この記事でわかること
- USCPAの独占業務は何か(米国での監査報告書への署名など「証明業務」と、州ごとの範囲)
- 日本でUSCPAができないこと3つ(法定監査の監査報告書への署名、「公認会計士」の名称使用、税務代理)と、それぞれの根拠法
- 日本でUSCPAができること7つ(監査法人での監査業務、内部統制・SOC、FAS、経理・財務、US
GAAP/IFRSの決算支援、米国税務申告、コンサル) - 「独占業務がないから意味がない」が実務ではどう違うか、監査法人3年で見た「署名する人」と「監査する人」の役割分担
- USCPAから日本の公認会計士へ進む道(相互承認はなく試験が必要)と、独占業務を求める人・求めない人の判断基準
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月29日
「USCPAには独占業務がないと聞いたが本当か」「日本でUSCPAは何ができて何ができないのか」と調べている方に向けた記事です。
結論から言うと、USCPAの独占業務は「米国の州で監査報告書などの証明業務に署名すること」で、日本国内ではその独占業務は使えません。日本の法定監査の監査報告書に署名すること、「公認会計士」と名乗ること、税務代理を行うことの3つは、それぞれ公認会計士法・税理士法で日本の資格者に限られています。
一方で、監査法人で監査業務を行うこと、内部統制・FAS・経理財務・コンサルで働くこと、米国の税務申告書を作成することは、USCPAで問題なくできます。
筆者は監査法人で3年間、USCPAとして監査チームの一員でしたが、監査報告書に署名するのは日本の公認会計士のパートナーで、筆者を含む多くのスタッフは「署名しないが監査する人」でした。
この記事では、公認会計士法・税理士法・米国各州の規定を一次情報として、USCPAの独占業務の範囲、日本でできること・できないこと、独占業務を求める人・求めない人の判断基準を、監査法人での実体験と合わせて解説します。
USCPAの全体像は「USCPAとは?試験・受験資格・費用・キャリアの全体像ガイド」で扱っているので、本記事は「独占業務と日本での業務範囲」に絞ります。
USCPAの独占業務とは?米国での「証明業務への署名」
USCPAの独占業務は、米国の各州法に基づき、財務諸表の監査(audit)・レビュー(review)などの証明業務(attest
services)を行い、その報告書に署名すること。ライセンスを取得した州(および相互承認による他州)で有効で、州外・国外では自動的には通用しない。
まず、米国でのUSCPAの独占業務を整理します。
| 業務 | 内容 | USCPAの独占か |
|---|---|---|
| 監査(audit) | 財務諸表が会計基準に準拠しているかについて、合理的な保証を与える意見を表明する | ○ ライセンス保有者(および登録した会計事務所)のみ |
| レビュー(review) | 監査より限定的な手続きで、限定的保証を与える | ○ 同上 |
| 合意された手続き(agreed-upon procedures)等の証明業務 | 特定の項目について手続きを実施し、結果を報告する | ○ 州により範囲が異なる |
| コンピレーション(compilation) | 財務諸表の作成を支援し、保証は与えない | △ 州によりCPAの登録が必要 |
| 「CPA」の名称使用 | 名刺・報告書等でCPAと名乗る | ○ ライセンス保有者のみ(州法で名称使用を制限) |
| 税務申告書の作成・IRSへの代理 | 連邦税の申告書作成、IRS(内国歳入庁)に対する納税者の代理 | △ 独占ではない。CPAのほか弁護士・EA(登録税務代理人)も可。ただしCPAは無制限の代理権を持つ |
| 経理・財務・コンサル | 企業の経理、財務分析、内部統制構築、M&A支援等 | × 独占ではなく、誰でも行える |
出典:ワシントン州会計委員会、AICPA(2026年8月29日確認)。証明業務の範囲・登録要件は州法により異なります。
