この記事でわかること
- 20代でUSCPAを取るメリットが「資格の価値」ではなく「未経験でも会計キャリアに入れる年齢」にある理由
- 20代前半(学生・新卒・第二新卒)と20代後半(社会人3〜7年目)で、USCPAの使い方と最適な受験タイミングが変わること
- 20代のUSCPA取得後に現実的な転職先4つ(監査法人・事業会社経理・コンサル・外資)と、それぞれで評価されるもの
- 在学中に合格し、新卒でBIG4監査法人に入った筆者が20代で得たものと、取り損ねたもの
- 20代が学習を始める前に決めるべき「出願州・予備校・受験順序」の3点と、費用の考え方
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月28日
「20代のうちにUSCPAを取っておくべきか」「今の仕事を続けながら取る意味はあるのか」と迷っていませんか。
結論から言うと、USCPAの価値が最も高く出るのは20代です。
理由は資格そのものではなく、20代は会計未経験でも監査法人や事業会社の経理に入れる年齢であり、USCPAがその入口の鍵になるからです。
筆者は大学在学中に合格し、新卒でBIG4監査法人に入り、3年の監査経験を経てコンサル会社に移りました。
USCPAを取ったこと自体より、「20代前半で会計の実務に入れた」ことが、その後のキャリアを決めています。
この記事では、20代前半と後半で異なる戦略、取得後の現実的な転職先、筆者が20代で得たものと取り損ねたものを、包み隠さず書きます。
20代でUSCPAを取るメリットとは?価値は「資格」より「年齢」にある
20代でUSCPAを取る最大のメリットは、会計未経験でも監査法人・事業会社経理・コンサルに入りやすい年齢のうちに、専門性の証明と英語力の証明を同時に持てることである。30代以降は実務経験が前提になるため、USCPA単体の効力は年齢とともに下がる。
USCPAの評価を年代別に整理すると、20代の位置づけがはっきりします。
| 年代 | 未経験からの会計キャリア転換 | USCPAの効き方 | 求められるもの |
|---|---|---|---|
| 20代前半 | 監査法人・経理・コンサルのほぼ全職種に可能 | ポテンシャル採用の決め手になる | 学習意欲・コミュニケーション力 |
| 20代後半 | 可能。英語力を問われる場面が増える | 未経験の壁を越える武器になる | USCPA+英語+前職の汎用スキル |
| 30代前半 | 可能だが職種は絞られる | 実務経験と組み合わせて効く | 会計・財務系の実務経験 |
| 30代後半〜 | 会計・財務の実務経験がないと困難 | 単体では効きにくい | 即戦力としての実務経験 |
つまり、USCPAは「持っていれば評価される資格」ではなく、「未経験の壁を越えられる年齢のうちに持つと効く資格」です。
監査法人は若手の人材不足が続いており、20代であれば未経験でもUSCPAの科目合格段階で採用の土俵に乗れます(監査法人の採用動向は、年によって変わるため最新の求人で確認してください)。
「USCPAは意味がない」という議論は、この年齢の要素を無視していることが多いです(詳しくは「USCPAは本当に意味ない?やめとけと言われる5つの理由と真実」)。
20代前半と後半で最適な動き方が違うので、次章で分けて解説します。
なお、学習を始める前に予備校の比較だけは先に済ませておくと、後の判断が速くなります。「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」で3校の違いを整理しています。
20代は説明会で「自分の学部・単位でどの州にいつ出願できるか」を聞くと、卒業や転職の時期と受験計画が結びつきます。アビタスの無料説明会は学生向けの回も用意されています(公式サイト記載)。
20代前半(学生・新卒・第二新卒)の戦略は?
