この記事でわかること
- デロイト トーマツ グループの構成(監査法人トーマツ・合同会社デロイト
トーマツ・税理士法人など)と、USCPAが入れる法人・部門 - 有限責任監査法人トーマツの採用要件でUSCPAがどう扱われているか(定期採用・中途採用の公開求人ベース)
- トーマツの初任給・職階別の年収目安と、USCPAと日本の公認会計士で差が出る点・出ない点
- 働き方(所定労働7時間・在宅勤務・海外派遣制度)と、BIG4の中でトーマツが特徴的な点
- USCPAでトーマツを目指す人が、選考で見られる3つのポイントと準備の進め方
著者情報:しわすゆう|USCPA(米国公認会計士)。大学在学時にアビタスのUSCPA講座を受講しUSCPAを取得。新卒でBIG4監査法人に就職し会計監査を3年経験。現在はコンサル会社に勤務。
最終更新日:2026年8月28日
「デロイトトーマツはUSCPAを採用している?」「日本の公認会計士じゃないと不利?」「年収や働き方はどう?」と検索している方に向けて、公開情報と筆者のBIG4経験をもとに整理します。
結論から言うと、有限責任監査法人トーマツはUSCPA(全科目合格者を含む)を監査職の採用要件に明記しており、USCPAで入所できる法人です。年収はBIG4の中で大きな差はなく、USCPAかJCPAかで入所時の条件も変わりません。
筆者はBIG4の1社に新卒でUSCPAとして入所し、3年間会計監査を担当しました(自法人名は伏せます)。
この記事では、デロイト トーマツ グループの公開資料(Impact
Report・採用サイト)と各転職サイトの公開求人を一次情報に、グループの構成、USCPAの採用要件、年収、働き方、選考で見られる点を解説します。
BIG4全体の比較は「BIG4監査法人の違いを比較|規模・年収・働き方・USCPA採用」で、監査法人への入り方の全体像は「USCPAで監査法人に入る方法|採用要件・4つの入り方・選考対策」で扱っています。
デロイトトーマツとは?グループの構成とUSCPAが入れる法人
デロイト トーマツ
グループとは、有限責任監査法人トーマツを祖業とする国内約22,000名(2026年時点)の総合プロフェッショナルファームで、監査・リスクアドバイザリー・コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリー・税務・法務を提供する。USCPAの主な入口は監査法人トーマツの監査職と、合同会社デロイト
トーマツのアドバイザリー職の2つである。
「デロイトトーマツ」は1つの会社ではなく、複数の法人から成るグループです。
USCPAを目指す方が混同しやすいので、まず構成を整理します。
| 法人 | 主な業務 | USCPAの入口 |
|---|---|---|
| 有限責任監査法人トーマツ | 会計監査、監査に関連する保証業務、IT監査 | 監査職(定期採用・中途採用)。USCPAが最も多く入所する法人 |
| 合同会社デロイト トーマツ(2025年12月発足) | コンサルティング、リスクアドバイザリー、ファイナンシャルアドバイザリー(FAS)、サイバー等 | 会計アドバイザリー、FAS、リスクアドバイザリーの各職種。USCPA歓迎の求人が多い |
| デロイト トーマツ税理士法人 | 税務、国際税務、移転価格 | 国際税務・米国税務(BTS)部門でUSCPA歓迎求人あり |
| デロイト トーマツ ベンチャーサポート | スタートアップ支援、新規事業 | 監査法人出身者の異動・転職先として実績あり |
出典:デロイト トーマツ グループ「Impact Report
2025」、「合同会社デロイト トーマツ」法人案内(2026年8月確認)
グループ全体の2025会計年度(2024年6月〜2025年5月)の業務収入は約3,908億円で前年比約8%増、国内グループ人員は約22,000名、国内グループ法人数は48社(2026年4月時点)です。
2025年12月には、コンサルティング系の主要3法人が合併して「合同会社デロイト
トーマツ」(人員約12,000名、子会社含む)が発足し、監査法人と並ぶもう1つの中核法人になりました。
つまり、USCPAにとってのデロイトトーマツは「監査法人トーマツで監査をする道」と「合同会社デロイト
トーマツでアドバイザリーをする道」の2本立てです。
この記事は監査法人トーマツを中心に解説し、コンサル・FAS側は「USCPAはFASで評価される?仕事内容・年収・未経験からの転職」と「USCPAでコンサルに転職|監査法人3年から移った筆者の体験談」で扱います。