ポイントは3つです。
- 独占業務の中心は「証明業務への署名」。監査報告書に署名して意見を表明できるのは、ライセンスを持つCPAだけ
- 独占業務は州ごと。ライセンスを取得した州で有効で、他州で証明業務を行うには相互承認(mobility)の手続きや登録が必要
- 「CPA」の名称も州法で保護される。ライセンスなしに「CPA」と名乗ることは、米国では州法違反になる
つまり、USCPAの独占業務は「米国の州で、監査報告書に署名すること」であり、日本国内で自動的に使える権限ではありません。
ライセンスの取得と州の関係は「USCPAライセンス取得の要件と流れ|合格後にやること」、Inactiveの場合の名乗り方は「USCPAのInactive化で維持費節約|条件・手続き・戻し方」で解説しています。
日本でUSCPAができないこと3つ|監査報告書への署名・名称・税務代理
日本でUSCPAができないのは、①会社法・金融商品取引法の法定監査で監査報告書に署名すること(公認会計士法で日本の公認会計士・監査法人に限定)
②「公認会計士」と名乗ること(公認会計士法の名称使用制限。「米国公認会計士」「USCPA」の表記は可)
③税務代理・税務書類の作成・税務相談(税理士法で税理士に限定)の3つである。
日本でUSCPAが「できないこと」を、根拠法とともに整理します。
| できないこと | 根拠法 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|---|
| ① 法定監査の監査報告書への署名 | 公認会計士法第2条第1項・第47条の2 | 財務書類の監査証明業務は、公認会計士または監査法人でなければ行えない | 監査チームの一員として監査手続きを行うことは可(署名者が日本の公認会計士であればよい) |
| ② 「公認会計士」の名称使用 | 公認会計士法第48条 | 公認会計士でない者は「公認会計士」またはこれに紛らわしい名称を使用してはならない | 「米国公認会計士」「USCPA」「U.S. CPA」と明記すれば可。「公認会計士(米国)」のような紛らわしい表記は避ける |
| ③ 税務代理・税務書類の作成・税務相談 | 税理士法第2条・第52条 | 日本の税務に関する代理・書類作成・相談は税理士(および税理士法人)の独占 | 米国税務(連邦税・州税)の申告書作成は日本の税理士法の対象外。企業の経理担当として自社の申告書を作成することは可 |
出典:公認会計士法、税理士法(e-Gov法令検索、2026年8月29日確認)
①「監査報告書に署名できない」は「監査ができない」ではない
最も誤解が多いのが①です。
日本の法定監査で監査報告書に署名し、監査意見を表明できるのは日本の公認会計士(業務執行社員)ですが、監査そのもの(監査計画の立案、内部統制の評価、実証手続き、監査調書の作成)は、監査法人のスタッフとして行えます。
筆者が監査法人にいた3年間、監査チームの構成は次のようなものでした。
| 役割 | 資格 | 監査報告書への署名 |
|---|---|---|
| 業務執行社員(パートナー) | 日本の公認会計士 | ○ 署名する |
| マネージャー | 日本の公認会計士(またはUSCPA) | × |
| シニア・スタッフ | 日本の公認会計士、USCPA、公認会計士試験合格者、無資格 | × |
署名するのはパートナー1〜2名で、チームの大半は「署名しないが監査する人」です。
USCPAが監査法人で行う業務は、日本の公認会計士のシニア・スタッフと実務上ほとんど変わりません。
監査法人での働き方は「USCPAで監査法人に入る方法|採用要件・4つの入り方・選考対策」で解説しています。
②名称は「米国公認会計士」「USCPA」なら問題ない
公認会計士法第48条は、公認会計士でない者が「公認会計士」またはこれに紛らわしい名称を使うことを禁じています。
「米国公認会計士」「USCPA」「U.S.
