この記事でわかること
- USCPAで海外就職する3つのルート(日本から直接の現地採用・日系企業の駐在・海外のBIG4や外資への転職)と、それぞれの難易度の違い
- 主要10ヵ国・地域(米国・カナダ・オーストラリア・NZ・英国・アイルランド・シンガポール・香港・東南アジア・中東)を「ビザ」「USCPAの評価」「日本人向け求人数」「年収水準」の4軸で比べた難易度マップ
- USCPAの相互承認協定(MRA)がある国(2026年3月時点で南アフリカ・豪州・NZ・カナダ・アイルランド・メキシコ)と、協定がない国でのUSCPAの扱い
- 「最も就職しやすい国」と「最も年収が高い国」が一致しない理由と、英語力・実務経験・年代別の現実的な狙い目
- シンガポールに現地採用で移った監査法人の先輩と、米国駐在に出た元同僚の実例、筆者が海外就職を選ばなかった理由
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月29日
「USCPAを取れば海外で働けると聞くけれど、実際にどの国なら現実的で、ビザは取れるのか、日本人の求人はあるのか」と、国ごとの情報が断片的で全体像がつかめずにいませんか。
結論から言うと、USCPAで海外就職が最も現実的なのは、日本から直接なら「シンガポール・東南アジアの日系企業・会計事務所の現地採用」、資格の評価が最も高いのは「米国・カナダ・オーストラリア」ですが、後者はビザの壁が高く、日系企業の駐在か現地の学位を経由するのが一般的です。
USCPAは米国以外でも「英語で会計ができる証明」として通用しますが、国ごとに「ビザ」「資格の評価」「日本人向け求人数」「年収」の4つが大きく異なり、「就職しやすい国」と「年収が高い国」は一致しません。
筆者は海外就職を選びませんでしたが、監査法人の先輩がシンガポールに現地採用で移り、元同僚が米国駐在に出ていて、それぞれの経緯を聞いています。
この記事では、海外就職の3ルート、10ヵ国・地域の難易度マップ、相互承認協定の扱い、狙い目の考え方、先輩と元同僚の実例と筆者の判断を整理します。
USCPAで海外就職する3つのルートと難易度
USCPAで海外就職するルートは、①日本から直接、海外の日系企業・日系会計事務所・現地企業に応募して現地採用で働く、②日本の企業(監査法人・事業会社)に入り、海外拠点への駐在で出る、③海外のBIG4・外資系企業に直接応募して転職する、の3つで、難易度は①のアジアが最も低く、③の欧米が最も高い。USCPAは①では「英語で会計ができる日本人」として、②では「駐在候補に選ばれる理由」として、③では「現地の会計士と同等の資格」として機能する。
| ルート | 内容 | 難易度 | USCPAの効き方 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ①現地採用(日本から直接) | 海外の日系企業・日系会計事務所・現地企業に応募。ビザは雇用主がスポンサー | アジアは低〜中、欧米は高 | 「英語で会計ができる日本人」として日系企業の橋渡し役に | 20〜30代、まず海外で働きたい人、日系クライアント対応でもよい人 |
| ②日系企業の駐在 | 日本の監査法人・商社・メーカーに入り、海外拠点への駐在で出る。ビザは会社が手配(L-1等の企業内転勤) | 中(社内選考) | 駐在候補に選ばれる根拠。監査法人は海外事務所への出向制度あり | 日本の企業でキャリアを積みながら海外に出たい人 |
| ③海外のBIG4・外資に直接転職 | 海外のBIG4・外資系企業の現地ポジションに応募。ビザは雇用主がスポンサーするが、就労ビザの枠・抽選・給与基準の壁がある | 高(欧米)、中(シンガポール・香港) | 現地の会計士と同等に扱われる(MRA国)か、会計の専門資格として評価される | 実務経験3年以上、英語がビジネスレベル、現地の学位や人脈がある人 |
「日本から直接、米国のBIG4に転職する」は最も難しいルートで、多くの人は②の駐在か、③でもシンガポール・香港から入っています。
USCPAが海外でどう評価されるかは「USCPAの相互承認制度とは|対象7団体と使うための条件」、米国での就労は「アメリカ就職とUSCPA|ビザ込みで見る2026年の現実4ルート」で扱っています。
