸)棚卸資産 40 |
| (c) 期首棚卸資産の未実現利益の実現 | 前期末の未実現利益は当期に販売されて実現 | 前期末の未実現利益30 | (借)利益剰余金(期首) 30 /(貸)売上原価 30 |
ダウンストリーム(親→子)とアップストリーム(子→親)で、NCIへの影響が変わります。
| 取引の方向 | 未実現利益は誰の利益か | NCIへの影響 |
|---|---|---|
| ダウンストリーム(親会社が子会社に販売) | 親会社の利益 | 影響なし(親会社持分から全額消去) |
| アップストリーム(子会社が親会社に販売) | 子会社の利益 | 持分割合で按分(未実現利益40のうち、NCI20%分の8はNCIから消去) |
「ダウンストリームはNCIに影響しない、アップストリームは按分する」が、非支配持分の計算で最も間違えやすい点です。
固定資産の内部売却(親会社が子会社に設備を売却して利益が出た場合)も同じ構造で、売却益を消去し、その後の減価償却費の過大分を毎期修正します。
仕訳⑤:配当の相殺
| 内容 | 仕訳 | 数値例(子会社の配当100、親会社80%) |
|---|---|---|
| 親会社が受け取った子会社の配当(受取配当金)と、子会社の配当を相殺 | (借)受取配当金 80 /(貸)配当(子会社) 80 | 親会社の受取配当金80を消去 |
| NCIが受け取った配当 | (借)非支配持分 20 /(貸)配当(子会社) 20 | NCIの減少として処理 |
親会社が持分法で記帳している場合、受取配当金ではなく投資勘定の減少として処理されているため、仕訳の形が変わります(投資勘定を戻す)。
5つの仕訳の順番と連結財務諸表の完成
| 順 | 仕訳 | 連結財務諸表への効果 |
|---|---|---|
| ① | 投資と資本の相殺 | 投資勘定と子会社の資本が消え、のれん・NCI・公正価値差額が計上される |
| ② | 公正価値差額の償却 | 償却費が追加され、当期純利益が減る |
| ③ | 債権債務の相殺 | 資産・負債が両建てで減る(純資産に影響なし) |
| ④ | 内部取引・未実現利益の消去 | 売上・売上原価が両建てで減る。未実現利益分だけ当期純利益と棚卸資産が減る |
| ⑤ | 配当の相殺 | 受取配当金が消え、子会社の配当が消える(NCI分はNCIの減少) |
TBSでは、この5つの仕訳を入力し、連結貸借対照表・連結損益計算書の穴埋めをする形が典型です。
「途中まで正しい」でも部分点は取れますが、5つを20分で書き切る練習が必要です。
非支配持分(NCI)の算定と表示
非支配持分は、①取得日の公正価値(全部公正価値法)②+取得後の子会社の当期純利益のNCI持分(公正価値差額の償却とアップストリームの未実現利益を調整後)③−NCIへの配当、で期末残高を算定する。表示は連結貸借対照表の「純資産の部」に親会社持分と区分して記載し、連結損益計算書では当期純利益を「親会社帰属」と「NCI帰属」に分けて表示する。
NCIの期末残高の算定
| 項目 | 計算 | 数値例(20%) |
|---|---|---|
| 取得日のNCI(公正価値) | 取得日の評価額 | 200 |
| + 子会社の当期純利益のNCI持分 | (子会社の当期純利益−公正価値差額の償却−アップストリームの未実現利益)×20% | (300−10−40)×20%=50 |
| − NCIへの配当 | 子会社の配当×20% | 100×20%=20 |
| 期末のNCI | 200+50−20=230 |
「子会社の当期純利益にそのまま20%を掛けない」のが、NCIの計算で最も間違えやすい点です。
公正価値差額の償却(子会社の資産の含み益の費用化)とアップストリームの未実現利益は、子会社の利益から差し引いてからNCI持分を計算します。