20代前半の戦略は「在学中または入社3年以内に合格し、新卒・第二新卒の枠で監査法人か事業会社経理に入る」こと。ポテンシャル採用の枠が使える最後の期間で、実務経験ゼロでもUSCPAが決め手になる。
20代前半は、3つの立場で動き方が変わります。
大学生:在学中合格が最強のカード
大学生は、USCPAを取るうえで最も条件がよい立場です。
- 学習時間を確保しやすい(筆者は3年秋〜4年冬で全科目合格)
- 在学中に出願できる州がある(アラスカは4年生で不足18単位以内、ニューヨークは120単位+会計4科目、グアムは見込み受験)
- 新卒就活で「USCPA全科目合格」を書けると、監査法人・大手経理・コンサルの選考で一段上のポテンシャル評価になる
筆者の実体験は「大学生のUSCPA|在学中合格のリアルと就活での使い方」で詳しく書いていますが、在学中合格は新卒採用の市場では大きなアドバンテージになります。
就活での効き方は「USCPAで新卒就活は有利になる?業界別の評価とESの書き方」を参照してください。
新卒1〜3年目:第二新卒枠が使えるうちに合格する
社会人1〜3年目は、まだ「第二新卒」として未経験職種に転職できる期間です。
この期間に全科目合格できれば、営業・IT・金融など会計と無関係な職種からでも、監査法人や事業会社の経理に転換できます。
ポイントは、科目合格の段階で転職活動を始めてよいことです。
監査法人は「合格後入所・残り科目は入所後に取る」前提の採用を行うことがあり、全科目合格を待つより早く動けます。
第二新卒の市場価値は「第二新卒×USCPAの市場価値|未経験から会計職へ転じる方法」でまとめています。
20代前半に共通する注意点
20代前半はポテンシャル採用が効く反面、「USCPAを取ったのに何をしたいか説明できない」と落ちます。
監査法人なら「監査を通じて会計の実務を体系的に学びたい」、事業会社なら「経理から財務・経営企画へ進みたい」など、USCPAを何に使うかを言語化しておいてください。
20代後半(社会人3〜7年目)の戦略は?
20代後半の戦略は「前職の経験×USCPA」の掛け算を作ること。未経験からの会計転職はまだ可能だが、英語力と前職の汎用スキルを問われるため、USCPAを取るだけでなく、取った後に何を掛け合わせるかを先に決める。
20代後半は、前半とは状況が変わります。
| 状況 | 前半との違い | 戦略 |
|---|---|---|
| 会計・経理の経験あり | 実務+資格の組み合わせで評価が跳ねる | 外資系経理・監査法人・FASへの転職で年収アップを狙う |
| 会計未経験(営業・IT・金融など) | 未経験転職はまだ可能だが、英語と前職スキルを見られる | 前職の業界知識を活かせる会計職(IT企業の経理、金融の財務など)を狙う |
| 海外・外資志向 | USCPA+英語で外資系のポジションに届く | TOEICも並行して上げる。英語力の目安は「USCPAの英語力|TOEIC何点から?600点台でも受かる理由」参照 |
20代後半の人がよく陥るのは、「まず合格してから転職先を考える」順序です。
正しい順序は逆で、「どこに行きたいかを先に決め、そこで評価される科目から受ける」です。
たとえば外資系経理を狙うならFAR(財務会計)を先に、監査法人ならAUD(監査)を早めに合格しておくと、科目合格の時点で面接の話題が作れます。
働きながらの学習法は「社会人が働きながらUSCPAに合格する方法|時間術と18ヵ月計画」で詳しく解説しています。
20代のUSCPA取得後、現実的な転職先はどこ?
20代のUSCPA取得者の主な転職先は、①監査法人(BIG4・中堅)、②事業会社の経理・財務、③コンサルティング・FAS、④外資系企業の管理部門の4つ。年収より「20代で何の実務を積むか」で選ぶと、30代の選択肢が広がる。
筆者がBIG4監査法人で見た同世代のUSCPA取得者の進路と、それぞれで評価されるものを整理します。
| 転職先 | 20代での入りやすさ | 評価されるもの | 30代での広がり |
|---|---|---|---|
| 監査法人(BIG4・中堅) | 高い。未経験・科目合格でも採用あり | 学習継続力、クライアント対応力 | 事業会社経理・FAS・コンサルへの転身が定番 |
| 事業会社の経理・財務 | 中。第二新卒枠で未経験可 | 簿記・USCPAの知識、Excel・システム | 財務・経営企画・海外子会社管理へ |
| コンサル・FAS | 中〜やや高い。監査法人経験があると有利 | 論理性、財務分析力 | PE・事業会社CFO候補など |
| 外資系企業の管理部門 | 中。英語力が必須 | USCPA+英語+実務 | グローバルポジション、駐在 |
20代で一番多いのは「監査法人→事業会社かコンサル」のルートで、筆者もこの型です。
20代で監査法人に入る最大の価値は、複数の会社の会計を短期間で見られることで、事業会社に最初から入ると得られない経験です。