海外就職を目指すなら、アビタスの無料説明会で「合格者の海外就職・駐在の実績と、どの国が多いか」を聞いておくと、この記事のマップを実績ベースで補強できます。
国別の難易度マップ|ビザ・評価・求人・年収の4軸
主要10ヵ国・地域を4軸で比べると、日本から直接の就職しやすさは「シンガポール>東南アジア(タイ・ベトナム・マレーシア)>香港>中東(ドバイ)>オーストラリア・カナダ>英国・アイルランド>米国・NZ」の順、USCPAの資格としての評価は「米国>カナダ・オーストラリア・NZ・アイルランド(MRA国)>シンガポール・香港>英国>東南アジア・中東」の順で、就職しやすさと評価は逆になる。年収は米国・シンガポール・オーストラリアが高く、東南アジアは低いが生活費も低い(2026年8月29日時点、要確認)。
難易度マップ(4軸評価)
| 国・地域 | ビザの取りやすさ | USCPAの評価 | 日本人向け求人数 | 年収水準(現地採用・経験3〜5年) | 総合の難易度 |
|---|---|---|---|---|---|
| シンガポール | △(EP:月給S$5,600以上、2027年からS$6,000へ引き上げ。COMPASS審査あり) | ○(MRAはないが会計の専門資格として認知) | ◎(日系企業の地域統括・会計事務所が多い) | 600〜1,000万円相当 | 中(最も現実的) |
| タイ・ベトナム・マレーシア | ○(雇用主がスポンサーすれば比較的取りやすい) | △(日系企業向けの信頼性の担保) | ◎(日系企業・日系会計事務所の求人が最多) | 300〜600万円相当(生活費は低い) | 低 |
| 香港 | ○(雇用主のスポンサー。専門職は取りやすい) | ○(金融・会計のハブとして認知) | ○(日系金融・商社) | 600〜1,000万円相当 | 中 |
| 中東(ドバイ・UAE) | ○(雇用主のスポンサー。所得税なし) | ○(BIG4の中東拠点でCPA資格として評価) | △(日系企業は少なめ) | 700〜1,200万円相当(非課税) | 中〜高 |
| オーストラリア | △(技能移民ビザは会計士が対象職種。年齢・英語・職歴の点数制) | ◎(MRA。CPA Australia・CA ANZへの登録可) | △(日系企業は限定的、現地企業が中心) | 700〜1,100万円相当 | 高 |
| カナダ | △(Express Entryの点数制。会計士は対象) | ◎(MRA。CPA Canadaへの登録可) | △ | 600〜1,000万円相当 | 高 |
| ニュージーランド | △(技能移民。求人自体が少ない) | ◎(MRA) | ×(日系企業はごく少数) | 500〜900万円相当 | 高 |
| 英国 | △(Skilled Workerビザは雇用主のスポンサー+給与基準) | ○(ACCA等への免除は限定的) | △(日系金融・商社のロンドン拠点) | 600〜1,000万円相当 | 高 |
| アイルランド | △(雇用主のスポンサー) | ◎(MRA。Chartered Accountants Irelandへの登録可) | ×(日系企業は少ない) | 600〜1,000万円相当 | 高 |
| 米国 | ×(H-1Bは賃金加重の抽選に加え、2025年9月から米国外からの新規申請に10万ドルの手数料。日本から直接はほぼ不可。L-1の企業内転勤、日系企業のEビザ、留学→OPTが現実的) | ◎(本国。ライセンスがあればCPAとして業務可) | △(日系企業の米国拠点は駐在中心) | 800〜1,500万円相当 | 最高 |
※ビザ要件・給与基準・年収は2026年8月29日時点の公開情報と筆者の周囲の実例に基づく目安で、各国の制度は頻繁に変わります。応募前に各国政府・雇用主の最新情報で確認してください。
「日本から直接の現地採用」で現実的なのはシンガポール・東南アジア・香港、「駐在か現地の学位を経由」で目指すのが米国・豪州・カナダというのが、マップから読める結論です。
シンガポール・東南アジアの詳細は「シンガポール・東南アジアのUSCPA求人事情|職種・年収・ビザ」、オーストラリアは「USCPAでオーストラリアで働く|相互承認・ビザ・年収の現実」、駐在ルートは「海外駐在への近道としてのUSCPA|駐在候補に選ばれる3条件」で扱っています。
相互承認協定(MRA)がある国とない国でUSCPAはどう違う?