ダウンストリームの未実現利益は、親会社の利益なので差し引きません。
NCIの表示
| 財務諸表 | 表示 | 誤りの選択肢のパターン |
|---|---|---|
| 連結貸借対照表 | 純資産の部に、親会社株主持分と区分して「非支配持分」として表示 | 「負債の部に表示」「親会社持分と合算」は誤り |
| 連結損益計算書 | 連結当期純利益を表示した上で、「親会社株主に帰属する当期純利益」と「非支配持分に帰属する当期純利益」に分けて表示 | 「NCI帰属分を費用として控除」は誤り(旧基準の処理) |
| 連結包括利益計算書 | 包括利益も同様に帰属先を分けて表示 | − |
2009年以降の米国基準(旧SFAS 160、現ASC
810)で、NCIは「少数株主持分(minority
interest)」として負債と資本の中間に表示する旧処理から、純資産の部に表示する現行処理に変わりました。
古い教材の「少数株主損益を控除」は現行では誤りです。
持分法と連結の使い分け、親会社の個別上の処理
持分割合が20〜50%(重要な影響力)なら持分法、50%超(支配)なら連結が原則。持分法では投資勘定を被投資会社の利益の持分割合だけ増やし(配当は減額)、損益計算書に「持分法による投資利益」を1行で表示する(one-line
consolidation)。親会社が個別上で子会社株式を原価法・持分法のどちらで記帳しても、連結修正仕訳で調整されるため、連結財務諸表の結果は同じになる。
持分法と連結の比較
| 項目 | 持分法(20〜50%) | 連結(50%超) |
|---|---|---|
| 基準 | ASC 323 | ASC 810 |
| 貸借対照表 | 投資勘定1行(取得原価+利益の持分−配当の持分) | 子会社の資産・負債を全額合算し、NCIを純資産に表示 |
| 損益計算書 | 「持分法による投資利益」1行 | 子会社の収益・費用を全額合算し、当期純利益を帰属先で分ける |
| 公正価値差額の償却 | 投資利益から差し引く | 各費用項目に追加する |
| 内部取引の未実現利益 | 持分割合分だけ消去 | 全額消去(アップストリームはNCIに按分) |
| のれん | 投資勘定に含まれる(区分表示しない) | 区分して計上 |
持分法は「1行連結(one-line
consolidation)」と呼ばれ、当期純利益と純資産への影響は連結と同じになります(表示の行数が違うだけ)。
持分法は「投資と金融商品」の論点として、Area IIで出題されます。
親会社の個別上の処理は連結結果に影響しない
| 親会社の記帳方法 | 個別上の投資勘定 | 連結修正仕訳での調整 | 連結財務諸表の結果 |
|---|---|---|---|
| 原価法 | 取得原価のまま。配当は受取配当金 | 取得後の子会社の利益剰余金の増加のうち親会社持分を連結利益剰余金に加算。受取配当金を消去 | 同じ |
| 持分法 | 取得後の利益で増加、配当で減少 | 持分法による投資利益と投資勘定の増加分を先に消去してから、取得日の仕訳 | 同じ |
「親会社がどの方法で記帳しているかは、連結財務諸表の結果に影響しない」が頻出です。
TBSで「親会社は原価法で記帳している」と指定された場合、投資勘定が取得原価のままであることに注意して、①の仕訳を書いてください。
連結に45時間かけても本番で30分使った筆者の失敗と練習法
筆者は連結に約45時間をかけたが、仕訳の意味を理解する講義と例題の確認に30時間を使い、白紙から5つの仕訳を全部書く練習は2周(約15時間)しかできなかった。本番のTBSでは、のれんとNCIの計算で合計が合わず修正を繰り返して30分を使った。今なら、理解に15時間・白紙から全部書く練習に30時間(10題以上)と配分を逆にする。