CPA」と明記すれば、米国の資格であることが明確なので問題ありません。
避けるべきは「公認会計士(米国)」「CPA」だけの表記など、日本の公認会計士と誤認される可能性がある書き方です。
名刺・履歴書の書き方は「USCPAの正式名称・読み方|名刺・履歴書での正しい書き方」で整理しています。
③日本の税務代理はできないが、米国税務はできる
税理士法により、日本の税務に関する代理・書類作成・相談は税理士の独占です。
USCPAが日本で「税務顧問」として顧客の日本の申告書を作成したり、税務相談を受けたりすることはできません。
ただし、米国の連邦税・州税の申告書作成やIRSへの代理は、日本の税理士法の対象外です。
日本在住の米国市民・グリーンカード保有者の米国税務申告、日系企業の米国子会社の税務対応などは、USCPAが行える領域です。
税務のキャリアは「USCPAで税務のキャリアを築く|税理士法人・国際税務」で解説しています。
日本でUSCPAができること7つ|独占業務がなくても仕事はある
日本でUSCPAができるのは、①監査法人での監査業務(署名以外)
②内部統制・J-SOX/US-SOX・SOC報告書の評価
③FAS(財務デューデリジェンス・企業価値評価) ④事業会社の経理財務・経営企画
⑤US GAAP・IFRSの決算支援・海外子会社管理 ⑥米国税務申告
⑦会計・業務系コンサルの7つ。いずれも「独占業務」ではないが、USCPAが採用要件や評価基準になっている領域である。
「できること」を、USCPAの効き方とともに整理します。
| できること | 内容 | USCPAの効き方 |
|---|---|---|
| ① 監査法人での監査業務 | 監査計画・内部統制評価・実証手続き・監査調書の作成。署名以外のすべて | BIG4の中途採用要件(USCPA全科目合格)を満たす。日本の公認会計士のスタッフと同じ業務 |
| ② 内部統制・SOC | J-SOX・US-SOXの統制構築・評価、SOC1/SOC2報告書の支援 | 米国基準(COSO・PCAOB)の理解がそのまま活きる |
| ③ FAS | 財務デューデリジェンス、企業価値評価、PMI支援 | 会計・財務分析の資格として応募要件を満たす |
| ④ 事業会社の経理財務・経営企画 | 決算、連結、開示、予算、IR | 会計の専門性の証明。海外子会社を持つ企業で特に評価される |
| ⑤ US GAAP・IFRSの決算支援・海外子会社管理 | 米国親会社への報告、海外子会社の決算レビュー、基準差異の調整 | US GAAPを体系的に学んだ資格として直接的に活きる |
| ⑥ 米国税務申告 | 日本在住の米国市民・グリーンカード保有者の申告、米国子会社の税務対応 | 日本の税理士法の対象外で、USCPAが行える |
| ⑦ 会計・業務系コンサル | 会計システム導入、決算早期化、経理BPR、内部統制構築 | 会計の言葉でクライアントと話せる証明 |
「独占業務がない」と「仕事がない」は別の話です。
筆者が監査法人からコンサルに移った後も、USCPAは「会計の専門家として提案書に名前を載せられる」「クライアントの経理部長と対等に話せる」という形で、業務の前提になっています。
活かし方の全体像は「USCPAの取得メリット7つと活かし方|デメリットも正直に解説」、転職先の一覧は「USCPAの転職先一覧と選び方」で解説しています。
「独占業務がないから意味がない」への筆者の答え
「USCPAは日本で独占業務がないから意味がない」という意見は、検索すると必ず出てきます。
筆者の答えは、「監査法人で署名するのはパートナーだけで、日本の公認会計士の大半も『署名しない会計士』として働いている」というものです。
日本の公認会計士も、監査法人を出て事業会社・コンサル・FASに移れば独占業務は使いません。
独占業務が直接効くのは「監査法人のパートナーになる」か「個人で監査事務所・税理士事務所を開く」という2つの道で、それ以外のキャリアでは、日本の公認会計士もUSCPAも「会計の専門性の証明」として資格を使っています。
「意味がない」と言われる理由の詳細は「USCPAは意味ない?と言われる理由と実態」で扱っています。
USCPAから日本の公認会計士へ進めるか|相互承認はなく試験が必要