監査法人トーマツの基本データ
有限責任監査法人トーマツの特徴を、採用サイトの公開データからまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設立 | 1968年5月(等松・青木監査法人として、国内初の全国規模の監査法人) |
| 国内拠点 | 国内監査法人最多の全国約30都市(連絡事務所含む、2026年1月実績) |
| グローバル | デロイト全体で人員46万人超・業務収入705億米ドル(FY25実績、Big4で最大) |
| 名称 | Big4で唯一、グローバル組織名(Deloitte Touche Tohmatsu Limited)に日本の法人名が入る |
| 海外の日本語話者 | 世界47ヵ国178都市に約1,300名(2025年4月時点) |
| 海外派遣 | 累計1,400名超。社員の海外勤務経験者の割合は40%(2025年4月時点) |
| 監査ツール | クラウド監査プラットフォーム「Deloitte Omnia」にAIエージェント「OmniaEdge」を搭載 |
出典:有限責任監査法人トーマツ
採用サイト「働く環境」(2026年8月確認)
USCPAの観点で注目すべきは、海外派遣制度が制度化されており、海外勤務経験者の割合が4割という点です。
英語で会計を扱うことを証明するUSCPAは、この種の制度がある法人ほど活かしやすくなります。
グループ全体の求人を横断して確認したい方は、会計士・USCPA専門のMS-Japanの無料登録で、監査法人・アドバイザリー・税理士法人の公開・非公開求人を比較できます。
トーマツはUSCPAを採用している?公開求人の採用要件
有限責任監査法人トーマツの監査職の中途採用では、「USCPA資格保持者またはUSCPA試験全科目合格者」を日本の公認会計士と並ぶ応募要件に明記している(2026年8月時点の公開求人)。ただし職階が上がるほどJCPAを条件とする求人が増え、USCPAは「経理または会計監査経験2年以上」を併せて求められるケースがある。
「本当にUSCPAで入れるのか」は、公開求人の要件を見るのが最も確実です。
転職サイトに掲載されている監査法人トーマツの求人から、USCPAに関する記載を整理します。
| 求人の職種 | 必須要件(USCPA関連の記載) | 歓迎要件 |
|---|---|---|
| 会計監査(スタッフ) | 日本公認会計士論文式試験合格、もしくはUSCPA全科目合格 | 会計監査経験、経理・財務経験、英語力 |
| 会計監査(経験者) | 以下のいずれか:日本公認会計士/論文式合格/「USCPA(または全科目合格)かつ経理・会計監査経験2年以上」 | ― |
| 会計監査(シニアスタッフ・マネジャー) | 日本公認会計士(マネジャーは監査職マネジャー経験1年以上) | USCPAは歓迎要件として記載 |
| アドバイザリー系(グループ法人) | 日本公認会計士、USCPA資格保持者(試験合格者でも可)、税理士、金融機関での経営企画・経理3年以上など | IFRS、英語力(TOEIC800点以上)、IT・データ分析 |
出典:リクルートエージェント・マイナビ会計士の有限責任監査法人トーマツ公開求人(2026年8月確認)。求人内容は時期により変わるため、応募時に最新の要件を確認してください。
この表から分かることは3つあります。
- スタッフ採用ではUSCPA全科目合格がJCPA論文式合格と同列に扱われている
- 経験者採用では「USCPA+実務経験2年以上」が条件になり、実務経験なしのUSCPAは新卒・第二新卒枠に近い扱い
- シニア以上はJCPAが必須の求人が多く、USCPAで入った後に上位職へ進むには法人内での実績が必要
これは筆者が在籍したBIG4でも同じ構造で、USCPAで入所した同僚はスタッフとして入り、シニア昇格は法人内の評価で決まっていました。
USCPAの科目合格段階での扱いは「USCPA科目合格で監査法人に入れる?入口3つと動くべき合格数」、新卒での入り方は「新卒でUSCPAから監査法人へ|就活の流れと在学中合格の実例」で詳しく解説しています。
定期採用(新卒)でのUSCPAの扱い
トーマツの定期採用サイトは、日本の公認会計士試験の論文式試験合格者を主な対象に設計されており、事務所ごとの採用(東京・大阪・名古屋など約20事務所)を行っています。
USCPAでの定期採用は、論文式合格者向けのスケジュールとは別に、各事務所やグループ法人の採用窓口を通じて応募するのが一般的です。
