この記事でわかること
- USCPAの維持費の3つの内訳(ライセンス更新料・CPE(継続教育)費用・任意の年会費)と、3年サイクルでの実額
- ワシントン州の更新料230ドル・CPE120時間(3年)・倫理4時間という要件の一次情報と期限のルール
- ワシントン州ライセンスを持つ筆者が実際に払っている維持費(3年で約15万円)の内訳
- CPEを安く済ませる方法と、Inactive(休止)にした場合の維持費の変化
- 日本の公認会計士・税理士の維持費との比較で見る、USCPAの維持コストの位置づけ
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月28日
「USCPAは取った後にいくらかかるのか」は、ライセンスを取るかどうかの判断に直結する疑問です。
結論から言うと、USCPAの維持費は、筆者(ワシントン州ライセンス)の場合で3年あたり約15万円(年間約5万円)です。
内訳は、州への更新料230ドル(3年に1回)と、CPE(継続教育)120時間分のオンライン講座費用で、任意の年会費(AICPA等)を加えなければこの水準に収まります。
USCPAは州ごとに更新料とCPE要件が違うため、この記事ではワシントン州を軸に一次情報(州会計委員会の規定)を整理し、筆者の実額と、維持費を抑える方法まで解説します。
USCPAの維持費とは?3つの内訳と3年サイクルの実額
USCPAの維持費とは、①州への更新料 ②CPE(継続専門教育)の受講費用
③AICPA等の任意の年会費の3つで構成される。必須なのは①②で、ワシントン州の場合、3年サイクルで更新料230ドル+CPE120時間分の費用(約700〜900ドル)が目安である。
まず全体像を表にします。
| 内訳 | 必須/任意 | ワシントン州の金額(2026年8月時点) | 3年あたりの目安(1ドル157円) |
|---|---|---|---|
| ①ライセンス更新料 | 必須 | 230ドル(3年に1回)。4月30日を過ぎると遅延料100ドル加算 | 約3.6万円 |
| ②CPE受講費用 | 必須 | 120時間/3年。オンラインの年間定額サービスで年200〜300ドル程度 | 約9.4万〜14万円 |
| ③AICPA年会費 | 任意 | 会員区分により異なる(数百ドル/年、要確認)。ライセンス維持には不要 | 0円(未加入の場合) |
| 合計(①+②) | 約13万〜18万円/3年(年間4.3万〜6万円) |
ポイントは、ライセンスの維持にAICPAへの加入は不要という点です。
「USCPAは年会費が高い」というイメージは、AICPAや州の会計士協会(任意団体)の会費を含めた場合の話で、州のライセンスだけを維持するなら更新料とCPE費用で足ります。
ライセンス取得までの流れは「USCPAライセンス取得の要件と流れ|合格後にやること」で、取得にかかる費用(申請料・倫理試験など)は同記事で扱っています。
ワシントン州の更新料とCPE要件は?一次情報で確認
ワシントン州のライセンスは3年ごとに更新し、更新料は230ドル。更新の前提として、3年間で120時間のCPE(毎年最低20時間、うち州認定の倫理4時間)を完了する必要がある。CPEは更新年の前年12月31日までに完了し、更新申請は4月30日が期限である。
ワシントン州会計委員会(Washington State Board of
Accountancy)の規定(WAC 4-30-134等)に基づく要件を整理します。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 更新サイクル | 3年ごと。有効期限は更新年の6月30日 |
| 更新料 | 230ドル。5月1日〜6月30日の遅延申請は100ドル加算 |
| CPE総時間 | 3年間で120時間 |
| 年間の最低時間 | 各暦年に最低20時間 |
| 倫理(Ethics) | 州が認定したワシントン州倫理・規則の講座を4時間(120時間に含まれる) |
| 非技術科目の上限 | 60時間まで(コミュニケーション・自己啓発など) |
| ナノラーニングの上限 | 12時間まで |
| CPEの完了期限 | 更新年の前年12月31日(例:2026年6月30日満了なら2023〜2025年のCPEを2025年12月31日までに完了) |