USCPAの相互承認協定(MRA)は、米国の会計士団体(NASBA・AICPA)と各国の会計士団体が結ぶ協定で、2026年3月時点の対象は南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・アイルランド・メキシコの6ヵ国である。MRA国では、追加の試験や研修を経て現地の会計士資格に登録でき、現地の公認会計士と同じ業務(監査報告書の署名等)ができる。MRAがない国(シンガポール・香港・英国等)では、USCPAは「会計の専門資格」として評価されるが、現地の会計士資格への登録には別途試験が要る。
| 区分 | 国・地域 | USCPAの扱い | 実務上の意味 |
|---|---|---|---|
| MRA国(2026年3月時点) | 南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・アイルランド・メキシコ | 追加要件(現地法・税務の試験、実務経験、ライセンス保有等)を満たせば現地の会計士資格に登録可 | 監査法人で現地の会計士と同じ立場で働ける。移民の職業評価でも有利 |
| MRA終了国 | シンガポール(2016年に終了)・香港(要確認) | 過去に協定があったが現在は対象外 | 会計の専門資格としての評価は残る。現地の会計士資格には別途試験 |
| 非MRA国 | 英国・東南アジア・中東・その他 | 会計の専門資格として評価 | BIG4・外資・日系企業での評価は高いが、署名権はない |
MRAは「現地の会計士になれる」ための制度で、「就職しやすい」とは別の話です。
MRA国は制度上の評価は高い一方、ビザの壁が高く日本人向け求人が少ないため、就職しやすさではMRAのないシンガポール・東南アジアに劣ります。
MRAの詳細と登録手順は「USCPAの相互承認制度とは|対象7団体と使うための条件」、ライセンス取得の要件は「USCPAライセンス取得の要件と流れ|合格後にやること」で扱っています。
「就職しやすい国」と「年収が高い国」は一致しない|狙い目の考え方
就職しやすさは「日系企業の拠点数×ビザの取りやすさ」で決まり、年収は「現地の給与水準×外資・現地企業のポジション」で決まるため、東南アジアは就職しやすいが年収は低く、米国・豪州は年収が高いが就職しにくい。狙い目は、①20代・英語中級・海外未経験ならシンガポールか東南アジアの現地採用で「海外で働いた実績」を作る、②30代・英語上級・実務3年以上なら香港・シンガポールのBIG4や外資、または日系企業の駐在、③米国・豪州・カナダを目指すなら現地の学位(MBA・会計修士)かL-1の企業内転勤を経由する、という段階的な組み立てが現実的である。
| 属性 | 狙い目 | 理由 | 次のステップ |
|---|---|---|---|
| 20代・英語中級(TOEIC700〜800)・海外未経験 | 東南アジア(タイ・ベトナム・マレーシア)の日系会計事務所・日系企業の現地採用 | ビザが取りやすく求人が多い。日系クライアント対応なので英語は業務で伸ばせる | 2〜3年でシンガポールか香港へ |
| 20代後半〜30代・英語上級(TOEIC850以上)・実務3年以上 | シンガポール・香港のBIG4、外資系企業の地域統括、日系企業の駐在 | 年収が高く、USCPAが採用要件に入る求人が多い | 現地でPRか、米国・豪州へ |
| 30代・監査法人経験・英語上級 | 監査法人の海外事務所への出向、日系グローバル企業の海外財務担当(駐在) | 会社がビザを手配し、駐在手当で年収が上がる | 駐在中に現地の人脈と学位を得て現地転職 |
| 米国・豪州・カナダを最終目標にする人 | 現地の会計修士・MBA(OPT・卒業後ビザ)、またはL-1の企業内転勤 | 日本から直接のビザは困難。学位か企業内転勤が入口 | 現地で就労→永住権 |
最初から米国を狙うのではなく、「アジアで海外実績→シンガポール・香港で英語圏の実務→欧米」という3段階が、周囲で海外に出た人の共通パターンです。
英語力の目安は「USCPAの英語力|TOEIC何点から?600点台でも受かる理由」、英語×USCPAの年収は「USCPA×英語力で年収を上げる掛け算戦略|4段階と実例」で扱っています。
シンガポール現地採用の先輩と米国駐在の元同僚、筆者が選ばなかった理由
シンガポールに現地採用で移った監査法人の先輩
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 経歴 | BIG4監査5年(USCPA、シニア)。TOEIC900点台 |
| 経緯 | 海外転職エージェント経由で、シンガポールの日系会計事務所(日系企業の進出支援・記帳・税務)の現地採用に応募 |