筆者が新卒でBIG4に入った際も、論文式合格者向けの選考とは別ルートで、USCPA全科目合格を前提に選考を受けました。
「USCPAの新卒採用枠がある」と明示している法人は少ないので、各事務所の採用情報とエージェント経由の情報を両方確認するのが確実です。
トーマツの年収は?初任給・職階別の目安とUSCPAの扱い
有限責任監査法人トーマツの初任給は転職情報サイトで月給35万円(首都圏)と紹介されており、1年目の年収は残業代・賞与込みで450〜550万円が目安である。職階別の年収はBIG4間で大きな差がなく、USCPAとJCPAで入所時の給与に差はない。差が出るのはシニア以降の昇格スピードである。
年収は法人が公式に公表していないため、転職情報サイトの掲載値と筆者の経験(同世代のBIG4水準)から目安を示します。
| 職階 | 年次の目安 | 年収の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| スタッフ | 1〜3年目 | 450〜650万円 | 初任給は月給35万円(首都圏)・34万円(首都圏以外)と紹介。残業代で変動 |
| シニアスタッフ | 4〜7年目 | 650〜850万円 | 現場責任者。残業代の有無で幅が出る |
| マネジャー | 8〜12年目 | 850〜1,100万円 | 管理職扱いで残業代なしが一般的 |
| シニアマネジャー | 12年目以降 | 1,100〜1,400万円 | ― |
| パートナー | ― | 1,500万円〜 | 社員(出資者)として法人の経営に参画 |
※初任給は「よりそい転職」(2026年3月公開)の掲載値、職階別年収は転職エージェントの公開求人と筆者の同期・元同僚の水準からの目安です。法人公式の公表値ではないため、応募時に確認してください。
USCPAで気になる「JCPAとの差」は、筆者の経験では次のとおりでした。
| 項目 | USCPA | JCPA(論文式合格者) |
|---|---|---|
| 入所時の給与 | 同じ | 同じ |
| スタッフ期間の評価 | 担当案件の成果で評価。資格は関係なし | 同左 |
| 修了考査・実務補習 | 対象外(ワシントン州などのライセンス取得は本人が別途手続き) | 3年間の実務補習と修了考査が必要 |
| シニア昇格 | 法人内の評価次第。JCPA登録を昇格要件にする法人もある | 修了考査合格後にJCPA登録→昇格が標準ルート |
| 配属 | 外資系・海外子会社を持つクライアントに配属されやすい | 配属先は幅広い |
筆者の場合、入所時の年収は日本の公認会計士組と同じでした。
差がついたのは3年目の転職時で、「英語×監査経験」の掛け算がコンサル転職で評価されたことが、USCPAで入所した最大のメリットだったと感じています。
BIG4の年収カーブ全体は「監査法人の年収カーブ|スタッフ〜パートナーの職階別相場と実体験」、USCPA全体の年収相場は「USCPAの年収はいくら?日本・米国の相場と筆者の推移を公開」で解説しています。
トーマツの働き方は?所定労働時間・在宅勤務・海外派遣
有限責任監査法人トーマツの所定労働時間は1日7時間で、在宅勤務と出社を組み合わせるスマートワークを導入している。繁忙期(3月決算の4〜5月)の長時間労働はBIG4共通だが、海外派遣制度(短期1〜3ヵ月から長期3年程度まで4種類)が制度化されている点はUSCPAにとって特徴的である。
働き方を、採用サイトの公開情報と筆者のBIG4経験から整理します。
| 項目 | トーマツの制度(採用サイトより) | BIG4共通の実態(筆者の経験) |
|---|---|---|
| 所定労働時間 | 1日7時間(公開求人に記載) | 閑散期は定時退社も可能。繁忙期は月60〜80時間の残業も |
| 在宅勤務 | 導入済み。出社と組み合わせる | クライアント先・事務所・在宅の3拠点を案件で使い分ける |
| 短日・短時間勤務 | フレキシブル・ワーキング・プログラム(FWP)。育児・介護以外の自己研鑽でも利用可 | 制度はあるが、利用のしやすさはチームによる |
| 海外派遣 | 短期Exchange(8〜12週)、海外短期派遣(1〜3ヵ月)、タレントセレクト(18〜24ヵ月)、ビジネスセレクト(3年程度) | 応募制。英語力と現場の評価が前提 |
| 語学支援 | オンライン英会話・ライティング講座の受講料補助、TOEIC IP受験機会 |
― |