ここからは筆者の実体験です。
学習の実態と失敗
| 段階 | やったこと | 時間 | 振り返り |
|---|---|---|---|
| 講義・テキスト | 取得法・連結修正仕訳・NCIの講義を視聴し、例題を解説を見ながら確認 | 約20時間 | 「分かった」と思った。仕訳の意味は理解できた |
| MC演習 | 連結のMCを2周 | 約10時間 | MCは8割取れた。「連結は大丈夫」と誤解した |
| TBS演習 | 予備校のTBSを解説を見ながら2周 | 約15時間 | 白紙から全部書いたのは2周目の後半だけ。解説を見ながらの周回で「書ける」と思い込んだ |
| 本番 | 親子の個別財務諸表から連結修正仕訳を入力し、連結B/S・P/Lを穴埋めするTBS | 30分 | のれんの計算で公正価値差額を入れ忘れ、NCIの計算でアップストリームの未実現利益を差し引き忘れた。合計が合わず修正を繰り返した |
「MCが8割取れる」と「白紙から5つの仕訳を20分で書ける」は別の能力でした。
MCは「この仕訳は正しいか」を判断する問題で、TBSは「仕訳を自分で全部作る」問題です。
今なら変える練習法:「白紙から全部書く10題」
| 段階 | やること | 時間 | 目標 |
|---|---|---|---|
| ① 型の暗記 | のれんの算定式、CAR IN BIG、5つの仕訳の順番を白紙に書けるまで繰り返す |
5時間 | 3分で書ける |
| ② 数値例の反復 | この記事の数値例(取得対価800・NCI200・簿価700・土地100)で、5つの仕訳とNCIの期末残高を白紙から計算 | 5時間 | 15分で完成 |
| ③ 条件の変形 | 「親会社が持分法で記帳」「アップストリーム」「固定資産の内部売却」「割安購入益」と条件を変えた問題を白紙から解く | 15時間 | 各条件で仕訳の形の違いを即答 |
| ④ 本番形式 | 予備校のTBSを、解説を見ずに20分で解き切る練習を10題以上 | 15時間 | 20分で全設問に手が届く |
| ⑤ 誤答の型の分類 | 間違えた原因を「公正価値差額の入れ忘れ」「未実現利益の按分忘れ」「利益剰余金の取得日残高」などに分類し、チェックリスト化 | 5時間 | 本番前にチェックリストを見る |
| 合計 | 45時間 |
時間は同じ45時間でも、「解説を見ながら」を「白紙から」に変えるのが、連結を20分で解き切る練習法です。
TBSの解き方の型は「TBS(総合問題)の解き方」、本番の時間配分は「USCPA FARの時間配分と解答戦略|計算で時間を失わない型」で解説しています。
連結でよくある誤りのチェックリスト
| 誤り | 確認すること |
|---|---|
| のれんの計算で公正価値差額を入れ忘れる | 識別可能純資産は「簿価+公正価値差額」 |
| NCIを持分割合×簿価純資産で計算する | 米国基準は全部公正価値法。NCIは公正価値 |
| 取得後の利益剰余金を消去する | 消去するのは取得日の利益剰余金だけ |
| NCI帰属利益を子会社の当期純利益×持分割合で計算する | 公正価値差額の償却とアップストリームの未実現利益を差し引いてから |
| ダウンストリームの未実現利益をNCIに按分する | ダウンストリームは親会社の利益。NCIに影響しない |
| のれんを償却する | のれんは償却しない(減損のみ) |
| NCIを負債に表示する | 純資産の部に区分表示 |
監査法人で見た連結の実務|連結パッケージと相殺消去の確認
筆者が監査法人で担当した連結の監査は、①子会社から送られる連結パッケージ(個別財務諸表+親子間取引の明細)の照合
