この記事でわかること
- USCPAとEA(米国税理士)の違いを、認定機関・試験・受験資格・費用・できる業務など12項目で並べた比較表
- 2026年からEA試験が大きく変わった点(実施機関がプロメトリックからPSIへ、受験料317ドルへ値上げ、合格基準が200〜800点の500点に変更)
- 日本在住者は2026年9月1日からリモート受験のみになるという、日本の受験生に直結する変更
- 難易度・勉強時間・費用の実額比較(USCPAは1,000〜1,500時間・60万〜100万円、EAは200〜400時間・15万〜35万円)
- 「EAは意味がない」と言われる理由と、それでもEAが効く3つの場面
- 筆者が監査法人で米国子会社の申告書を扱ったときに見たEAの役割と、税務部門に異動した同期の判断
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月30日
「USCPAとEAはどちらが役に立つのか」「EAの方が短期間で取れるなら先にEAを取るべきか」「EAは意味がないと聞いたが本当か」と調べている方に向けた記事です。
結論から言うと、USCPAとEAの違いは「会計全般の資格」と「米国連邦税に特化した資格」の違いで、日本で会計キャリアの入口を開けたいならUSCPA、米国税務の実務に就いている(または就く予定がある)ならEAが直結します。
そして、2026年からEA試験は実施機関がPSIに変わり、受験料は1パート317ドル、合格基準は200〜800点満点の500点に変更されました。日本を含む米国外の受験者は2026年9月1日開始のリモート受験のみになるため、これから受ける人は情報を更新してください(2026年8月30日時点、IRSおよびPSIの案内)。
筆者はUSCPAを持ちEAは取得していませんが、監査法人時代に日系クライアントの米国子会社の税務パッケージをレビューし、現地会計事務所のEAとやり取りした経験があります。
この記事では、IRS(米国内国歳入庁)の受験案内、Federal
Registerの受験料改定、TAC・アビタスの講座情報を一次情報に、12項目の比較、EAの2026年改定、費用、「意味がない」論の検証、選び方を整理します。
税務科目そのものの中身は「USCPA REG法人税・パートナーシップ税制|頻出と計算の型」「USCPA TCP頻出論点|4領域の配点とREGに足す論点」で扱っているので、本記事は「資格としての比較」に絞ります。
USCPAとEAの違いは?一目でわかる12項目比較
USCPAとEAの違いは、USCPAが米国各州の会計士委員会が認定する「財務会計・監査・税務・ビジネス」の総合資格であるのに対し、EA(Enrolled
Agent、米国税理士)がIRS(米国内国歳入庁)が認定する「米国連邦税の税務代理」に特化した連邦資格である点にある。EAは学歴・実務経験を問わず18歳以上なら受験でき、全米どの州でも業務ができるが、監査・保証業務はできない。
12項目で並べます。
| 項目 | USCPA(米国公認会計士) | EA(米国税理士) |
|---|---|---|
| 認定機関 | 米国各州の会計士委員会(試験はAICPA、運営はNASBA) | IRS(米国内国歳入庁)。連邦資格 |
| 専門領域 | 財務会計・監査・税務・ビジネス分析 | 米国連邦税(個人・事業体・税務代理) |
| 試験科目 | 必須3科目(FAR・AUD・REG)+選択1科目 | 3パート(個人/事業体/申告実務・代理) |
| 受験資格 | 州ごとの学位・会計単位・ビジネス単位 | 18歳以上でPTIN(申告書作成者番号)を取得すること。学歴・実務経験は不問 |
| 試験期間 | 通年 | 例年5月1日〜翌年2月末(3〜4月は改定のため休止) |
| 有効期限 | 州により18〜30ヵ月等(科目合格の失効) | 最初の合格から3年以内に3パート合格 |
| 合格基準 | 99点満点で75点以上 | 200〜800点満点で500点以上(2026年改定) |
| 合格率の目安 | 科目により40〜80%台 | 各パート60〜70%前後 |
| 勉強時間 | 1,000〜1,500時間 | 200〜400時間(1パート80〜120時間) |
| 費用の目安 | 60万〜100万円前後(予備校込み) | 15万〜35万円前後(予備校込み) |
| できる業務 | 監査・保証業務(ライセンス取得後)、税務、会計、コンサル | IRSに対する税務代理・申告書作成・税務相談。監査はできない |