| 評価制度 | GPE(Global Performance Experience)。継続的なフィードバック | 案件ごとの評価が積み上がる |
| 監査ツール | Omnia+AIエージェント、不正検知モデル、AIDC(標準業務の集中処理) | 単純作業はセンターやAIに移行し、判断業務に時間を使う流れ |
出典:有限責任監査法人トーマツ
採用サイト「働く環境」(2026年8月確認)
USCPAにとって注目したいのは、海外派遣が4種類に制度化され、海外勤務経験者の割合が40%という点です。
筆者が在籍したBIG4にも海外派遣制度はありましたが、応募には「英語で業務ができること」の証明が求められ、USCPAはその証明として機能しました。
繁忙期の実態は「監査法人は激務?繁忙期の実態と年間の残業時間を実体験で解説」、英語をどの程度使うかは「監査法人で英語は使う?USCPAが3年で担当した英語業務の実態」で解説しています。
AIと監査業務の変化がUSCPAに与える影響
トーマツは、監査プラットフォーム「Deloitte
Omnia」にAIエージェント「OmniaEdge」を搭載し、証憑突合などの実証手続や監査調書の点検をAIが支援する体制を公表しています。
また、標準的な業務は「トーマツ監査イノベーション&デリバリーセンター(AIDC)」で集中処理し、公認会計士の業務時間の一定割合を代替するとしています。
筆者がBIG4にいた時期にも、全件異常検知ツールが導入され、「抽出された異常のどれが本当に問題かを判断し、クライアントに確認する」部分が人の仕事になっていました。
この流れは、単純作業が減る一方で「判断」と「クライアントとの折衝」の比重が上がることを意味します。
USCPAで入所する人は、資格の知識より「判断の理由を説明できるか」「英語でも折衝できるか」を早い段階で鍛えるのが、この環境で評価される近道です。
AIと会計士の将来性は「USCPAはAIに代替される?会計士の将来性を現場から解説」で詳しく書いています。
USCPAがトーマツの選考で見られる3つのポイント
USCPAが監査法人トーマツの選考で見られるのは、「全科目合格の時期と受験計画」「英語で業務ができる根拠」「監査という仕事の理解」の3つである。資格の有無は書類の入口を開けるだけで、面接ではこの3点で差がつく。
筆者はBIG4で中途採用面接に同席した経験があり、USCPAの候補者に対して法人側が見ていたのは次の3点でした。
| ポイント | 法人側が確認したいこと | 通りやすい答え方 |
|---|---|---|
| ① 全科目合格の時期と受験計画 | 科目合格段階なら「いつ全科目そろうか」。合格済みなら「なぜUSCPAを選び、どう合格したか」 | 受験月・合格科目・残り科目の学習計画を具体的な数字で。合格済みなら学習時間と工夫を1分で |
| ② 英語で業務ができる根拠 | 海外子会社・外資系クライアントに配属できるか | TOEICの点数より「英語で会計を扱った経験」(USCPAの学習・留学・英文経理など)。「英語の案件を希望する」と明言 |
| ③ 監査という仕事の理解 | 「監査=会計の仕事」と誤解していないか。繁忙期の働き方を分かっているか | 監査の目的(財務諸表の信頼性を保証する)と、自分がその中で何をしたいかを自分の言葉で |
特に②は、USCPAで入所する意味そのものです。
法人側は「USCPAの人材=英語のクライアントに配属できる人材」と期待しているので、面接で「英語の案件は避けたい」と言うとUSCPAの強みが消えます。
筆者自身、1年目から外資系クライアントの監査チームに配属されたのは、面接で「英語を使う案件を希望する」と伝えていたからでした。
選考の進め方|新卒・中途・科目合格段階の3パターン
USCPAでトーマツを目指す場合、状況別に進め方が変わります。
| 状況 | 進め方 | 目安 |
|---|---|---|
| 大学在学中・全科目合格済み | 事務所ごとの定期採用情報とグループの採用窓口を確認。エージェントにも登録して新卒枠の有無を確認 | 大学3〜4年の秋〜冬に動く |
| 社会人・全科目合格済み・経理や監査の経験あり | 中途採用の経験者枠(USCPA+実務経験2年以上)。エージェント経由で非公開求人も確認 | 閑散期(7〜9月・1〜2月)に面接を集中 |
| 社会人・科目合格段階(2〜3科目) | スタッフ枠に「全科目合格の見通し」を示して応募。3科目合格+受験月確定が現実的なライン | 残り科目の受験月を決めてから動く |