②親子間の債権債務・売上仕入の残高が両社で一致しているかの確認(不一致は未達取引として調整)③期末棚卸資産に残る内部仕入分の未実現利益の再計算、の3つが中心で、試験の連結修正仕訳③④がそのまま実務の手続きだった。
ここは筆者の実務経験です。
| 実務の手続き | 内容 | 試験の論点 |
|---|---|---|
| 連結パッケージの照合 | 子会社が提出する個別財務諸表と親子間取引明細を、子会社の監査人(または往査)で確認 | 連結の前提となる個別財務諸表の信頼性 |
| 親子間残高の突合 | 親会社の売掛金と子会社の買掛金を突合。差額は「未達取引(期末に一方だけが計上)」として調整 | 仕訳③債権債務の相殺 |
| 内部売上の突合 | 親会社の子会社向け売上と子会社の仕入を突合 | 仕訳④内部取引の消去 |
| 未実現利益の再計算 | 子会社の期末棚卸資産のうち親会社からの仕入分を特定し、親会社の利益率を掛けて未実現利益を再計算 | 仕訳④未実現利益の消去 |
| のれんの確認 | 取得時ののれんの算定(取得対価・識別可能純資産の公正価値評価)を評価報告書で確認 | 取得日の処理 |
| NCIの確認 | 子会社の当期純利益から公正価値差額の償却・未実現利益を調整した上でのNCI帰属額を再計算 | NCIの算定 |
実務で最も時間がかかるのは「未実現利益の再計算」で、子会社の期末棚卸資産のどれが親会社からの仕入分かを特定する作業です。
試験ではこの数字は問題文で与えられますが、実務では自分で特定します。
受験時に仕訳④を「なぜ棚卸資産から未実現利益を引くのか」まで理解しておくと、実務で連結パッケージを見たときにすぐ動けます。
監査法人での実務は「USCPAで監査法人に入る方法|採用要件・4つの入り方・選考対策」で書いています。
連結は「白紙から5つの仕訳を20分で書く」まで練習する
FARの連結は、取得日ののれんの算定式と、連結修正仕訳5つを「型」として白紙から書ける状態にすれば解けます。
非支配持分は、公正価値差額の償却とアップストリームの未実現利益を差し引いてから持分割合を掛ける、の1点で正確になります。
筆者は理解に時間をかけて白紙から書く練習を後回しにし、本番で30分を使いました。
「解説を見ながら」ではなく「白紙から全部書く」を10題以上こなすのが、連結を20分で解き切る唯一の方法です。
まず今日、この記事の数値例(取得対価800・NCI200・簿価700・土地100)で、CAR
IN BIGの仕訳を白紙に書くところから始めてみてください。
連結のTBSを本番形式で10題以上積みたい方は、アビタスの無料資料請求でFARのTBS対策教材の構成を取り寄せておくと、この記事の型を教材の演習に落とし込めます。
よくある質問(FAQ)
Q1. のれんはどう計算しますか?
取得対価の公正価値+非支配持分の公正価値−子会社の識別可能純資産の公正価値、で算定します。
識別可能純資産の公正価値は「簿価純資産+公正価値差額(土地・建物・無形資産等の含み損益)」で、簿価のまま計算すると誤ります。
米国基準は全部公正価値法なので、のれんは非支配持分分も含めて計上します。
取得対価とNCIの合計が識別可能純資産を下回る場合は、差額を割安購入益として取得日の利益に計上します。
Q2. CAR IN BIGとは何ですか?
投資と資本の相殺仕訳の覚え方です。
C(資本金)・A(資本剰余金)・R(利益剰余金)を借方で消去し、I(投資勘定)を貸方で消去、N(非支配持分)を貸方で計上、B(簿価から公正価値への調整)・I(識別可能無形資産)・G(のれん)を借方で計上します。
利益剰余金は取得日の残高を消去する点に注意してください。
この仕訳を白紙に3分で書けることが、連結の型の第一歩です。
Q3.