| 更新申請 | 更新年の1月1日から受付、4月30日が期限。7月1日に失効 |
| 繰り越し | 不可 |
| 延長 | 更新申請時にCPE延長を申請可(連続する2サイクルで1回まで) |
見落としやすいのは「毎年最低20時間」のルールです。
「3年目にまとめて120時間」はできず、1年でも20時間を下回ると延長申請が必要になります。
筆者も1年目にこれを知らず、年末に慌てて20時間分を受講した経験があります。
なお、他州の要件は異なります(例:CPE年40時間の州、倫理の時間数が違う州など)。
他州でライセンスを取る場合は、出願州の会計委員会のCPEページで要件を確認してください。
筆者が実際に払っているUSCPAの維持費を公開
ワシントン州ライセンスを持つ筆者の維持費は、直近の3年サイクルで更新料230ドル+CPE費用約750ドルの合計約980ドル(約15万円)。CPEはオンラインの年間定額サービスで120時間を取得し、倫理4時間は州認定の講座を別途受講した。
ここからは、筆者の実額です。
3年サイクルの内訳
| 項目 | 筆者の実額 | 補足 |
|---|---|---|
| ライセンス更新料 | 230ドル(3年に1回) | オンラインで申請。期限内なので遅延料なし |
| CPE(技術科目) | 年間約250ドル×3年=約750ドル | オンラインの年間定額(無制限受講)サービスを利用。会計・監査・税務の講座で年40時間前後 |
| 倫理4時間(ワシントン州認定) | 定額サービスに含まれる講座を利用(単体で購入する場合は数十ドル程度) | 完了年に対応した版を受講 |
| AICPA・州協会の年会費 | 0ドル | 未加入 |
| 合計 | 約980ドル(約15万円)/3年、年間約5万円 | 為替により変動 |
実際にやっている運用
筆者は監査法人3年目にライセンスを取得し、コンサルに転職した後も維持しています。
運用は次のとおりです。
- 年初に年間定額のオンラインCPEサービスを契約する(海外の大手プロバイダー。日本語講座はないが、会計英語に慣れたUSCPAなら問題ない)
- 四半期ごとに10時間ずつ受講し、毎年12月までに40時間前後を確保する(年20時間の最低ラインを余裕をもって超える)
- 受講記録を州のオンラインシステム(SecureAccess
Washington)に随時登録する(更新時にまとめて入力すると漏れが出る) - 倫理講座は更新サイクル内に1回、完了年に対応した版を受ける
年間約5万円という金額は、コンサルの実務でUS
GAAP・IFRSの最新論点を追う勉強代と考えれば、筆者にとっては負担というより投資に近い感覚です。
一方で、監査法人にいた頃は法人内の研修がCPEとして認められる部分があり、外部サービスの費用はもっと少なくて済んでいました。
勤務先の研修がCPEに使えるかどうかで、実額は年数万円変わります。
CPEの具体的な取り方は「USCPAとIFRS検定|どっちが実務で使える?」で詳しく解説しています。
CPE費用を抑える4つの方法
CPE費用は、①年間定額のオンラインサービス ②勤務先の研修の活用
③無料ウェビナーの併用
④非技術科目の上限内での安価な講座、で年200ドル前後まで抑えられる。講座単体の都度購入は最も割高になる。
CPEは受け方によって費用が数倍変わります。
| 方法 | 年間費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ①オンラインの年間定額サービス(無制限) | 200〜300ドル | 最も一般的。講座数が多く、倫理講座も含まれることが多い |
| ②勤務先の社内研修 | 0円 | 監査法人・大手事業会社の研修はNASBA/州基準を満たせばCPE算入可。証明書の保管が必要 |
| ③予備校・ソフトベンダーの無料ウェビナー | 0円 | 単発で1〜2時間。年20時間の最低ラインの補助に |
| ④講座を都度購入 | 1時間あたり20〜50ドル | 120時間を都度購入すると数千ドルになり最も割高 |
筆者は①を軸に、コンサルの社内研修で要件を満たすものがあれば②で補っています。
注意点は、CPEとして認められるかは講座の内容・提供者・証明書の有無で決まることです。
「勉強になった」だけでは算入できないので、受講前にNASBA登録の提供者か、州の基準を満たすかを確認してください。
Inactive(休止)にすると維持費はどう変わる?