科目合格段階での動き方は「USCPA科目合格で監査法人に入れる?入口3つと動くべき合格数」、面接対策は「監査法人の面接対策と志望動機の作り方|頻出質問15と例文」、法人の採用時期は「監査法人の採用時期と転職タイミング|USCPAはいつ応募すべきか」で解説しています。
トーマツを含むBIG4の求人を比較したい方へ
監査法人の求人は、法人ごと・事務所ごとに要件と時期が異なり、非公開のものも多くあります。
会計士・USCPA専門のMS-Japanは、BIG4監査法人・グループのアドバイザリー法人・税理士法人の求人を横断して扱っており、USCPA科目合格者向けの個別相談会も常時開催しています。
「USCPAでどの法人・どの職種に応募できるか」を先に把握してから動く方が、応募先の選択を間違えません。
トーマツとBIG4他社の違いは?USCPA目線での比較
BIG4監査法人はいずれもUSCPAを採用しており、年収・働き方に大きな差はない。トーマツの特徴は「国内約30都市の拠点網」「Big4最大のグローバル規模」「制度化された海外派遣」の3点で、地方勤務や海外経験を重視するUSCPAには相対的に向いている。
「どのBIG4が一番いいか」と聞かれることが多いのですが、筆者の答えは「差は小さく、配属されるチームで決まる」です。
そのうえで、公開情報から見えるトーマツの相対的な特徴を整理します。
| 比較軸 | トーマツ | BIG4他社との比較(公開情報ベース) |
|---|---|---|
| 国内拠点 | 約30都市(国内監査法人最多) | 地方事務所での勤務・地方採用の選択肢が最も広い |
| グローバル規模 | デロイトは人員46万人超・収入705億米ドルでBig4最大 | 海外の日本語話者プロフェッショナル約1,300名が日系企業を支援 |
| 海外派遣 | 4種類の制度(8週〜3年) | 制度の種類と派遣実績(累計1,400名超)が公開されている |
| グループのアドバイザリー | 合同会社デロイト トーマツ(約12,000名)に統合 | 監査からコンサル・FASへの法人内異動の受け皿が大きい |
| 監査のデジタル化 | Omnia+AIエージェント、AIDC、特許8件 | 各社ともAI活用を進めており、方向性は共通 |
出典:トーマツ採用サイト、デロイト トーマツ
グループ公開資料(2026年8月確認)。他社の詳細は各法人の公開情報を参照してください。
筆者の感覚では、「英語を使う案件に配属されるか」「どのパートナーのチームに入るか」の方が、法人間の差より働き方への影響が大きいです。
法人選びで迷うより、面接で「英語案件を希望する」と明言する方が、USCPAとしての3年間の質を左右します。
BIG4の詳細比較は「BIG4監査法人の違いを比較|規模・年収・働き方・USCPA採用」、他の3社は「PwC Japan×USCPA|採用・年収・働き方の実態」「EY新日本×USCPA|採用・年収・働き方の実態」「KPMGあずさ×USCPA|採用・年収・働き方の実態」でそれぞれ解説しています。
BIG4各社の現在の求人要件と募集時期を並べて比較するなら、MS-Japanに登録して4法人の求人票を取り寄せるのが最短です。
これからUSCPAの学習を始める方は、「USCPA予備校おすすめ比較|費用・教材・サポートで選ぶ3校」で予備校を選び、「アビタスUSCPA合格体験記|1発合格の学習記録つき」で筆者の学習ログを参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1.
USCPAだけで監査法人トーマツに入れますか?
入れます。
2026年8月時点の公開求人では、会計監査(スタッフ)の必須要件に「日本公認会計士論文式試験合格、もしくはUSCPA全科目合格」と明記されています。
経験者枠では「USCPA(全科目合格を含む)かつ経理・会計監査経験2年以上」が条件になるので、実務経験がない人はスタッフ枠や新卒・第二新卒枠で応募します。
求人の要件は時期により変わるため、応募時に最新の求人票を確認してください。
Q2.
科目合格の段階でも応募できますか?
法人・時期によります。
スタッフ枠の要件は「USCPA全科目合格」なので、公開求人上は全科目合格が前提です。
ただし、筆者が在籍したBIG4では、3科目合格+残り科目の受験月が確定している候補者が、入所後1年以内の全科目合格を条件に採用された例がありました。
科目合格段階の動き方は「USCPA科目合格で監査法人に入れる?入口3つと動くべき合格数」で詳しく解説しています。
Q3.
USCPAと日本の公認会計士で年収に差はありますか?