| 日本での知名度 | 高い。求人票に資格名が記載される | 低い。国際税務・米国申告を扱う事務所で認知 |
出典:IRS「Enrolled Agents
FAQ」、AICPA・NASBAの試験情報、TAC・アビタスの講座案内(2026年8月30日確認)。制度・料金は改定されるため、出願時に各公式サイトで確認してください。
最大の違いは「監査ができるかどうか」です。
EAはIRSに対する税務代理では公認会計士や弁護士と同じ無制限の代理権(unlimited
representation
rights)を持ちますが、財務諸表監査は行えません。
逆にUSCPAは監査・保証業務まで含む代わりに、受験前に州の会計単位・ビジネス単位を揃える必要があり、入口のハードルが高いという構造です。
USCPAの受験要件は「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」で各校の単位取得サポートとあわせて比較でき、自分の不足単位はアビタスの無料説明会(アビタスの無料説明会で最新情報を確認する)で確認できます。
2026年にEA試験は何が変わった?日本在住者はリモート受験のみに
2026〜2027年の試験サイクルから、EA試験(SEE)の実施機関がプロメトリックからPSIに変更された。あわせて受験料は1パート267ドルから317ドルに上がり、合格基準は従来の「40〜130点で105点以上」から「200〜800点で500点以上」に変わった。試験は3セクション構成となり10分間の休憩が2回入る。そして日本を含む米国外の受験者は、2026年9月1日開始のリモート監督(オンライン)受験のみとなる。
変更点を整理します。
| 項目 | 2025〜2026年サイクルまで | 2026〜2027年サイクル |
|---|---|---|
| 実施機関 | プロメトリック | PSI |
| 受験料(1パート) | 267ドル | 317ドル(IRSの利用者手数料66ドル+実施機関251ドル) |
| 米国内の試験期間 | 5月1日〜翌年2月28日 | 2026年7月1日〜2027年2月28日 |
| 米国外の受験 | 指定都市の会場で期間限定(2025年はインド3都市など) | リモート受験のみ。2026年9月1日開始 |
| 合格基準 | 40〜130点で105点以上 | 200〜800点で500点以上 |
| 試験構成 | 2セクション+15分休憩1回 | 3セクション+10分休憩2回 |
| 科目合格の有効期間 | 最初の合格から3年 | 変更なし(3年) |
出典:IRS「Enrolled Agents: Frequently Asked
Questions」、PSIのCandidate Information Bulletin、Federal
Register「Enrolled Agent Special Enrollment Examination User Fee
Update」(2026年4月20日)、Gleim「Enrolled Agent Exam
Changes」(2026年8月30日確認)。
日本在住者にとって重要なのは、「日本の会場で受ける」という前提が崩れた点です。
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| 受験場所 | 日本国内の試験会場ではなくリモート受験。自宅等の環境要件(個室・機材・身分証)を満たす必要がある |
| 開始時期 | 米国外のリモート受験は2026年9月1日開始。それ以前は受験機会がない期間があった |
| 時差 | 予約枠が米国時間基準の場合、深夜・早朝の受験になる可能性がある |
| 情報の鮮度 | 日本語の解説記事の多くはプロメトリック前提・267ドル表記のまま。出願前にIRSとPSIの案内で確認する |
日本語で「EA 受験
プロメトリック」と書かれた情報は2026年8月30日時点で古くなっている可能性が高いため、受験を検討している方は必ずIRSの案内を一次情報として確認してください。
USCPA側も制度が動いており、2026年7月1日からREG・TCPで米国の大型税制改正(OBBBA)が出題対象になっています。
試験範囲はどこまで重なる?REGとEAの関係
EAの出題範囲は、USCPAのREG(税法・商法)の連邦税部分とかなり重なる。REGは個人・法人・パートナーシップの連邦税に加えて米国商法と職業倫理を扱い、EAはPart
1(個人)・Part 2(事業体)・Part