ワシントン州ではライセンスをInactive(休止)にすると、CPEは3年で倫理4時間のみになり、更新料は必要。実務は行えず、名刺には「CPA-Inactive」と表記する。実務から離れる期間が長い人の維持費を大きく下げる選択肢である。
「使っていないのに年5万円払い続けるのか」という方には、Inactiveという選択肢があります。
| 状態 | CPE要件(ワシントン州) | 更新料 | できること | 名刺の表記 |
|---|---|---|---|---|
| Active | 120時間/3年(倫理4時間含む) | 230ドル/3年 | 会計・監査・税務の業務を提供できる | USCPA、米国公認会計士 |
| Inactive | 州認定の倫理4時間/3年のみ | 更新料が必要(金額は州の料金表で要確認) | 実務は不可。称号は保持 | CPA-Inactive等、州の規則に従う |
| 失効(Lapsed) | − | − | 称号を使えない。復活には再申請と不足CPEの補完が必要 | 記載不可 |
InactiveにするとCPE費用がほぼゼロになるため、育児・海外赴任・会計以外の職種への転職などで実務から離れる期間は、維持費を年数千円レベルまで下げられます。
ただし、Activeに戻す際は、戻す年によって80時間または40時間のCPE(倫理4時間含む)を事前に完了する必要があります(WAC
4-30-134)。
「失効させてしまう」のは最も避けたい選択です。
復活には再申請と不足分のCPEが必要で、Inactiveで維持するより手間も費用もかかります。
Inactiveの判断基準と手続きは「USCPAのInactive化で維持費節約|条件・手続き・戻し方」で解説しています。
日本の公認会計士・税理士と比べて維持費は高い?安い?
USCPAの維持費(年間4万〜6万円)は、日本の公認会計士(協会会費・地域会会費で年間10万円前後)や税理士(税理士会会費で年間10万円前後、地域により差)より低い水準にある。ただしUSCPAは英語のCPEを自分で確保する手間がかかる。
他の会計資格と比較すると、USCPAの維持費の位置づけが見えます。
| 資格 | 主な維持費の項目 | 年間の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| USCPA(ワシントン州) | 更新料230ドル/3年+CPE120時間/3年 | 約4万〜6万円 | 任意団体の会費を加えなければこの水準 |
| 日本の公認会計士 | 日本公認会計士協会の会費+地域会会費+CPE(継続的専門研修)40単位/年 | 約10万円前後 | 協会・地域会の会費が中心(金額は会員区分による、要確認) |
| 税理士 | 税理士会の会費+研修36時間/年 | 約10万円前後(地域により差) | 支部会費などが加わる場合あり |
| CIA(公認内部監査人) | 会員費+CPE40時間/年 | 数万円 | 日本内部監査協会の会員区分による |
USCPAは、日本の資格と違って日本国内に登録団体がなく、会費という固定費がないため、維持費は相対的に低くなります。
一方で、CPEは日本語の講座がほぼなく、自分で英語のオンライン講座を選んで受講記録を管理する手間がかかります。
資格同士の比較は「USCPAと日本の公認会計士の違い|どっちを取るべき?」と「USCPAと税理士どっち?」をご覧ください。
維持費まで含めて「取る価値」を判断する
USCPAの維持費は、ワシントン州の場合で年間4万〜6万円、Inactiveなら年数千円レベルです。
取得費用(約100万円)と比べれば小さい額ですが、「取った後に使うか」を決めていないと、年5万円が重く感じられます。
筆者は、コンサルでUS
GAAP・IFRSを扱う実務があるため、CPEを「維持のための義務」ではなく「最新論点の勉強代」として使えています。
これからUSCPAを目指す方は、取得費用だけでなく、ライセンスを取った後の維持費と活かし方まで含めて、全体像を確認してから判断してください。
取得までの費用は「USCPAの費用総額|予備校・受験料・出願費の内訳と試算表」で、資格の活かし方は「USCPAの取得メリット7つと活かし方|デメリットも正直に解説」でまとめています。
予備校を比較してから決めたい方は「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」を、まず1社の資料で取得からライセンスまでの流れを見たい方はアビタスの無料資料請求をどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q1.
USCPAの維持費は年間いくらですか?
ワシントン州ライセンスの場合、年間約4万〜6万円が目安です。
内訳は3年に1回の更新料230ドル(約3.6万円)と、3年で120時間のCPE(継続教育)をオンラインの年間定額サービスで取得する費用(年200〜300ドル)です。
筆者の実額は3年で約980ドル(約15万円)でした。
AICPAや州の会計士協会への加入は任意で、ライセンス維持には不要です。
Q2.