年収は、監査法人の初任給は年によって変動するため具体的な金額は各法人の採用ページで確認が必要ですが、20代で年収を優先するより、30代で選択肢が広がる実務を優先する方が、筆者は結果的に得だと考えています。
転職エージェントの活用は、20代なら会計特化型を1社登録しておくと、科目合格段階でも求人の相場感がつかめます(MS-Japanに登録するなどの管理部門特化型が定番です)。
在学中合格→新卒BIG4の筆者が20代で得たもの・取り損ねたもの
筆者は22歳で全科目合格、新卒でBIG4監査法人に入所し、3年で複数業種の監査を経験してコンサルに移った。得たのは「20代前半で会計実務の土台」、取り損ねたのは「英語を実務で使う経験」で、後者はUSCPAを取っただけでは埋まらなかった。
ここからは筆者の実体験です。
得たもの①:22歳で会計の実務に入れた
在学中に全科目合格していたので、新卒の就活では監査法人の選考で「合格済み」として扱われました。
入所後は、1年目から製造業・小売・IT企業の監査チームに入り、3年で10社以上の決算を見ています。
USCPAの知識が実務でどう使われるかを、資格を取った直後の22〜25歳で学べたのが、いま振り返って最大の資産です。
コンサルに移った今も、財務諸表を見る速度と勘所は、この3年で作られたものです。
得たもの②:「英語が読める会計人材」という見られ方
USCPAは、監査法人の中で「英文の会計基準や海外子会社の資料を読める人」として扱われる入口になりました。
海外子会社を持つクライアントの案件に早めにアサインされ、20代のうちにグループ監査の経験ができています。
取り損ねたもの:英語を「使う」経験
正直に書くと、USCPAを取っても英語を話す力は上がりません。
筆者は英文資料を読む機会は多かった一方、海外のチームと会議で英語を使う経験は監査法人時代にほとんどなく、コンサルに移ってから苦労しました。
20代のうちにUSCPAと並行して英語を「使う」場を作っておけば、外資系や海外駐在の選択肢がもっと早く開けていたと思います。
USCPAと英語の関係は「USCPAの英語力|TOEIC何点から?600点台でも受かる理由」でも整理しています。
いま20代の後輩に伝えていること
「USCPAは20代で取れ。ただし取った後に何の実務を積むかまで決めてから始めろ」の一言です。
合格がゴールになると、20代の一番貴重な時間を、資格の維持だけに使ってしまいます。
20代が学習を始める前に決める3つのこと
①出願州(在学中ならアラスカ・NY・グアム、社会人ならアラスカ→ワシントン)、②予備校(単位取得のしやすさと費用で選ぶ)、③受験順序(目指す転職先で評価される科目から)。この3つを説明会と単位診断で1週間以内に固める。
20代は時間が最大の資産なので、「迷っている期間」を短くすることが戦略の要です。
| 決めること | 20代前半(学生・新卒) | 20代後半(社会人) |
|---|---|---|
| 出願州 | 在学中出願ができる州(アラスカ4年生・ニューヨーク・グアム)。詳細は「USCPA出願州の選び方|結局どこがいい?学歴・目的別に即答」 | アラスカで受験→合格後にワシントンでライセンス。実務経験があればワシントン直接も可 |
| 予備校 | 学割・新卒割引の有無、単位取得プログラムの取りやすさ | 教育訓練給付金・リスキリング補助金の対象か、働きながらの学習サポート |
| 受験順序 | FAR→AUD→REG→選択科目が定番 | 目指す転職先で評価される科目(外資経理ならFAR、監査法人ならAUD)を先に |
| 費用の考え方 | 学生割引と在学中の時間を使い、社会人になってからの費用を抑える | 給付金・補助金で実質負担を下げる。詳しくは「教育訓練給付金とUSCPA講座|対象校・条件・申請手順を解説」 |
費用の目安は、予備校の受講料に受験料・出願費用を足して総額を見ます。
20代前半なら学生割引、20代後半なら教育訓練給付金や補助金の対象になるかで実質負担が大きく変わるため、各予備校の割引・給付金は申し込み前に必ず確認してください(「アビタスUSCPAの教育訓練給付金・リスキリング支援ガイド」参照)。
この3点は、自分で調べると数週間かかりますが、説明会と単位診断を使えば1週間以内に固まります。
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まず講座の全体像を資料で確認したい方はアビタスの無料資料請求から。予備校3校を並べて決めたい方は「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」をどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q1.
20代でUSCPAを取ると年収はどのくらいになりますか?