3(申告実務と代理)で連邦税だけをより深く扱う。USCPAのREG合格者はEAの学習を大幅に短縮できるが、逆にEA合格者がUSCPAで短縮できるのはREGの一部にとどまる。
| 領域 | USCPAでの扱い | EAでの扱い | 重なり |
|---|---|---|---|
| 個人所得税 | REGの中心論点 | Part 1のすべて | 大きい(EAが深い) |
| 法人税・S法人 | REGの中心論点 | Part 2の中心 | 大きい(EAが深い) |
| パートナーシップ税制 | REG・TCPで扱う | Part 2で扱う | 大きい |
| 相続・贈与・信託 | REG・TCPで一部 | Part 1・Part 2で扱う | 中程度 |
| 申告実務・IRS手続 | REGで一部(実務手続の基礎) | Part 3のすべて | 小さい(EA固有) |
| 税務代理・Circular 230 | REGの職業倫理で扱う | Part 3の中心 | 中程度 |
| 米国商法(契約・担保) | REGで扱う | なし | なし |
| 財務会計(US GAAP) | FAR・BARの中心 | なし | なし |
| 監査・保証業務 | AUDの中心 | なし | なし |
出典:AICPAブループリント2026年版、IRS「SEE Content
Outlines」(2026年8月30日確認)。
実務的な結論は次のとおりです。
- USCPA(REG合格済み)→EA:Part 1・Part
2は復習に近く、新規学習はPart
3の申告実務・代理が中心。合計100〜200時間程度で届く - EA→USCPA:REGの税務部分は有利だが、FAR・AUD・BAR等はすべて新規学習。短縮効果は全体の1〜2割程度
REGの学習法は「USCPA REG法人税・パートナーシップ税制|頻出と計算の型」「REG倫理・商法(Ethics/Business
Law)の攻略」で解説しています。
難易度・勉強時間・費用はどれくらい違う?
総量ではUSCPAがEAの3〜5倍重い。USCPAは4科目・1,000〜1,500時間・1〜2年・60万〜100万円、EAは3パート・200〜400時間・6〜10ヵ月・15万〜35万円が目安である。ただしEAも「簡単な試験」ではなく、各パートの合格率は60〜70%前後で、英語で米国税法の細部を問われるため、税務未経験者には数字の暗記量が重い。
| 項目 | USCPA | EA |
|---|---|---|
| 科目数 | 4科目 | 3パート |
| 総勉強時間 | 1,000〜1,500時間 | 200〜400時間(1パート80〜120時間) |
| 標準的な期間 | 1〜2年 | 6〜10ヵ月 |
| 合格率 | 科目により40〜80%台 | 各パート60〜70%前後 |
| 受験料 | 1科目あたり出願料+受験料。4科目で30万円前後(単位認定試験を除く) | 1パート317ドル(2026年サイクル)、3パートで約951ドル |
| その他の費用 | 学歴評価・単位認定試験・ライセンス申請 | PTIN取得・更新(19ドル前後)、登録申請料(67ドル前後) |
| 予備校費用 | 40万〜75万円前後 | 10万〜25万円前後(TAC等)。英語教材の独学なら5万円前後 |
| 合計の目安 | 60万〜100万円前後 | 15万〜35万円前後 |
| 維持 | 州のライセンス更新+CPE年40時間前後 | 3年で72単位(毎年16単位以上、倫理2単位を含む)+更新 |
出典:IRSの受験案内とFederal
Register(2026年)、TAC「米国税理士[EA]」、各予備校の受講料(2026年8月30日確認)。為替と料金改定で変動します。
費用と時間だけを見ればEAは3分の1以下ですが、後述のとおり日本での使い道が限られるため、「安いから先にEA」という選び方は勧めません。
USCPAの費用と両立方法は「社会人が働きながらUSCPAに合格する方法|時間術と18ヵ月計画」「USCPAの維持費|ライセンス更新・CPE・年会費の実額を公開」で解説しています。
「EAは意味がない」と言われるのはなぜ?3つの理由と反論
「EAは意味がない」と言われる理由は、①日本国内の税務(法人税・所得税)は日本の税理士の独占業務でEAでは扱えない
②求人票に資格名が書かれることがほとんどない
③USCPAが取れるならUSCPAの方が業務範囲が広い、の3つである。いずれも事実だが、「米国申告を扱う職場にいる人」「日本の会計事務所の国際部門」「米国在住・移住予定者」にとっては、EAの方が費用対効果が高い場面がある。
言われる理由と実際を整理します。