CPEとは何ですか?何時間必要ですか?
CPE(Continuing Professional
Education)は、ライセンス保有者に課される継続専門教育で、会計・監査・税務などの講座を受講して単位(時間)を積み上げます。
ワシントン州では3年間で120時間、毎年最低20時間、うち州認定の倫理講座4時間が必要です。
州によって時間数や倫理の要件は異なるため、自分の出願州の会計委員会で確認してください。
取り方の詳細は「USCPAとIFRS検定|どっちが実務で使える?」で解説しています。
Q3.
AICPAには入らないといけませんか?
入らなくてもライセンスは維持できます。
AICPA(米国公認会計士協会)は任意加入の団体で、会員になると会報・CPE割引・ネットワークなどの特典がありますが、州のライセンス更新の要件ではありません。
筆者は未加入で、維持費は更新料とCPE費用のみです。
年会費は会員区分により異なるため、加入を検討する場合はAICPA公式で最新額を確認してください。
Q4.
CPEを日本語で受けられますか?
日本語のCPE講座はほぼありません。
CPEは州の基準を満たす提供者(NASBA登録など)の講座である必要があり、主に米国のオンラインプロバイダーが英語で提供しています。
ただし、USCPAに合格した人なら会計英語の講座は無理なく受講でき、講義は動画・テキストで進むため、リスニングが苦手でも対応できます。
勤務先の研修が州の基準を満たす場合は、社内研修をCPEに算入できることもあります。
Q5.
使わないならInactiveにした方がいいですか?
実務から離れる期間が長いなら、有力な選択肢です。
ワシントン州のInactiveは、CPEが3年で倫理4時間のみになり、更新料は必要ですがCPE費用はほぼゼロになります。
実務は行えず、名刺には「CPA-Inactive」などの表記が必要ですが、失効させるより復活が容易です。
Activeに戻す際は40〜80時間のCPEを事前に完了する必要があるため、戻す予定がある人は時期を計画しておいてください。
Q6.
更新を忘れるとどうなりますか?
ワシントン州では、4月30日の期限を過ぎると5月1日〜6月30日は遅延料100ドルが加算され、6月30日までに更新しないと7月1日に失効します。
失効後は再申請(Reinstatement)が必要で、不足しているCPEの補完と手数料がかかります。
CPEは更新年の前年12月31日までに完了する必要があるため、更新年の前年から逆算して受講してください。
筆者は年初に定額サービスを契約し、四半期ごとに受講記録を州のシステムに登録して漏れを防いでいます。
Q7.
日本の公認会計士と比べて維持費は高いですか?
低い水準です。
USCPA(ワシントン州)の維持費は年間約4万〜6万円で、日本の公認会計士は協会会費・地域会会費・CPEで年間10万円前後が目安です(会員区分により異なる、要確認)。
USCPAは日本国内に登録団体がなく固定の会費がないため維持費は低くなりますが、英語のCPEを自分で選んで受講記録を管理する手間がかかります。
まとめ:USCPAの維持費は年4万〜6万円、Inactiveなら年数千円
この記事の要点を再掲します。
- USCPAの維持費は①更新料 ②CPE費用
③任意の年会費で構成され、必須は①②のみ - ワシントン州は更新料230ドル/3年、CPE120時間/3年(毎年最低20時間・倫理4時間)。CPEは更新年の前年12月31日まで、申請は4月30日が期限
- 筆者の実額は3年で約980ドル(約15万円)、年間約5万円。年間定額のオンラインCPEサービス+倫理講座で構成
- CPE費用は年間定額サービス・勤務先の研修・無料ウェビナーで抑えられ、都度購入は最も割高
- Inactiveにすれば倫理4時間のみでCPE費用はほぼゼロ。失効は復活に手間がかかるので避ける
- 日本の公認会計士・税理士(年10万円前後)と比べて維持費は低いが、英語のCPEを自分で管理する手間がある
維持費は年5万円前後で、実務で会計を使う人にとっては最新論点の勉強代です。
取った後に使う場所を決めておけば、維持費は負担ではなく投資になります。
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