USCPAと日本の公認会計士の間に相互承認制度はなく、USCPAが日本の公認会計士になるには、公認会計士試験(短答式・論文式)に合格し、実務経験と実務補習を経て登録する必要がある。USCPAによる科目免除はない。逆に、日本の公認会計士がUSCPAを取る場合も、4科目すべての受験が必要である。
「USCPAを取れば、日本の公認会計士に近道があるのでは」という質問に答えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相互承認 | なし。日本の公認会計士とUSCPAの間に、資格の互換・科目免除の制度はない |
| USCPA→日本の公認会計士 | 公認会計士試験(短答式4科目・論文式5科目)に合格→実務経験3年→実務補習・修了考査→登録。USCPAによる免除はない |
| 日本の公認会計士→USCPA | 4科目すべて受験が必要。試験免除はない(受験資格の単位は日本の公認会計士の学歴で満たせることが多い) |
| 実務上の接点 | 監査法人ではUSCPAの実務経験が「監査実務」として、日本の公認会計士登録に必要な実務経験に数えられる場合がある(要件は日本公認会計士協会で確認) |
出典:公認会計士法、日本公認会計士協会(2026年8月29日確認)
日本で独占業務(法定監査の署名・税務代理)を行いたいなら、日本の公認会計士または税理士の資格が必要で、USCPAはその代わりにはなりません。
ただし、監査法人でUSCPAとして積んだ監査実務が、日本の公認会計士登録に必要な実務経験として認められる場合があるため、「USCPAで監査法人に入り、働きながら公認会計士試験を受ける」という道を選ぶ人もいます。
日本の公認会計士との比較は「USCPAと日本の公認会計士の違い|どっちを取るべき?」、税理士との比較は「USCPAと税理士の違い」で解説しています。
監査法人3年で見た「署名する人」と「監査する人」の役割分担
筆者が監査法人で3年間見た実態は、監査報告書に署名するパートナーは日本の公認会計士だが、監査手続きの大半を担うシニア・スタッフは日本の公認会計士・USCPA・試験合格者が混在し、業務内容に資格による差はなかった。USCPAが差別化されたのは、US
GAAPの論点と英文の監査調書が必要な海外関連案件だった。
ここからは筆者の実体験です。
監査チームの実態
筆者が配属された監査チームは、パートナー1名(日本の公認会計士)、マネージャー2名(日本の公認会計士1名・USCPA1名)、シニア・スタッフ8名(日本の公認会計士3名・USCPA2名・公認会計士試験合格者2名・無資格1名)という構成でした。
| 観点 | 実態 |
|---|---|
| 監査報告書への署名 | パートナーのみ。筆者を含むスタッフは3年間、一度も署名に関わらない |
| 業務内容 | 資格による差はない。日本の公認会計士のスタッフもUSCPAのスタッフも、同じ監査手続きを担当 |
| 評価 | 監査手続きの質・クライアント対応・チーム貢献で評価。資格の種類は評価項目にない |
| USCPAが差別化された場面 | 米国親会社への報告パッケージ(US GAAP)のレビュー、英文の監査調書、海外子会社の往査 |
| 日本の公認会計士が差別化された場面 | 監査報告書のドラフト、会社法・金商法の開示チェック、監査役との協議 |
独占業務の有無が日常の業務に影響したのは、「監査報告書のドラフトを誰が書くか」程度でした。
「署名しない会計士」であることをどう受け止めたか
入所1年目、「自分は署名できない」ことを意識した場面が一度だけありました。
監査報告書の提出日に、パートナーが署名する場に同席したときです。
ただし、その署名に至るまでの監査手続き(内部統制の評価、売上の実証手続き、棚卸の立会、監査調書のレビュー対応)は、筆者を含むチーム全員で行ったもので、「署名する人」と「監査する人」は分業だと実感しました。
独占業務は「パートナーになるかどうか」で意味を持つもので、スタッフの3年間には関係がなかった、というのが筆者の実感です。
その後、コンサルに移ってからは、独占業務を意識する場面はありません。
監査法人での3年間は「USCPAで監査法人に入る方法|採用要件・4つの入り方・選考対策」の体験談で、コンサルへの転職は「USCPAでコンサルに転職|監査法人3年から移った筆者の体験談」で書いています。