非支配持分の計算で毎回合いません。
子会社の当期純利益にそのまま持分割合を掛けていないか確認してください。
NCI帰属利益は「子会社の当期純利益−公正価値差額の償却−アップストリームの未実現利益」に持分割合を掛けて算定します。
ダウンストリーム(親→子)の未実現利益は親会社の利益なので差し引きません。
期末のNCIは「取得日の公正価値+NCI帰属利益−NCIへの配当」です。
Q4.
アップストリームとダウンストリームは何が違いますか?
ダウンストリームは親会社が子会社に販売した取引で、未実現利益は親会社の利益なのでNCIに影響しません。
アップストリームは子会社が親会社に販売した取引で、未実現利益は子会社の利益なので、消去額を親会社持分とNCIに持分割合で按分します。
どちらも内部売上と売上原価を相殺し、期末棚卸資産の未実現利益を消去する仕訳は同じですが、NCIへの影響だけが変わります。
Q5. のれんは償却しますか?
しません。
米国基準ではのれんは償却せず、減損テストのみを行います(減損テストの詳細はFARではなくBARの範囲です)。
一方、取得日に計上した公正価値差額(建物・設備・識別可能無形資産の含み益)は、残存耐用年数で償却し、各期の費用に追加します。
土地の公正価値差額は償却せず、売却時に消去します。
Q6.
親会社が原価法で記帳している場合と持分法の場合で、連結財務諸表は変わりますか?
変わりません。
親会社の個別上の記帳方法の違いは連結修正仕訳で調整されるため、連結財務諸表の結果は同じです。
原価法なら投資勘定は取得原価のままで、取得後の子会社の利益剰余金の増加のうち親会社持分を連結利益剰余金に加算します。
持分法なら投資勘定が取得後の利益で増えているため、持分法による投資利益と投資勘定の増加分を先に消去してから取得日の仕訳を行います。
Q7.
連結のTBSを20分で解くにはどう練習すればいいですか?
「解説を見ながら」ではなく「白紙から5つの仕訳を全部書く」練習を10題以上こなしてください。
筆者はMCが8割取れて「連結は大丈夫」と思いましたが、白紙から書く練習が2周しかできず、本番で30分を使いました。
型の暗記(3分で書ける)→数値例の反復(15分で完成)→条件の変形(持分法・アップストリーム・固定資産の内部売却)→本番形式10題→誤答の型のチェックリスト化、の順で45時間を配分するのが、今なら選ぶ練習法です。
まとめ:FAR連結会計は「のれんの式」と「5つの仕訳」を白紙から書く
この記事の要点を再掲します。
- 2026年のFARの連結は支配の判定・取得日ののれん・連結修正仕訳・NCIの表示が範囲。段階取得・のれんの減損・共通支配下はBAR
- のれんは取得対価+NCIの公正価値−識別可能純資産の公正価値(全部公正価値法)。投資と資本の相殺はCAR
IN BIG - 連結修正仕訳5つは①投資と資本の相殺(利益剰余金は取得日残高)
②公正価値差額の償却(のれんは償却しない) ③債権債務の相殺
④内部取引と未実現利益の消去(アップストリームはNCIに按分)
⑤配当の相殺 - NCIは「子会社の利益−公正価値差額の償却−アップストリームの未実現利益」×持分割合で帰属利益を算定し、純資産の部に区分表示
- 持分法は1行連結で結果は同じ。親会社の個別上の記帳方法(原価法・持分法)は連結結果に影響しない
- 筆者は理解に30時間・白紙から書く練習に15時間で本番30分。今なら配分を逆にして「白紙から全部書く10題」
- 実務では親子間残高の突合・未実現利益の再計算が連結監査の中心で、仕訳③④がそのまま手続きになる
連結は、仕訳の意味が分かることと、白紙から20分で書けることの間に大きな差がある論点です。
まず数値例でCAR IN
BIGの仕訳を白紙に書くところから始めてみてください。
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アビタス
総合評価

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CPA会計学院
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| 講義形式 | 日本語講義(会計知識前提) |
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