| よく言われること | 事実か | 補足 |
|---|---|---|
| 日本の税務はEAではできない | 事実 | 日本の税務代理・申告書作成・税務相談は税理士の独占業務(税理士法第2条・第52条)。EAでもUSCPAでもできない |
| 求人票にEAと書かれない | ほぼ事実 | 転職サイトで「EA」「米国税理士」の求人は限られる。国際税務部門の求人で「歓迎資格」に並ぶ程度 |
| USCPAの方が業務範囲が広い | 事実 | 監査・保証業務はUSCPAのみ。相互承認(MRA)の枠組みもUSCPA側にある |
| EAは簡単だから価値が低い | 誤り | 合格率60〜70%は「対策すれば届く」水準で、価値は難易度ではなく使う場面で決まる |
| USCPAの前段としてEAを取ると効率的 | 場合による | REGの理解は進むが、USCPAの単位要件は別途必要で、EAの受験料・期間はそのまま追加コストになる |
USCPAの独占業務と日本での立ち位置は「USCPAの独占業務とは|日本でできること・できないこと」で詳しく整理しています。
それでもEAが効く3つの場面
| 場面 | EAが効く理由 |
|---|---|
| 日本の会計事務所・税理士法人の国際部門 | 在日米国人・米国市民権保持者の米国申告(Form 1040)、日米の二重課税調整を扱う。EAは署名して代理できる |
| 事業会社の国際税務・海外子会社管理 | 米国子会社の申告・IRS対応の窓口として、現地会計事務所と対等に話せる |
| 米国在住・移住予定者 | 学歴・実務経験を問わず取得でき、全米で通用する。米国で税務の仕事に就く最短ルート |
共通しているのは「米国連邦税を実際に触る職場にいるかどうか」で、そうでない場合、EAは知識としては役に立っても、キャリアを動かす力は弱くなります。
筆者はどう見たか?米国子会社の申告書レビューで見たEAの役割
筆者は監査法人3年目に、日系メーカーの米国子会社を含む連結の監査に関わり、現地会計事務所が作成した米国申告書と税効果の資料をレビューしました。そこで見たのは、「US
GAAPの知識(USCPA)」と「連邦税の申告実務(EA)」は完全に別の道具だということです。
USCPAの知識では足りなかった部分
筆者が担当したのは、米国子会社の税効果会計(繰延税金資産の回収可能性)の検討で、必要だったのは会計上の判断でした。
一方、その前提になる申告書を作り、IRSからの照会に答えていたのは、現地事務所のEA(または米国CPA)です。
| 作業 | 担当 | 必要な知識 |
|---|---|---|
| 申告書(Form 1120)の作成 | 現地事務所の税務担当 | 連邦税・州税の申告実務 |
| 一時差異の洗い出し | 現地事務所+子会社経理 | 税務と会計の差異 |
| 繰延税金資産の回収可能性の判断 | 監査法人(筆者側) | US GAAP・将来課税所得の見積り |
| IRSからの照会対応 | EA・米国CPA | 税務代理権 |
このとき理解したのは、IRSに対して署名し、代理し、交渉できるのは資格者だけだということです。
日本にいる会計士が英語で税務の議論はできても、代理権がなければIRSの窓口には立てません。
EAの本質的な価値は知識ではなく、この代理権にあります。
税務部門に異動した同期の判断
REGの記事(「USCPA TCP頻出論点|4領域の配点とREGに足す論点」)でも触れた同期Dは、監査部門から税務部門に異動した後、USCPAに加えてEAを検討しました。
同期Dが最終的に出した結論は次のとおりです。
| 検討項目 | 同期Dの判断 |
|---|---|
| 担当業務 | 日系企業の海外進出支援と移転価格。米国申告そのものは現地事務所が担当 |
| EAを取った場合 | 知識は増えるが、日本で署名する場面がない |
| 費用と時間 | 約250時間と20万円強を、移転価格の実務と英語に振り向ける方が効果が大きい |
| 結論 | EAは取らず、TCPの受験と実務経験を優先。米国駐在が決まったら取り直す |
同期Dの言葉で印象的だったのは、「資格は署名できる場所にいるときに取ると効く」という整理でした。
逆に言えば、米国申告に署名する職場に移った人にとって、EAは最短で効く資格になります。
どちらを取るべき?タイプ別の判断表
判断軸は「米国連邦税を実際に触る職場にいるか」の一点である。触らないならUSCPA、触るならEA、両方に関わるならUSCPA→EAの順が合理的である。