転職先と実務経験によって幅があり、資格だけで年収が決まるわけではありません。
監査法人の新卒・未経験入所は各法人の初任給水準からスタートし、3〜5年の実務を積んでから事業会社・コンサル・外資系に移る段階で年収が伸びるのが一般的です。
筆者も監査法人3年を経てコンサルに移った時点で、年収は入所時から大きく上がりました。
20代は年収の絶対額より、30代で年収が伸びる実務(監査・財務・海外案件)を積めるかで転職先を選ぶことをおすすめします。
Q2.
20代後半、会計未経験でもUSCPAで転職できますか?
できます。
20代後半は第二新卒枠が使いにくくなる一方、監査法人は若手の人材不足で未経験採用を続けており、USCPAの科目合格段階でも選考に進めることがあります。
ただし前半と違い、英語力と前職の汎用スキル(数字への強さ、クライアント対応、業界知識)を見られます。
「前職×USCPA」で何ができるかを先に言語化し、それが活きる転職先(IT出身ならIT企業の経理、金融出身なら財務など)を狙うのが現実的です。
Q3.
大学生のうちに取るのと、社会人になってから取るのはどちらがよいですか?
条件が許すなら大学生のうちです。
学習時間を確保しやすく、在学中に出願できる州があり、新卒就活で「合格済み」として扱われるためです。
筆者は3年秋に学習を始めて4年冬に全科目合格し、新卒で監査法人に入りました。
社会人になってからでも20代なら十分間に合いますが、学習時間の確保と転職活動の同時進行が必要になる分、計画の難易度は上がります。
Q4.
20代でUSCPAを取っても「意味ない」と言われるのはなぜですか?
「取った後に何もしなかった人」の話が混ざっているためです。
USCPAは、会計の実務に入るための入口としては20代で最も効きますが、合格して現職に留まり続けると、資格の価値は使われないまま維持費だけがかかります。
筆者の周りで「意味なかった」と言う人は、ほぼ例外なく合格後に会計キャリアへ動かなかった人です。
意味があるかどうかは、資格ではなく、20代のうちに実務へ動くかで決まります。
Q5.
科目合格の段階で転職活動を始めてもよいですか?
はい、20代なら始めてよいです。
監査法人は「科目合格者を採用し、残りは入所後に取る」前提の募集を行うことがあり、全科目合格を待つより早く動けます。
事業会社の経理でも、学習中であること自体が意欲の証明として評価される場面があります。
科目合格の価値と履歴書への書き方は「USCPA科目合格の価値|履歴書に書ける?評価と書き方」を参照してください。
Q6.
20代のうちにライセンスまで取るべきですか?
転職先によります。
監査法人・事業会社の経理なら「全科目合格」で採用は決まり、ライセンスは入所後に実務経験を積んで取れば足ります。
外資系や海外勤務を視野に入れる場合は、名刺に「USCPA」と書けるライセンスが早めにあると有利です。
筆者は監査法人3年目にワシントン州でライセンスを取得しました。流れは「USCPAライセンス取得の要件と流れ|合格後にやること」で解説しています。
Q7.
20代でUSCPAと並行してやっておくべきことはありますか?
英語を「使う」経験と、Excel・会計システムの実務スキルです。
USCPAは英語を読む力は鍛えますが、話す・書く力は上がりません。
筆者は20代で英語を使う場を作らなかったため、コンサルに移ってから苦労しました。
TOEICのスコア維持、英語での会議・メールの機会、監査法人ならグループ監査へのアサイン希望など、USCPAと並行して英語を実務で使う場を意識的に作っておくことをおすすめします。
まとめ:20代のUSCPAは「取る」より「取った後に動く」で価値が決まる
この記事の要点を再掲します。
- USCPAの価値が最も高いのは20代。理由は資格ではなく、未経験でも会計キャリアに入れる年齢だから
- 20代前半は在学中合格・第二新卒枠で監査法人か経理へ。ポテンシャル採用が効く最後の期間
- 20代後半は「前職×USCPA」の掛け算を先に決め、評価される科目から受ける
- 現実的な転職先は監査法人・事業会社経理・コンサル/FAS・外資系管理部門。20代は年収より30代で広がる実務を優先
- 筆者が得たのは「22歳で会計実務の土台」、取り損ねたのは「英語を使う経験」
- 学習前に出願州・予備校・受験順序の3点を、説明会と単位診断で1週間以内に固める
- 「意味ない」と言われるのは、合格後に会計キャリアへ動かなかった人の話
筆者が20代で一番よかったと思っているのは、資格を取ったことではなく、22歳で監査の現場に立てたことです。
USCPAは、その扉を開けるための鍵にすぎません。
鍵を手に入れたら、20代のうちに扉を開けてください。
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