入所時の給与に差はありません。
筆者の場合、新卒入所時の年収は日本の公認会計士組と同じで、スタッフ期間の評価も担当案件の成果で決まりました。
差が出るのはシニア以降で、JCPA登録を昇格要件にする法人・部門ではUSCPAの昇格が遅れることがあります。
一方、英語案件への配属や転職時の評価ではUSCPAが有利に働く場面があります。
Q4.
トーマツの初任給はいくらですか?
法人公式の公表値はありませんが、転職情報サイトでは首都圏勤務で月給35万円、首都圏以外で月給34万円と紹介されています(2026年3月時点の掲載値)。
残業代と賞与を含めた1年目の年収は450〜550万円が目安です。
金額は改定される可能性があるので、応募時に採用担当またはエージェントに確認してください。
Q5.
トーマツはどの事務所で採用していますか?
定期採用は事務所ごとに行われており、東京・大阪・名古屋のほか、札幌・仙台・横浜・静岡・広島・高松・福岡・那覇など全国の事務所で採用があります。
国内約30都市(連絡事務所含む)の拠点網は国内監査法人で最多なので、地方で監査法人に入りたいUSCPAにとっては選択肢が広い法人です。
事務所ごとの採用情報は、定期採用サイトの「オフィス紹介」から確認できます。
Q6.
トーマツからコンサルやFASに異動できますか?
できます。
トーマツの採用サイトは、他部門やグループ法人への異動に柔軟に対応するとしており、年間異動者数は約300名(2024年度実績、法人内・グループ内外)と公表されています。
2025年12月に合同会社デロイト
トーマツ(約12,000名)が発足し、コンサル・FAS・リスクアドバイザリーの受け皿が1法人に統合されたので、監査からアドバイザリーへ移る道はグループ内で用意されています。
公開求人でも「将来的にアドバイザリー・コンサルティング業務に軸足を移すことも可能」と明記されています。
Q7. 英語はどの程度必要ですか?
入所時点で必須ではありませんが、USCPAで入る意味を活かすなら「英語で会計の話ができる」レベルが望ましいです。
歓迎要件としてTOEIC800点以上を挙げる求人もありますが、実際に見られるのは点数より「英語で会計を扱った経験」です。
トーマツはオンライン英会話・ライティング講座の受講料補助やTOEIC
IPの受験機会を用意しているので、入所後に伸ばす環境もあります。
必要な英語力の全体像は「USCPAの英語力|TOEIC何点から?600点台でも受かる理由」を参照してください。
Q8.
トーマツの働き方は激務ですか?
繁忙期はBIG4共通で忙しく、3月決算の期末監査(4〜5月)と四半期レビューの時期は長時間労働になります。
一方、所定労働時間は1日7時間で、在宅勤務や短日・短時間勤務の制度(FWP)も整備されています。
筆者の経験では、法人の差より「配属されたクライアントの決算期と規模」で忙しさが決まります。
繁忙期の実態は「監査法人は激務?繁忙期の実態と年間の残業時間を実体験で解説」で解説しています。
まとめ:トーマツはUSCPAで入れる。差がつくのは「英語案件を取りにいくか」
この記事の要点を再掲します。
- デロイト トーマツ
グループは国内約22,000名・48法人の総合ファーム。USCPAの入口は監査法人トーマツの監査職と、合同会社デロイト
トーマツ(2025年12月発足)のアドバイザリー職の2本立て - 監査法人トーマツの公開求人は、スタッフ枠で「USCPA全科目合格」をJCPA論文式合格と同列に明記。経験者枠は「USCPA+実務経験2年以上」、シニア以上はJCPA必須の求人が多い
- 初任給は転職情報サイトで月給35万円(首都圏)、1年目年収450〜550万円が目安。USCPAとJCPAで入所時の給与差はなく、差が出るのはシニア以降の昇格と転職時の評価
- 働き方は所定7時間・在宅勤務あり。海外派遣が4種類に制度化され、海外勤務経験者の割合40%はUSCPAに向いた環境
- 選考で見られるのは「全科目合格の時期」「英語で業務ができる根拠」「監査の理解」の3点。面接で「英語案件を希望する」と明言することがUSCPAの強みを活かす鍵
- BIG4間の差は小さい。トーマツの相対的な特徴は国内約30都市の拠点網・Big4最大のグローバル規模・グループ内のアドバイザリー統合
USCPAでトーマツに入れるかどうかは、公開求人が答えを出しています。
入所後の3年間の質を決めるのは、資格ではなく「英語案件を取りにいくか」と「判断の理由を説明できるか」です。
まず公開求人と事務所ごとの採用情報を確認し、自分がどの枠で応募できるかを把握するところから始めてみてください。
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