| タイプ | 現状 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|---|
| 大学生・第二新卒 | 実務経験なし | USCPA | 監査法人という入口が使える。EAでは新卒の入口がない |
| 未経験から会計職へ | 他職種から転職したい | USCPA | 求人検索で資格名がヒットする |
| 事業会社の経理 | 国内単体決算が中心 | USCPA | US GAAP・英文決算で評価される。EAは使う場面がない |
| 会計事務所の国際部門 | 米国申告を扱う | EA | 署名・代理ができる。実務に直結 |
| 事業会社の国際税務 | 海外子会社の税務窓口 | EA(またはUSCPA) | 現地事務所と対等に話せる。監査に関わらないならEAで足りる |
| 米国移住・現地就職 | 米国で働く予定 | EA→(必要ならUSCPA) | 学歴要件なしで取れて全米通用。会計士業務が必要ならUSCPA |
| 税理士・税理士科目合格者 | 日本の税務が主戦場 | USCPA | 国際案件の獲得には会計全般の知識と知名度が効く |
| すでにUSCPA保持 | 米国申告に関わり始めた | EA | REGの知識が使え、100〜200時間で届く |
海外で働く選択肢は「USCPAで海外就職|国別の難易度マップ(ビザ・評価・求人・年収)」「アメリカ就職とUSCPA|ビザ込みで見る2026年の現実4ルート」で扱っています。
両方取る場合の順番と、取る前に確認する4つのこと
両方取るならUSCPA→EAの順が効率的である。REGの知識でEAのPart
1・Part
2を大幅に短縮でき、USCPAの単位要件を先に片づけられるためである。ただし、EAを取る前に①署名する場面が今の職場にあるか
②リモート受験の環境を用意できるか
③3年以内に3パート合格できる学習時間があるか
④維持できるか(3年で72単位のCPE)の4点を確認してほしい。
| 確認する項目 | 内容 |
|---|---|
| 使う場面 | 米国申告に署名・代理する場面が今の職場(または転職先)にあるか。なければ知識としての価値にとどまる |
| 受験環境 | 2026年9月1日以降、日本からはリモート受験。個室・機材・身分証の要件を満たせるか |
| 学習時間 | 最初の合格から3年以内に3パート。1パート80〜120時間で計200〜400時間 |
| 維持 | 3年で72単位(毎年16単位以上、うち倫理2単位)のCPEとPTINの毎年更新 |
「取ってから使い道を探す」と最も後悔しやすいのがEAで、逆に使い道が先に決まっている人には費用対効果が最も高い資格でもあります。
日本の予備校では、アビタスは2026年8月30日時点でEA講座を開講しておらず(講座一覧はUSCPA・UMass
MBA・CIA・CFE・CISA・IFRS
Certificate・AAIA)、EA講座を用意しているのはTACが中心です。
USCPAとEAのどちらに時間を投じるか迷っている段階なら、まずアビタスの無料説明会(アビタスの無料説明会で最新情報を確認する)で自分がUSCPAに出願できる単位状況を確認し、「USCPAの1年をかけられるか」を先に判断すると迷いが減ります。
ダブルライセンスの全体設計は「USCPAダブルライセンス戦略|11資格の追加コストと選び方」で扱っています。
よくある質問(FAQ)
Q1.
EAを取れば日本で税理士のような仕事ができますか?
できません。
日本国内の税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士の独占業務(税理士法第2条・第52条)で、EAでもUSCPAでも行えません。
EAができるのは米国連邦税に関する申告書作成とIRSに対する税務代理で、日本では「在日米国人の米国申告」「日系企業の米国子会社対応」といった場面で使います。
日本でできることの整理は「USCPAの独占業務とは|日本でできること・できないこと」で解説しています。
Q2.
EAはUSCPAの前段として取ると効率的ですか?
税法の理解という点では有効ですが、コスト面では慎重に判断してください。
EAのPart 1・Part
2はUSCPAのREGと重なるため、EAを先に取ればREGの学習は楽になります。
ただし、USCPAの受験には州ごとの会計単位・ビジネス単位が別途必要で、EAの受験料(3パートで約951ドル)と6〜10ヵ月はそのまま追加コストになります。
USCPAが最終目標なら、EAを挟まずREGから進める方が合計の時間と費用は少なくなります。
Q3.