独占業務を求める人・求めない人の判断基準
独占業務が必要なのは、①監査法人のパートナーとして監査報告書に署名したい人
②個人で監査事務所・税理士事務所を開業したい人
③日本の税務顧問として独立したい人の3つで、この場合は日本の公認会計士または税理士が必要。それ以外(監査法人のスタッフ〜マネージャー、事業会社、コンサル、FAS、外資系、海外)では、USCPAで業務上の制約はない。
判断表で整理します。
| あなたの目標 | 独占業務は必要か | 必要な資格 |
|---|---|---|
| 監査法人のパートナーとして監査報告書に署名する | ○ 必要 | 日本の公認会計士 |
| 個人で監査事務所を開業する | ○ 必要 | 日本の公認会計士 |
| 日本の税務顧問として独立する | ○ 必要 | 税理士(または日本の公認会計士→税理士登録) |
| 監査法人のスタッフ〜マネージャーとして監査業務を行う | × 不要 | USCPAで可 |
| 事業会社の経理財務・経営企画・CFO | × 不要 | USCPAで可 |
| コンサル・FAS・内部統制 | × 不要 | USCPAで可 |
| 外資系企業・海外拠点・海外就職 | × 不要 | USCPAが直接効く |
| 米国の税務申告・米国子会社の税務対応 | × 日本の税理士法の対象外 | USCPAで可 |
| 日本在住の米国市民向けの税務サービス | × 同上 | USCPAで可 |
「日本で独占業務を使って独立したい」人以外は、USCPAで業務上の制約はほぼありません。
逆に、監査法人のパートナーや日本での独立開業を目指すなら、USCPAではなく日本の公認会計士・税理士を目指すか、USCPAで監査法人に入ってから公認会計士試験を受ける道を検討してください。
資格の選び方は「USCPAと日本の公認会計士の違い|どっちを取るべき?」、独立の道は「USCPAで独立・フリーランスはできる?」で解説しています。
独占業務の有無ではなく「どこで働くか」で資格を選ぶ
USCPAの独占業務は米国の州で監査報告書に署名することで、日本国内ではその権限は使えません。
日本の法定監査の署名・「公認会計士」の名称・税務代理の3つは日本の資格者に限られますが、監査法人での監査業務、内部統制、FAS、経理財務、US
GAAP/IFRSの決算支援、米国税務、コンサルはUSCPAで問題なく行えます。
そして、日本の公認会計士も、パートナーと独立開業者以外の大半は「署名しない会計士」として働いています。
これから資格を選ぶ方は、「独占業務があるか」ではなく「3〜5年後にどこで働きたいか」を先に決め、その場所で求められる資格を逆算してください。
予備校を比較してから決めたい方は「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」を、自分の目標にUSCPAで足りるか日本の公認会計士が必要かを相談したい方はアビタスの無料説明会で「USCPAでできる仕事の範囲」を聞いておくと、日本の公認会計士との比較も含めて判断材料が揃います。
よくある質問(FAQ)
Q1.
USCPAの独占業務は何ですか?
米国の各州法に基づき、財務諸表の監査・レビューなどの証明業務を行い、その報告書に署名することです。
ライセンスを取得した州で有効で、州外・国外では自動的には通用しません。
「CPA」の名称も州法で保護されており、ライセンスなしに名乗ることはできません。
税務申告書の作成やIRSへの代理は、CPAのほか弁護士・EAも行えるため、独占業務ではありません。
Q2.
USCPAは日本で監査報告書に署名できますか?
できません。
会社法・金融商品取引法の法定監査で監査報告書に署名し、監査意見を表明できるのは、公認会計士法に基づき日本の公認会計士・監査法人に限られます。
ただし、監査法人のスタッフ〜マネージャーとして監査手続き(監査計画・内部統制評価・実証手続き・監査調書の作成)を行うことはでき、日本の公認会計士のスタッフと業務内容は変わりません。
署名するのはパートナー1〜2名で、チームの大半は「署名しない会計士」です。
Q3.
USCPAは日本で「公認会計士」と名乗れますか?