| ビザ | EP。事務所がスポンサー。月給はEPの基準を上回る水準で契約 |
| 年収 | 現地採用で日本円換算約800万円。所得税が日本より低く、手取りは監査法人時代より増えた |
| 業務 | 日系企業の現地法人の会計・税務・進出支援。クライアントは日本語、現地スタッフと当局は英語 |
| USCPAの効き方 | 「日系クライアントに会計の専門家として説明できる」証明。事務所の営業資料にも記載 |
| 3年後 | シンガポールのBIG4の日系企業担当部門(JBS)に転職。年収は約1,100万円相当に |
先輩は「最初から現地のBIG4は無理だった。日系会計事務所で『シンガポールで働いた実績』と英語の実務を作ってから、BIG4のJBSに入れた」と話していました。
米国駐在に出た元同僚
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 経歴 | BIG4監査4年(USCPA)。ライセンス取得済み |
| 経緯 | 監査法人の海外事務所出向制度に応募。米国事務所の日系企業担当(JBS)に2年間出向 |
| ビザ | L-1(企業内転勤)。法人が手配 |
| 年収 | 日本の給与+駐在手当+住宅補助。日本円換算で約1,200万円相当 |
| 業務 | 米国の日系企業子会社の監査、US GAAPでの決算支援 |
| USCPAの効き方 | ライセンスがあるため米国事務所でも「CPA」として扱われ、出向の選考で有利だった |
| 2年後 | 日本に帰任。帰任後にBIG4の米国事務所に現地採用で再渡米し、H-1Bを法人がスポンサー(2025年9月の制度変更前の事例。現在は米国外からの新規H-1Bに10万ドルの手数料が課されるため、同じルートは難しくなっている) |
元同僚は「日本から直接H-1Bは抽選で無理だった。出向で米国事務所に人脈と実績を作り、帰任後に現地採用の枠で戻った」と話していました。
筆者が海外就職を選ばなかった理由
筆者も監査法人3年目に海外事務所への出向を検討しましたが、選びませんでした。
| 検討した点 | 判断 |
|---|---|
| 出向の条件 | シニア昇進後2年以上の実績が目安で、3年目では選考に通りにくかった |
| キャリアの方向 | 監査を続けて海外に出るより、日本でコンサルの経験を積む方を優先した |
| 英語 | TOEIC800点台で、米国事務所で通用するレベルには不足していると感じた |
| 結論 | コンサルに転職。将来的に海外案件で出る選択肢は残している |
3人の実例から言えること
- 日本から直接の現地採用はシンガポール・東南アジアの日系事務所が入口。そこで実績を作ってから現地BIG4へ
- 米国は駐在(L-1)か現地の学位が入口。日本から直接H-1Bはほぼ不可能
- USCPAは「ライセンスまで取る」と米国・MRA国で効き方が変わる。試験合格だけでは「CPA」と名乗れない
- 英語はTOEIC850〜900が実務の分岐点。800点台では現地採用の面接で厳しい
ライセンスの取り方は「USCPAライセンス取得の要件と流れ|合格後にやること」、監査法人の海外出向は「海外駐在への近道としてのUSCPA|駐在候補に選ばれる3条件」で扱っています。
自分の狙い目を決めてから動くには
USCPAでの海外就職は、「どの国に行きたいか」ではなく「今の英語力・実務経験・年代で、どの国なら入口があるか」で決めるのが現実的です。
まず4軸のマップで自分の属性に合う国を1〜2つ選び、①海外転職エージェントに登録して現地採用の求人と年収を確認する、②今の会社に駐在・出向の制度があるか確認する、の2つを並行してみてください。
これからUSCPAを取る方は、予備校ごとの海外就職・駐在のサポート(海外転職エージェントとの提携、合格者の海外実績)の違いを「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」で比べてください。
「自分の英語力と経歴で、どの国が現実的か」を個別に聞きたい方は、アビタスの無料説明会で合格者の海外実績を基に相談できます。
よくある質問(FAQ)
Q1.
USCPAで海外就職は本当にできますか?
できますが、国とルートで難易度が大きく違います。
日本から直接の現地採用で現実的なのはシンガポール・東南アジア・香港で、日系企業・日系会計事務所の求人が多く、雇用主がビザをスポンサーします。
米国・オーストラリア・カナダはUSCPAの評価は高いもののビザの壁が高く、日系企業の駐在か現地の学位を経由するのが一般的です。
筆者の周囲では「アジアで実績→シンガポール・香港で英語圏の実務→欧米」という段階的なパターンが最も多くなっています。
Q2.
USCPAで最も就職しやすい国はどこですか?