2026年からEA試験は日本の会場で受けられませんか?
米国外の受験者はリモート受験のみとなり、その開始は2026年9月1日と案内されています(2026年8月30日確認)。
実施機関がプロメトリックからPSIに変わったことに伴う変更で、米国内の受験者はPSIの会場かリモートを選べます。
日本語の解説記事の多くはプロメトリック前提のままなので、出願前にIRSの案内とPSIのCandidate
Information Bulletinで最新の運用を確認してください。
Q4.
EAの合格基準が変わったと聞きました。難しくなったのですか?
合格基準の表示方法が変わりました。
従来は40〜130点のスケールで105点以上が合格でしたが、2026〜2027年サイクルからは200〜800点のスケールで500点以上が合格となります。
IRS側から「難易度を上げた」という説明はなく、出題範囲(SEE Content
Outlines)にも大きな変更はありません。
ただし試験構成が3セクション・10分休憩2回に変わったため、時間配分の練習は新しい構成で行ってください。
Q5.
EAとUSCPA、年収に差はありますか?
日本国内では、USCPAの方が年収に結びつきやすいのが実情です。
USCPAは監査法人・コンサル・外資系経理といった年収レンジの高い求人の応募条件になりますが、EAは求人条件になることが少なく、国際税務部門での評価にとどまります。
米国内では逆で、EAは税務専門職として独立・開業しやすく、繁忙期の申告業務で収入を作る働き方も一般的です。
USCPAの年収は「USCPAの年収はいくら?日本・米国の相場と筆者の推移を公開」で解説しています。
Q6.
EAに相互承認や他国での資格転換はありますか?
ありません。
USCPAはNASBAを通じてCPA Australia・CA ANZ・CPA
Canadaなど7団体との相互承認(MRA)があり、条件を満たせば現地資格に転換できますが、EAはIRSが認定する米国連邦の資格で、他国の税務資格への転換制度はありません。
その代わりEAは州ごとの登録が不要で、全米どこでも同じ資格として通用します。
Q7.
USCPA保持者がEAを取るなら、どのくらいの時間が必要ですか?
100〜200時間程度が目安です。
REGで個人・法人・パートナーシップの連邦税を学んでいるため、Part
1・Part 2は復習に近くなり、新規学習はPart
3(申告実務・IRSへの代理・Circular 230)が中心になります。
ただしEAはREGより数字と手続の細部を問うため、「REGに受かったから楽勝」とは考えず、Part
3に学習時間の半分を割く配分を勧めます。
まとめ:USCPAは入口を開ける資格、EAは署名できる場所で効く資格
この記事の要点を再掲します。
- USCPAは州が認定する会計全般の資格、EAはIRSが認定する米国連邦税の資格。EAは監査ができない代わりに、IRSへの無制限の代理権を持つ
- EAは18歳以上・PTIN取得のみで受験でき、200〜400時間・15万〜35万円。USCPAは1,000〜1,500時間・60万〜100万円で3〜5倍重い
- 2026〜2027年サイクルからEA試験はPSI実施に変更。受験料317ドル、合格基準は200〜800点の500点、3セクション・10分休憩2回
- 日本を含む米国外の受験者は2026年9月1日開始のリモート受験のみ。プロメトリック前提の日本語情報は古い
- 「EAは意味がない」の根拠は日本の税務が税理士の独占業務であること。ただし会計事務所の国際部門・国際税務部門・米国移住者には直結する
- 判断軸は「米国連邦税に署名・代理する場面が自分にあるか」。なければUSCPA、あればEA、両方ならUSCPA→EA(100〜200時間)
- 筆者が米国子会社の申告レビューで見たEAの価値は知識ではなく代理権。同期Dの「資格は署名できる場所にいるときに取ると効く」が判断の型になる
USCPAとEAは、難易度で比べる資格ではなく、自分が立つ場所で選ぶ資格です。
まずは自分の職場(または志望先)に米国申告に関わる業務があるかを確かめ、なければUSCPA、あればEAの受験環境を先に確認するところから始めてみてください。
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