「公認会計士」単独では名乗れません。
公認会計士法第48条により、公認会計士でない者が「公認会計士」またはこれに紛らわしい名称を使うことは禁じられています。
「米国公認会計士」「USCPA」「U.S.
CPA」と明記すれば、米国の資格であることが明確なので問題ありません。
「公認会計士(米国)」「CPA」だけの表記は、日本の公認会計士と誤認される可能性があるため避けてください。
Q4.
USCPAは日本で税務の仕事ができますか?
日本の税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士法により税理士の独占なので、USCPAは行えません。
一方、米国の連邦税・州税の申告書作成やIRSへの代理は日本の税理士法の対象外で、USCPAが行えます。
日本在住の米国市民・グリーンカード保有者の申告、日系企業の米国子会社の税務対応、税理士法人での国際税務(税理士の監督下)などが、USCPAの税務領域です。
Q5.
USCPAを持っていれば日本の公認会計士試験は免除されますか?
免除されません。
USCPAと日本の公認会計士の間に相互承認制度はなく、日本の公認会計士になるには公認会計士試験(短答式・論文式)に合格し、実務経験と実務補習を経て登録する必要があります。
ただし、監査法人でUSCPAとして積んだ監査実務が、公認会計士登録に必要な実務経験として認められる場合があります。
要件は日本公認会計士協会で確認してください。
Q6.
独占業務がないUSCPAは意味がないのですか?
意味はあります。
日本で独占業務が直接効くのは「監査法人のパートナーになる」「個人で監査事務所・税理士事務所を開く」という道で、それ以外のキャリア(監査法人のスタッフ〜マネージャー、事業会社、コンサル、FAS、外資系、海外)では、日本の公認会計士も独占業務を使わずに「会計の専門性の証明」として資格を使っています。
筆者は監査法人で3年間、USCPAとして日本の公認会計士のスタッフと同じ監査業務を行い、コンサルに移ってからも独占業務を意識する場面はありません。
Q7.
米国で監査報告書に署名するにはどうすればいいですか?
ライセンスを取得した州で、証明業務を行う会計事務所に所属し、州の規定に従って署名権限を持つ必要があります。
日本の監査法人に所属したまま米国の監査報告書に署名することは、通常はできません。
米国の会計事務所で働く、または米国に会計事務所を登録することが前提になります。
日本在住のUSCPAの大半は、米国での署名を前提にせず、日本国内での会計・監査・コンサルの専門性の証明として資格を使っています。
まとめ:USCPAの独占業務は米国の署名権、日本では「専門性の証明」として使う
この記事の要点を再掲します。
- USCPAの独占業務は、米国の州で監査・レビューなどの証明業務に署名すること。ライセンスを取得した州で有効で、日本国内では使えない
- 日本でできないのは①法定監査の監査報告書への署名(公認会計士法)
②「公認会計士」の名称使用(第48条。「米国公認会計士」「USCPA」は可)
③税務代理(税理士法)の3つ - 日本でできるのは監査法人での監査業務・内部統制/SOC・FAS・経理財務・US
GAAP/IFRS決算支援・米国税務申告・コンサルの7つ。いずれもUSCPAが採用要件や評価基準になる - USCPAと日本の公認会計士に相互承認・科目免除はない。監査法人での監査実務が公認会計士登録の実務経験に認められる場合はある
- 筆者が監査法人で見た実態は、署名するのはパートナーだけで、スタッフの業務に資格による差はなかった。USCPAが差別化されたのはUS
GAAP・英文調書の海外関連案件 - 独占業務が必要なのはパートナー・監査事務所の開業・日本の税務顧問の3つ。それ以外はUSCPAで業務上の制約はない
独占業務の有無は、「監査法人のパートナーになるか、日本で独立するか」を目指す人にだけ効く論点です。
それ以外のキャリアでは、日本の公認会計士もUSCPAも「会計の専門性の証明」として資格を使っています。
まず自分が3〜5年後にどこで働きたいかを決めて、そこで求められる資格を逆算するところから始めてみてください。
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