シンガポールと東南アジア(タイ・ベトナム・マレーシア)です。
日系企業の拠点と日系会計事務所が多く、「英語で会計ができる日本人」として現地採用の求人が最も多い地域です。
東南アジアはビザも比較的取りやすく、年収は300〜600万円相当と低めですが生活費も低くなります。
シンガポールはEPの月給基準(S$5,600以上、2027年からS$6,000)とCOMPASS審査があり、経験3年以上が目安です。
Q3.
USCPAで最も年収が高い国はどこですか?
米国、シンガポール、オーストラリア、中東(ドバイ)です。
米国は現地採用で800〜1,500万円相当、シンガポール・オーストラリアは700〜1,100万円相当、ドバイは700〜1,200万円相当で所得税がかかりません。
ただし米国・オーストラリアはビザの壁が高く、日本から直接は困難です。
年収と就職しやすさは一致しないため、段階的に目指すのが現実的です。
Q4.
相互承認協定(MRA)がある国はどこですか?
2026年3月時点で、南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・アイルランド・メキシコの6ヵ国です。
MRA国では、追加の試験や研修を経て現地の会計士資格に登録でき、現地の公認会計士と同じ業務ができます。
シンガポールは2016年に協定が終了し、香港も現在は対象外と案内されています(要確認)。
MRAがない国でもUSCPAは会計の専門資格として評価されますが、署名権はありません。
Q5.
日本から直接アメリカのBIG4に転職できますか?
ほぼできません。
米国の就労ビザ(H-1B)は抽選制で、日本から直接応募して雇用主にスポンサーしてもらうのは現実的ではありません。
現実的な入口は、日本の監査法人の米国事務所への出向(L-1の企業内転勤)か、米国の会計修士・MBAを取って卒業後のOPTで働き始めるルートです。
筆者の元同僚は、出向で米国事務所に実績を作り、帰任後に現地採用の枠で再渡米してH-1Bを法人にスポンサーしてもらいました。
Q6.
海外就職に必要な英語力はどれくらいですか?
TOEIC850〜900点が実務の分岐点です。
東南アジアの日系会計事務所ならTOEIC700〜800点でも業務で伸ばせますが、シンガポール・香港のBIG4や外資、米国・豪州の現地採用では面接から英語で行われ、850点以上が目安です。
USCPAの学習で英文会計の読解は身につきますが、会話・交渉の力は別途必要です。
筆者はTOEIC800点台で米国事務所への出向は難しいと判断しました。
Q7.
USCPAの試験合格だけで海外で「CPA」と名乗れますか?
名乗れません。
「CPA」と名乗るには、州のライセンス(実務経験・倫理試験・学歴要件を満たして取得)が必要です。
米国やMRA国でCPAとして働くにはライセンスが前提で、試験合格だけでは「CPA
exam passed」の扱いになります。
海外就職を目指すなら、日本にいるうちにライセンスまで取っておくと、米国事務所への出向やMRA国での登録で有利になります。
まとめ:海外就職は「行きたい国」ではなく「入口がある国」から
この記事の要点を再掲します。
- 海外就職のルートは現地採用・日系企業の駐在・海外BIG4への直接転職の3つ。難易度はアジアの現地採用が最も低く、欧米への直接転職が最も高い
- 4軸マップでは就職しやすさはシンガポール>東南アジア>香港>中東>豪州・カナダ>英国>米国、USCPAの評価は米国>MRA国>シンガポール・香港>その他で、両者は逆
- MRA国は南アフリカ・豪州・NZ・カナダ・アイルランド・メキシコの6ヵ国(2026年3月時点)。シンガポールは2016年に終了
- 狙い目は20代・英語中級なら東南アジア、30代・英語上級・実務3年以上ならシンガポール・香港か駐在、米国・豪州は学位かL-1経由の段階的な組み立て
- 先輩はシンガポールの日系会計事務所→3年後に現地BIG4のJBSで約1,100万円相当、元同僚は米国出向(L-1)→帰任後に現地採用でH-1B。筆者は英語と経験年数で見送りコンサルへ
- ライセンスまで取ると米国・MRA国での扱いが変わる。英語はTOEIC850〜900が分岐点
USCPAは海外就職の「切符」ではなく、「英語で会計ができる」ことを証明して入口を広げる道具です。
まず4軸マップで自分の属性に合う国を1〜2つ選んで、海外転職エージェントの求人と自社の駐在制度を同時に確認するところから始めてみてください。
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